COLUMN
【Chatwork株式会社】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.4.15
競合であるSlackやLINE WORKSにはなく、中小企業ならではの特徴を捉えたビジネスチャットツール「Chatwork」。その運営をする企業の経営を紹介!
目次
リサーチ企業概要
・Chatwork株式会社(Twitter・Facebook)
・設立:2004年11月11日(創業 : 2000年7月15日)
・代表者:代表取締役 山本正喜(やまもとまさき)
・社員数:169名(2021年2月末日時点)
・所在地:大阪府大阪市北区梅田 2-6-20-5F
・代表的なサービス:ビジネスチャットツール「Chatwork」
・株式上場:東京証券取引所マザーズ市場上場(証券コード4448)
*2019年9月24日上場
経営者・創業者
<共同創業者> 山本 敏行(やまもと としゆき)
1979年生まれ、大阪府出身。現代表取締役CEOの山本正喜氏の兄。中央大学商学部在学中の2000年、留学先のロサンゼルスにて中小企業のIT化を支援するEC studioを創業し、2004年法人化。2011年にビジネスチャット「Chatwork」を開始。2012年に社名をChatwork株式会社に変更し、米国法人をシリコンバレーに設立。2018年に弟に会社を譲ったのち、My CSOを立ち上げ各社の戦略立案の支援を行う。
<共同創業者/代表取締役CEO> 山本 正喜(やまもと まさき)
1980年生まれ、大阪府出身。電気通信大学情報工学科卒業。大学在学中に兄と共に、EC studio(現Chatwork株式会社)を2000年に創業。以来、CTOとして多数のサービス開発に携わり、Chatworkを開発。2011年3月にクラウド型ビジネスチャット「Chatwork」の提供開始。2018年6月代表取締役CEOに就任。
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:働くをもっと楽しく、創造的に
ビジョン:すべての人に、一歩先の働き方を
バリュー:自然体で成果を出す、いつも心にユーモアを、オープンマインドで
いこう、ユーザーに笑顔を、自分ごとで行動する
組織体制
■取締役副社長COO 山口 勝幸(やまぐち まさゆき)
SI・制作会社勤務を経て、ITサービス提供事業会社でサービスと組織マネージメントに従事。2008年にChatworkに入社、CMO(Chief Marketing Officer)としてビジネス部門を統括。2019年3月、取締役副社長COOに就任。Business IT推進協会(BIPA)の理事を務めるなど、士業や多業種企業との外交も担う。
■取締役CFO兼コーポレート本部長 井上 直樹(いのうえ なおき)
早稲田大学卒。戦略系コンサルのローランドベルガーやデル等を経て、2008年リクルートに入社、新規事業開発やM&Aに従事。2012年にIndeed買収を担当、その後PMIのためアメリカに駐在、2015年からはTreatwell買収後のPMI担当としてイギリスに駐在。帰国後2017年11月よりCFO としてChatworkに入社。2019年3月取締役CFOに就任。
市場・マーケット
ビジネスチャット市場規模
2019年度:105億6,000万円(前年度比41.6%増)
個人向けチャットサービスの利用者拡大により、チャットはポピュラーな個人間コミュニケーションの手段として広く社会に定着。その手軽さや利便性をビジネスでも積極的に活用したいと考える企業が年々増えており、2024年度には300億円に迫る市場規模に拡大すると予測。
ビジネスチャット市場2020
会社・サービスの特徴
メール、電話、会議・訪問など、仕事で必要なコミュニケーションをより効率的にするビジネスチャット「Chatwork」の開発運営を行う。チャット機能だけではなく、ビデオ通話、音声通話機能もついているため、業務の効率化が図れるサービスで、他社の人とチャットができたり、タスクの一元管理ができるなど、これ一つでビジネスの効率化を図っているという点が特徴的。2011年3月からサービス提供するビジネスチャットツールのパイオニア的存在。競合として挙げられるSlack(2014年2月S-in)、LINE WORKSなどのサービスと比べて早くからビジネスチャット事業に参入している。
ビジネスモデル
・「SaaS(Software as a Service)」形式で提供し、有料プランについては利用ID数ごとの定額利用料(サブスクリプション型課金)を受け取っている。『Chatwork』は顧客企業における導入に際してシステム投資を必要とせず、初期投資が限定的であることや、月額利用料をユーザーIDあたり数百円と負担が少ないことなどから、導入企業における継続利用によって、安定的なストック収益が可能。有料ユーザーになる前には、ストレージ容量やグループチャットの作成数などに一定の制限を設けた無料プランも提供。ストレージやユーザー管理機能などが必要になるに応じて、企業は有料プランへと移行する仕組み。
『Chatwork』の料金プランは大きく4つに分けられ、主な機能は次の通り。
・フリー(月額無料):グループチャット数を上限14件、ストレージは5GB
までなど、基本機能のみ
・パーソナル(月額400円/ID):グループチャット数は無制限、ストレー
ジは10GBまで拡大
・ビジネス(月額500円/ID・年間契約は約417円):ユーザー管理機能を
追加
・エンタープライズ(月額800円/ID):IPアドレス・モバイル端末制限や
ファイル受送信制限など、大企業向けの企業を搭載
代表的な競合
・Slack Japan株式会社(Slack)
仕事に必要なメンバーや情報、ツールをまとめるコラボレーションハブ。大手企業から小売店まで、世界中の何百万ものチームが Slack でつながる。
・LINE株式会社(LINE WORKS)
業務コミュニケーションのためのビジネス版ライン
競合優位性
・他社より早くからビジネスチャット事業に参入をしている。
・チャットツールとタスク管理ツールの一元化
・無料プランがあることで社外の人をグループに追加可能
採用関連
<新卒>
scalaエンジニア
<中途採用>
・プロダクト開発:Scalaエンジニア、PHPエンジニア、決済ドメインエキスパート、SREエンジニア、Webフロントエンドエンジニア、Webフロントエンド・アーキテクト、iOSエンジニア、Androidエンジニア、モバイルアプリケーションアーキテクト他
・ビジネス:フィールドセールス、セールスオペレーション、インサイドセールス、事業開発、営業推進、新規事業システム企画担当、事業戦略、マーケティング、カスタマーサクセス、カスタマーサポート
・コーポレート:コーポレートエンジニア、リクルーター、法務
出資・株主
<主要株主>
EC studioホールディングス、日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)、山本正喜、山口勝幸、GMOVenturePartners4、投資事業有限責任組合
<資金調達>
2015年4月 GMO VenturePartnersを引受先とする第三者割当増資により3
億円の資金調達を実施。
2016年1月 新生企業投資株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社を
引受先とする第三者割当増資により資金調達実施。また、GMO
VenturePartners株式会社より新たに追加増資を受け、総額15
億円の資金調達を実施。
勝手にキャッチコピー
誰とでも簡単にビジネスチャット
仕事で必要なコミュニケーションをより効率的にするビジネスチャット「Chatwork」。複雑なカスタマイズが不要で誰もが簡単に利用可能で、無料プランがあることで、取引先や お客様にも気軽に勧められれるため、 取引先やお客との間で利用する事が可能。
勝手にペルソナ
大阪府在住・行政書士・42歳・飲み会が大好き
お客とのメールのやり取りで書類が煩雑になりがちで、対処方法はないか悩んでいたところ、知人からチャットワークを教えてもらった。書類の確認作業もスムーズで仕事も早く終わるようになった。よし、今度はチャットワークでオンライン飲み会の段取りでもしよう。
Chatwork株式会社を勝手に広報!
Chatwork株式会社を、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください
・新型コロナウイルス感染症により、オンラインコミュニケーションツールが注目されていることが追い風になっている。
・日本国内におけるビジネスチャット普及率は30%未満と50%~67%を占める欧米諸国と比較して低いため、まだまだ市場の拡大が望める成長分野であると考えられる。
・近年、ChatworkやSlack以外にも様々なビジネスチャットツールが登場しているが、ターゲット層(企業規模、ITスキルなど)が異なるため、共存している。
勝手に広報ポイント①
ユーザー数が伸び続ける、複利のビジネスモデル。
2020年6月時点のChatwork利用企業は27.3万社、競合のLINE WORKSは2020年1月時点で10万社であり、約2倍となる。今後も日本国内におけるビジネスチャット普及率は30%未満と欧米諸国と比較して低いため、まだまだ市場の拡大が望める成長分野であると考えられる。同社のターゲットは中小企業かつITスキルの低い層。Chatworkのユーザー収益推移としては、解約に伴う減少収入を社内の利用ユーザー増加などの増加収益が上回っており、ネガティブチャーンを実現。ネットレベニューリテンションレートが127%を達成していることから着実な利益が望める。社外の人との連絡ツールとしても使用できることから、チャットワークを使用している企業が使用していない取引先に無料版の使用を進め、チャットワークで取引を行うということができる。そのため、ユーザーの拡大につながっている。
勝手に広報ポイント②
圧倒的なシェアを誇る理由。それは中小企業に特化しているから。
ChatworkはIT業界ではない業界の中小企業に強いという点が特徴的で、弁護士や税理士などの士業や介護、建設、医療、製造、小売といった業界に非常に強い。ITではない産業は、IT化もなかなか進みづらい現状なので、ビジネスチャットがまったく普及していないことから、大きなユーザー層を持っていると言える。機能面では、1つのアカウントで外部ととやり取りでき、オープンプラットフォーム性があるところが特徴。中小企業は自社でリソースが完結しないことが多く、いろいろなパートナーとやり取りしなければいけないため、中小企業の特性にマッチしている部分でChatworkは受け入れられている。
勝手に広報ポイント③
拡張性の高いサービス設計。HR領域やファイナンス領域にも広がる。
今後の方針として、 Chatworkはビジネス版スーパーアプリの導入を推進している。スーパーアプリとは、プラットフォーム化しいろいろなビジネスの起点になるアプリのことで、コンシューマの世界ではチャットアプリケーションや決済アプリケーションがスーパーアプリと言われている。ビジネスチャットは、今後ビジネスの世界においてスーパーアプリになっていく可能性がある。なぜなら、他SaaSと比較して圧倒的に滞在時間が長く、プラットフォーム価値が高いからだ。朝に出社してから1日中ずっと開き続けるので、滞在時間が長く、プラットフォーム価値が非常に高い。そこに対して、さまざまなサービスが利用できるようになる入り口を作ることでさらに付加価値をつけることができる。また、「Chatwork」はオープンプラットフォーム性を持っていることから、社外のユーザーとも接続でき、他サービスを提供している会社と組んでのサービス展開が可能で、拡張性の高いサービスだと言える。チャットだけではなく、オンラインアシスタントのようなHR領域、助成金のアドバイスや資金調達をサポートするファイナンス領域などにもサービスの幅を広げている。
勝手に広報チャンネルとは
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