COLUMN
成功するPRの第一歩!”読まれる”プレスリリースの作成方法とコツを解説
2025.4.17

広報の代表的な業務は何ですか?と聞かれて、「プレスリリースの作成」と答える広報さんも多いはず。 プレスリリースとは、企業や団体がメディア向けに発表する公式文書のことで、簡単に言えば、「自社のことを知っていただくためにメディアさんに宛てたお手紙」であると私たちはお伝えしています。 広報担当者になるとほぼ100%対応することになる業務であり、新人広報になるとまず任される業務の1つです。 プレスリリースを通して自社の情報を発信・提供し、メディアがそれを取り上げ世の中に広く報じることで、ターゲットへの認知拡大、ステークホルダーの信頼獲得につなげていく。 広報担当者はこの状態を目指してプレスリリースをせっせと書いては発信します。 しかし、毎日多くのプレスリリースがメディアには届くため、読まれずに埋もれてしまうということも少なくありません。 本記事では、ゴミ箱行きのプレスリリースにならないための、”読まれる”プレスリリースの作成方法を解説します。
目次
1. プレスリリースの目的と役割
プレスリリースは単なるお知らせではなく、企業のブランド認知を高め、ターゲット市場へ情報を届ける重要な手段です。プレスリリースは主に下記の目的で作成・配信します。
- メディア掲載・露出獲得: 記者に記事として取り上げてもらい、企業の認知、知名度を向上させる。
- ターゲット層への直接アプローチ: マスメディアを通じて、見込み顧客や投資家等、ステークホルダーへ情報を届ける。
- SEO効果を向上: プレスリリースの転載を含めニュースサイトへの掲載により、検索エンジンでの露出が増える。
2.プレスリリース作成に向けた準備
プレスリリースをいきなり書き始めようとすると支離滅裂な文章になったり、そもそも書けない・・・!という事態に陥ったりします。プレスリリースの作成前に、以下の3点を整理し、明確にしておきましょう。
・ターゲットの明確化:
誰に向けた情報なのか?知って欲しい相手は誰か?
プレスリリースはそもそもマスメディア・記者に向けた情報提供の手法なので、直接的な相手はマスメディア・記者となりますが、ここで整理しておきたいのは、マスメディア・記者を通して、誰に伝えたいかということです。顧客・一般消費者なのか?投資家なのか?地域社会なのか?自分たちのステークホルダー、ターゲットを明確にしましょう。
・伝えたい内容:
何を伝えるのか?新製品を発表したいのか?大型提携を知らせたいのか?イベント開催を広めたいのか?ターゲットに知って欲しい内容を整理しましょう。
・伝えたいメッセージ:
ターゲットに伝えたい内容=事実情報を通して、伝えたいメッセージは何か?を整理します。その情報を知った時に、どういう印象を与えたいか?どういう心理になって欲しいか?行動を起こして欲しいか?そのために伝えるべきメッセージは何か?を定めましょう。
【誰に、何を、どのように】伝えるのか?この事前整理、設計がプレスリリースの質を左右します。
3. プレスリリース作成の基本。構成と抑えるべきポイント
プレスリリースは基本的に以下の4つの要素で構成されます。
- 冒頭
- 見出し
- 本文
- 文末
原則として、A4サイズ1ページ、最大でも3ページ以内に収めることが推奨されます。
プレスリリースは、日々膨大な数がメディアに届くため、簡潔かつ分かりやすい内容であることが重要です。特に、1ページ目に最も伝えたい情報を集約し、短時間で要点が伝わるように工夫しましょう。
1.冒頭のポイント
冒頭部分では、まず企業のロゴを入れ、自社を明確に認識してもらう工夫をしましょう。加えて、プレスリリースであることが分かるように、「プレスリリース」や「報道関係者各位」といった見出しを記載します。
また、発行日を明記する際は、西暦から記載することが推奨されます。日付が明確であることで、メディアにとって情報の新鮮さが判断しやすくなります。
2.見出しのポイント
見出しは、プレスリリースの中で最も重要な部分です。記者は、タイトルとリード文を見て、その先を読むかどうかを判断するため、”読まれる”プレスリリースになるかどうかの約8割がこの部分で決まるといっても過言ではありません。
見出しを作成する際のポイントは以下の通りです。
- 長くても3行以内に収める。
- メインタイトルとサブタイトルで構成し、100文字以内でプレスリリースで伝えるべき内容を要約する
- 数字や固有名詞、トレンドワード、季節・時流に乗ったワードを入れる
- 誰にとってどんなメリットがあるか?誰のどんな課題を解決するのか?等、自社目線ではなく「世の中目線」を取り入れる
3.本文のポイント
本文では、リード文を補足する形で「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」を明確に記載します。
また、文章構成として、以下の2つの流れを意識しましょう。
(1)逆三角形の構成
結論→具体・詳細の順に説明することで、記者が短時間で要点を把握できるようにします。
(2)Yesterday・Today・Tomorrowの流れ
- Yesterday(過去):プレスリリースを発表する背景や、商品・サービス開発の経緯を説明。
- Today(現在):製品やサービスの詳細、競合優位性、PRポイントを記載。
- Tomorrow(未来):今後の展望や計画を明記し、将来のビジョンを示します。
4.文末のポイント
文末には、メディアが問い合わせしやすいように、以下の情報を明記します。
- 企業名
- 担当者名
- 電話番号(必ず携帯電話番号を記載)
- メールアドレス
すぐに連絡がつくよう携帯電話番号を入れておくとベター。即時性を重視するテレビや新聞の場合、「1時間以内に追加情報をください」、「もう少し詳細を聞きたいので簡単にヒアリングさせてください」というオーダーが来ることもよくあります。そのため、迅速に連絡が取れる携帯電話番号が書かれていると、取材や露出につながる可能性が高まります。
3. プレスリリース作成のコツ
プレスリリースを作成する際、「新しい情報がなければ書けない」と考える方も多いですが、必ずしもそうではありません。プレスリリースの題材となるテーマはいくつか存在します。ここでは大きく7つのカテゴリーを紹介します。
<プレスリリース7つのテーマ>
(1)新規要素:新商品・新サービス・新製品の発表。「日本初」「業界初」などの“初めて”を強調するテーマ。
(2)時流要素:現在話題になっているトレンドを取り入れた内容。例)AI、SDGs、2025年大阪万博など。
(3)季節要素:特定の季節やイベントに関連付けたテーマ。例)エイプリルフール、ゴールデンウィーク、母の日など。
(4)実績要素:企業の成功や成長をアピールする。例)「会員100万人突破」「過去最高売上を記録」など。
(5)技術要素:独自の技術開発や特許取得に関する発表。例)「新技術を開発」「特許を取得」など。
(6)大成要素:大規模な投資、買収、提携、資金調達、子会社設立など。
(7)実利要素:消費者にメリットのある情報。例)無料セミナー、特別キャンペーン、期間限定セールなど。
この7つの要素をテーマにプレスリリースを作成することができます。
また、メディアに取り上げられやすい工夫の一つとして「法改正」に絡めてプレスリリースを出すという方法があります。法律の改正は社会的関心が高いため、メディアが報道しやすいテーマとなります。
さらに、①改正の発表時:政府が法改正を発表する段階、②法改正の施行時:実際に法律が施行されるタイミングの2回報道タイミングがあるため、同じ内容のプレスリリースでも出し方を工夫することで、2回取り上げてもらえる可能性があります。
4. プレスリリースの配信について
作成したプレスリリースはメディアに向けて配信・送付します。主な方法として下記2つを紹介します。
1.プレスリリース配信サービスを利用する
プレスリリースの転載先が多いサービスや、プレスリリース原稿の事前チェック・添削がついているサービスなど、各々特徴があるため、自社のニーズにマッチしたサービスを選びましょう。有料サービスの場合、1回の配信で約3万円が平均価格です。中には無料で利用できる配信サービスもあるので、予算が全くない・・・という場合や、お試しで配信してみたいという場合は無料サービスから始める方法もあります。
- 有料の配信サービス例:PR Times、@Press、ValuePress
- 無料の配信サービス例:PressWalker、ツナググ
2.メディアリストを作成し、直接送付する
- 「広報マスコミハンドブック」などの資料を利用して、メディアの連絡先をリスト化。
- 競合他社の掲載実績を調査し、同様のメディアにアプローチする。
- メディアの公式サイトに掲載されている問い合わせ先やプレスリリース送付先に直接連絡する。
- 新聞社やテレビ局の場合、メールよりもFAXの方が読まれやすいこともある。
SEO効果の向上を狙って有料配信サービスを活用し、記者やライターへ情報をより届気安くするために直接アプローチをする、というようにどちらかだけでなく、両方実施することをお勧めします。
まとめ:プラスカラーのプレスリリース作成サービスを活用ください
最近では広報担当者がいない企業も含め、多くの企業がプレスリリースを作成し、配信していますが、適切な形式やルールを押さえず、見よう見まねで作成しているケースも見受けられます。単なるお知らせのようなプレスリリースや、営業的な売り込みに偏った内容では、メディアに取り上げられにくくなります。
メディアを通して自社の情報をより広く発信してもらうためにも、まずは情報元となるプレスリリースを正しく、そして読まれる方法を意識して作成することが不可欠です。
プラスカラーでは、プレスリリースに関する多様なサポートを実施しています。
- プロ広報によるプレスリリースの作成・添削 :事業会社での広報経験が豊富な専門家や、マスメディア出身のプロフェッショナルが、プレスリリースネタの壁打ちや文章のブラッシュアップをサポートします。
◆プロ広報によるサポートの詳細はこちら - 実践型プログラムの提供 :プレスリリースを自社で作成できるスキルを習得するための、実践的なプログラムを提供しています。プレスリリース作成のノウハウを学びながら、効果的な発信方法を習得できます。
◆実践型プログラムの詳細はこちら - プレスリリースセミナーの開催 :「プラスカラーのプレスリリース作成サービスがどのようなものか知りたい」という方には、毎月開催しているセミナーがおすすめです。プレスリリースの基礎から応用までを学ぶことができるため、まずはセミナーへの参加を検討してみてください。
◆プレスリリースセミナーの詳細はこちら
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