COLUMN
【株式会社10X】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.6.28
コロナ禍でも、普段の暮らしでも大活躍!ネットスーパー必要不可欠な時代にスーパーのお助け的な存在になるサービス「Stailer(ステイラー)」を展開している 株式会社10X さん。自身が育児を通して経験した課題からスーパー業界の通販に革命をもたらす。
目次
リサーチ企業概要
・株式会社10X(テンエックス)
・設 立:2017年6月6日
・代表者:代表取締役CEO 矢本真丈(やもと まさたけ)
・社員数:19人
・所在地:東京都中央区東日本橋1丁目4-6 東日本橋一丁目ビル5F
・代表的なサービス:プラットフォームStailer(ステイラー)
・株式上場:未上場
株式会社10X – INITIAL
経営者・創業者・役員
<共同創業者/代表取締役CEO> 矢本 真丈
1987年生まれ、青森県出身。東北大学応用化学修士を修了。大学院在学中の2011.3.11に東日本大震災で被災。卒業後、丸紅にて資源投資業務、一般社団法人RCFにてGoogle とのイノベーション東北プロジェクト責任者、株式会社スマービー(現・ストライプインターナショナル)にてママ向けEC・スマービーの責任者を務める。その後株式会社メルカリを経て、2017年6月より株式会社10Xを創業、代表取締役を務める。
<共同創業者/CTO> 石川 洋資(いしかわようすけ)
面白法人カヤック、LINEでの新規事業開発を経てメルカリ・ソウゾウでのプリンシパルエンジニアを務める。メルカリ時代の同僚だった矢本氏に誘われ、株式会社10Xを共同創業。
■CFO 山田 聡(やまださとし)
三菱商事株式会社でロシア・カザフスタン向けの自動車販売事業・現地販売会社のM&A及びPMIを経験。その後、Carlyle Groupに参画し、おやつカンパニーやオリオンビールの投資・PMIを実行。10X以外にもVoreas北海道(バレーボールチーム)を始めとするスポーツチームの経営支援に関わる。
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:「10Xを創る」非連続な価値を社会実装する
①生活を観察し、人が実際に抱えている課題を見つけ出すこと
②今ある技術の組み合わせで解決できること
③巨大なマーケットにエントリーできること
バリュー:10Xから逆算する
自律する
背中を合わせる
組織体制
経営チームを中心に、ソフトウェアエンジニア、デザイナー、グロース、ビジネスディベロップメント、カスタマーサクセス、パブリックリレイションで構成されている。
市場・マーケット
国内食品通販市場規模
2019年度:3兆8,100億円
2024年度:4兆1,800億円(見込み)
新型コロナウイルスの感染拡大によりネットスーパーの需要が急増。在宅勤務が増えた反面、外食する機会が減り、自宅で食事を摂る回数が増えたことが要因。緊急事態宣言中は、ネットスーパーを手掛ける各社とも配送が追いつかない状態。ただ、ネットスーパー需要が高まる一方で、野菜や魚を自分の目で見て買いたいというニーズが強いことや、必要な時にすぐ届けてもらえるとは限らないことが影響し、EC化率は3%程度に留まっている。
矢野経済研究所
会社・サービスの特徴
「10xを創る」をミッションに、開発不要でネットスーパーを立ち上げ可能なサービス「Stailer」を提供するスタートアップ。便利な顧客体験を実現するサービスとして運営し、2020年6月には「イトーヨーカドーのネットスーパー」スマートフォンアプリの提供を開始。ネットスーパーをアプリへ展開している。
ビジネスモデル
StailerはBtoB事業だが、エンドユーザー向けのプロダクトを作っているBtoBtoCモデル
月額制+レベニューシェアモデル
代表的な競合
・dely株式会社(クラシルリテールプラットフォーム)
小売事業者向けに初期費用無料、システム開発不要でネットスーパーを立ち上げ可能なサービス。
・ダブルフロンティア株式会社(ツイディ(twidy))
日本発の地域密着型お買い物代行サービス
競合優位性
・開発不要でサービスが開発できる
・既存システムを置き換えるAPIとデータベース
・ネットスーパーに最適化されたモバイルアプリ
・業務提携による事業展開
【導入事例】
イトーヨーカドー、フレスタ
最近の主なニュース
■2021年3月 10Xと薬王堂が共同で「ドラッグストアDX推進プロジェク
ト」開始 ネットで注文、ドライブスルーで受取可能な「
P!ck and」アプリを提供
■2020年6月 ネットスーパー業界初!より便利にご利用いただける
『イトーヨーカドー ネットスーパーアプリ』誕生
■2020年4月 食品流通のDXを加速させる10X、店舗を持たないネット
スーパー専業で世界No.1の英Ocado(オカド)リサーチ
レポートを公開
出資・株主
<主要株主>
ANRI、Doll Capital Management, Inc.、堀井 翔太、家入 一真、赤坂 優、大湯 俊介 、佐藤 裕介
<資金調達>
2017年12月 赤坂 優、家入 一真、大湯 俊介、佐藤 裕介、堀井 翔太ほか1名
の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により総額5,600
万円の資金調達を実施。
2019年5月 DCM Ventures、個人投資家を引受先とする第三者割当増資によ
り2.5億円の資金調達を実施。
2020年5月 DCM Ventures、ANRI、個人投資家を引受先とする第三者割当
増資により総額3億円の資金調達を実施。
これをもとに小売業者へのStailer導入を推進。
勝手にキャッチコピー
ネットでスーパーのインフラを構築
ネットスーパーを事業化するために必要なデータベースやAPI、UXの高いアプリ、データ分析ツールなどを統合して提供するプロダクト「Stailer」を提供。「開発不要でネットスーパーが立ち上げられる」というところを鍵に、様々な企業と提携しネットスーパーを増やしている。
勝手にペルソナ
青森在住・29歳・スーパー勤務・ショッピング
新型コロナウイルス感染症の影響で、お客さんからも濃厚接触を避けたいという理由で、お店まで買い物に来てもらう機会も減ってきている。家にいる時間が増えている人も多くなっているから、うちもネットスーパーを立ち上げたいんだけど、すごいコストかかりそうだし、難しそうだし一から作るのは難しい気がしている。
株式会社10Xを勝手に広報!
株式会社10Xを、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください
Googleで仕事をしていた時の上司の方が「テンエックス、10倍の価値を生むことから考えろ」とよく話していたことを気に入り社名としている。
勝手に広報ポイント①
原体験は強し!「人の課題」を追求することに共感し、未来実現を補完し合う創業メンバー
創業者である矢本氏と石川氏は、元々メルカリ時代の同僚で、コーヒーを飲みに出る仲。「人の課題」を追求できるところで共感し、「2人が組めば3回に一度くらいヒットにはなる。3回大振りできるならアイデアはなんでも良い」という楽観的な部分があったのと、メルカリで担当していたプロジェクトのクローズ、加えて矢本氏に第2子が生まれたことが大きな後押しになり起業している。創業当初は石川氏がプロダクトを作り、その間に矢本氏が採用活動やマーケティング活動に集中するという二人三脚の日々を過ごしている。創業時の主力サービス「タベリー」は10秒で献立を考え、買い物をリストで作成してくれ、それをネットスーパーで食材まで購入してくれる、無料の自動献立提案アプリ。矢本氏が育児休暇中に家族の食事を創り続けた原体験から食の課題を解決するプロダクト「タべリー」が立ち上がっている。現在はクローズしているものの、現在展開中の事業ではタベリーのオンライン注文機能なども引き継がれている。
勝手に広報ポイント②
人が欲しがるプロダクトを創ることに拘り、ピボットして生まれた事業
「Stailer」はスーパーマーケットやドラッグストアなどの小売チェーンがECを立ち上げるためのプラットフォームサービス。矢野経済研究所の調査によると、ネットスーパーや生協を含めた食品通販の市場規模は2019年度3兆8,100億円。2024年には4兆1,800億円に伸びる見込みで今後一気にネットスーパーが普及すると予想されている。「Stailer」の対象はネットスーパー事業の立ち上げや運営を行う小売・流通事業者で、レガシーなシステムを置き換えることに着手し始めている企業向けに展開している。2020年6月に「イトーヨーカドーのネットスーパー」スマートフォンアプリの提供を開始し、その後もライフや薬王堂など、ドラッグストアの導入もしている。さらにイトーヨーカドーとのリリース以降、大手スーパーや小売事業者等50社以上からの問い合わせがあるようで、続くプロダクトも開始予定で、今後の事業拡大も見込まれる。
勝手に広報ポイント③
ネットスーパーという成長市場で更なる事業加速をするためのPR意識と実行力
各分野のステークホルダーの人達に「WHY」を感じさせない発信をしている部分。たとえば「blog」では企画的な感じで【WHY10X】をシリーズ的に「〇〇さんに聞くスタートアップへの転職とかってどうでした?」というような内容をTwitterの個人アカウントタグを絡めて、実名性や透明性を意識して情報のオープン化に取り組んでいる。また事業としては、2020年6月のタベリーサービス終了のリリース後も8月には商品マスタデータの構築・運用を行うスコープ社と提携。12月に広島の老舗スーパーである「フレスタ」と提携。2021年3月にライフさんのアプリ提供など、事業は加速している。広報するためには必ずネタが必要で、ネタがあっても発信しないと知られない部分があるが、これを体系的に継続してやっていくことこそが広報チームに求められる部分であり、それを実行している同社は、しっかりと成果に繋げ、益々成長が気になる企業と言える。
勝手に広報チャンネルとは
株式会社プラスカラーが企画するYouTubeの動画コンテンツ。
元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。