COLUMN
広報担当者の役割とは?メディア対応から社内広報まで幅広い業務をわかりやすく紹介
2025.7.14

企業の認知度を高め、社会との信頼関係を築くために欠かせない存在――それが「広報担当者」です。広報担当者が主人公のドラマが放映されたこともあり、広報がどういうものか、最近では知っている人も増えてきましたらが、「広報ってどんな仕事?」「普段どういうことをしているの?」と、自社に広報部門がない友人から聞かれることもまだまだあるのが実情です。 経営戦略と連動しながら情報を発信し、メディアや社会との良好な関係を築くこの仕事は、単なる情報発信の枠を超え、企業価値そのものに関わる重要な役割を担っています。 この記事では、広報担当者の役割について、具体的な業務内容や必要なスキル、そして企業にとっての広報の意義まで、丁寧に解説します。初めて広報に携わる方や、広報部門を強化したいと考えている経営者・人事担当者の方にも、わかりやすくお伝えします。
目次
1. 広報担当者とは?企業と社会をつなぐ「信頼の橋渡し役」
広報担当者は、企業や団体が社会に対して適切な情報を発信し、信頼を構築するための業務を担います。英語では「Public Relations(PR)」と呼ばれ、その名のとおり「社会との良好な関係性(リレーション)」を築くことが使命です。
かつてはメディア対応が中心とされていましたが、現代の広報活動は、SNS運用、危機管理、オウンドメディアの運営、採用広報など多岐にわたっており、その役割は年々広がっています。
広報と広告の違い
混同されがちですが、広告はお金を払ってメディアに情報を掲載する「一方向の情報発信」です。一方で広報は、企業のストーリーや価値を自発的に社会に伝え、双方向の信頼関係を築く「関係性の構築」が目的です。
2. 広報担当者の主な業務内容
広報の業務は多岐にわたりますが、大きく分類すると以下のような役割があります。
① メディアリレーション
テレビ、新聞、雑誌、Webメディアなどの報道機関と良好な関係を築き、自社のニュースを取り上げてもらうための活動です。
- プレスリリースの作成・配信
- メディア向けの取材対応・記者会見の開催
- メディアとの定期的なコミュニケーション
② 情報発信・コンテンツ制作
オウンドメディア(自社ブログ・Webサイトなど)やSNSを通じて、企業のストーリーや価値観を発信します。
- SNS運用(X、Instagram、LinkedInなど)
- 企業ブログやニュース記事の執筆
- 動画やインフォグラフィックなどのコンテンツ制作
③ インターナルコミュニケーション(社内広報)
社員のモチベーションや企業文化の浸透を目的とした、社内向けの情報発信も重要な広報活動の一部です。
- 社内報・イントラネットの運営
- 社員向けイベントの企画・運営
- 経営方針やビジョンの社内浸透支援
④ 危機管理広報(クライシスコミュニケーション)
不祥事やトラブルが発生した際、企業の信頼を守るために迅速かつ適切な対応を行うのも広報の重要な役割です。
- 謝罪文・公式見解の作成
- メディア対応の準備
- 社内連携・経営層との調整
⑤ 採用広報・ブランディング広報
求職者や学生に対して企業の魅力を伝える広報活動も、採用市場での競争力を高めるうえで不可欠です。
- 採用パンフレットや採用サイトの企画・編集
- 社員インタビュー・働き方紹介コンテンツの制作
- 学生向けイベントやSNS発信
3. 広報担当者に求められるスキルとマインド
広報の仕事は多面的であり、単に「文章が書ける」「話がうまい」だけでは務まりません。以下のようなスキルや資質が求められます。
① 情報整理力・ライティングスキル
多様な情報の中から「伝えるべきポイント」を抽出し、わかりやすい文章に落とし込む力が重要です。プレスリリースや社内文書、SNS投稿など、文章力は必須スキルといえるでしょう。
② コミュニケーション能力
メディアとのやり取りだけでなく、社内の各部署や経営層との調整・連携も多いため、高いコミュニケーション能力が必要です。
③ 戦略的思考力
単発の情報発信ではなく、中長期的な視点で「企業イメージをどう形成するか」「誰に何をどう伝えるか」を設計できる戦略性が求められます。
④ 危機対応能力
予期せぬトラブルにも冷静に対応できる判断力や、状況を分析する力も不可欠です。危機管理広報では特に重要な資質となります。
⑤ 自社理解と共感力
広報担当者自身が自社のミッションやビジョンに共感し、「この企業をもっと多くの人に知ってもらいたい」と思えることが、説得力のある広報活動の源になります。
4. 広報担当者の役割が重要視される理由
なぜいま、企業において広報担当者の役割がこれほど重要視されているのでしょうか?その背景には、社会の変化と情報環境の進化があります。
情報過多の時代における「信頼」の価値
SNSの普及により、誰もが自由に情報を発信できる時代。そんな中で、消費者や求職者が企業を選ぶ基準として「共感」や「透明性」が重視されるようになりました。
広報担当者は、企業としての姿勢を可視化し、社会との信頼を築く「顔」となる存在です。良質なコミュニケーションが、採用力やブランド価値、危機時の対応力を左右する時代において、広報の役割はより重要になっています。
5. 広報担当者の一日と実際の働き方
広報の仕事は日々変化に富み、ルーティン業務ばかりではありません。以下は一例ですが、広報担当者の一日の流れを紹介します。
例:ある広報担当者の1日
時間帯 | 内容 |
---|---|
9:00 | 出社・メールチェック(メディアからの問い合わせなど) |
10:00 | プレスリリースの草案作成 |
11:30 | 社内ミーティング(新商品発表の段取り確認) |
13:00 | ランチ・情報収集(業界ニュース、SNSのトレンド) |
14:00 | メディア向け説明資料の準備 |
16:00 | 記者との打ち合わせ・取材対応 |
17:30 | SNS投稿用コンテンツの確認・予約投稿 |
18:30 | 翌日の業務確認・退勤 |
このように、クリエイティブな業務と対外的なコミュニケーションのバランスが求められる仕事です。
6. まとめ|広報担当者は企業の価値を未来へつなぐキーパーソン
広報担当者の役割は、単なる「情報発信者」にとどまりません。企業の内と外をつなぎ、社会との関係性を築き、ブランドイメージを形成し、時には危機から企業を守る——まさに「信頼の要」となる存在です。
これからの時代、広報担当者にはますます戦略性や専門性が求められます。もし自社にまだ広報専任の担当者がいない場合や、広報活動が手探り状態であるなら、まずは「どのように見られたいか」「誰に伝えたいか」を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
広報という仕事は、地道で目立たないように見えて、企業の未来を支える力を持っています。そしてその力を引き出すのが、広報担当者という存在なのです。
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