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【株式会社Loco Partners】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー

2021.4.24

【ワンランク上の宿泊施設で大人な旅行を楽しみたい!】そんなあなたのために、厳しい審査を通過した一流ホテル・旅館だけを紹介するサイト「Relux」を提供。KDDIの子会社となりながらも、旅行者と宿、旅行者と各地域の架け橋となり自社独自の色を発信し続け、他サイトとの差別化に成功している株式会社Loco Partnersさんとはどのような企業なのか?

リサーチ企業概要

株式会社Loco Partners(TwitterFacebook)
・設立:2011年9月1日
・代表者:代表取締役社長 村上文彦(むらかみふみひこ)
・社員数:170名(2020年7月現在)
・所在地:東京都港区東新橋二丁目14番1号コモディオ汐留 4階
・代表的なサービス:ホテル・旅館の宿泊予約「Relux(リラック
 ス)
」の運営
・株式上場:未上場

経営者・創業者

<創業者> 篠塚 孝哉(しのづかたかや)
1984年、東京都生まれ。2006年に東洋大学経済学部を卒業後、Washington State Universityへ留学。帰国後、2007年に株式会社リクルート(現:株式会社リクルートホールディングス)へ新卒入社。同社を退職後、2011年9月に株式会社Loco Partnersを設立し、代表取締役に就任。一流旅館・ホテルのみを厳選した、会員制の宿泊予約サービス「Relux」を運営。2020年3月31日退任。2020年4月より地域のご馳走グルメを楽しめるEコマースサービス「TASTE LOCAL」を立ち上げ運営。コロナ下で危機に陥っている宿泊施設や飲食店をバックアップ。

<経営者/代表取締役社長> 村上 文彦
1967年生まれ。国内大手証券会社を経て1996年に第二電電株式会社(現 KDDI株式会社)に入社。コンテンツ・メディア事業本部、新規ビジネス推進本部でモバイルインターネットビジネスに従事し、2016年から金融・コマース推進本部コマースビジネス部副部長を務める。2017年2月より株式会社Loco Partnersに副社長として参画し、2020年4月より現職。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション:つながりをふやす
ビジョン :アジアを代表する旅行カンパニー
バリュー :BE HONEST すべてに素直であれ
      ONE TEAM ひとつのチーム
      OWNERSHIP高い当事者意識
      ROCKET SPEED 最高速のアウトプット
      FAIL HARDER 大胆に失敗しよう

組織体制

■代表取締役副社長 塩川 一樹(しおかわ かずき)
1979年生まれ、立命館大学経済学部卒。株式会社ジェイティービーを経て、株式会社リクルートへ中途入社。旅行事業部にて、首都圏・伊豆・信州エリア責任者を歴任し約2,000施設以上の担当を歴任。その後、トラベルズージャパン株式会社にて、エンターテインメント企業、ホテル・旅館の営業責任者として従事。2012年7月に株式会社Loco Partnersに取締役として参画し、現在は副社長を務める。趣味は旅館・ホテル巡り(年間100泊など)やレストラン巡り、ゴルフなど

■取締役CFO 鈴木 智章(すずき ともあき)
1973年生まれ。1995年に第二電電株式会社(現 KDDI株式会社)に新卒入社。経理部にて、決算業務、税務業務に従事。その後経営管理本部にてKDDIグループの年度計画策定、執行管理業務等の管理会計業務に従事。2017年2月より株式会社Loco Partners 取締役CFO(財務担当)に就任。趣味はスキー、読書。

■執行役員CTO 谷口 一浩(たにぐち かずひろ)
1969年生まれ。新卒で三菱製紙株式会社に入社。2000年にInfoseek(現Rakuten)へ転職以降、一環してWebサービスのエンジニアとして従事し、2001年から開発部副部長も兼任。2006年にMicrosoftに入社。約8年間、プログラムマネージャーとして国内外のマーケット全般を担当。その後アーキテクトとして損保ジャパン日本興亜、EPARKの再構築プロジェクトを経て2018年にCTOとして株式会社Loco Partnersにジョイン。2018年8月、執行役員に就任。趣味はスキー、テニス。

■執行役員 門奈 剣平(もんな けんぺい)
1991年生まれ。日本人の父と中国人の母をもつ日中ハーフで、2007年まで上海で生まれ育つ。2015年に慶應義塾大学環境情報学部卒業。2012年より株式会社Loco Partnersに入社。2015年にGlobal事業責任者を務め、訪日事業を大幅にグロースさせることに貢献。2017年より中国子会社の代表に就任。2019年4月に執行役員に就任。現在は、中国・台湾・香港・韓国・英語圏のマーケティング統括や世界の大手旅行企業とのシステム提携など幅広く推進。趣味はバックパック旅行。

市場・マーケット

オンライン旅行サービス市場規模
2017年度:3.4兆円(前年比11%増)
サービス系分野EC市場全体の6割を占め、旅行とインターネットの相性の良さが際立つ結果。特に、大手OTA(オンライン旅行会社)が牽引した結果によるもの。
旅行新聞より

会社・サービスの特徴

元リクルートの旅行カンパニーに所属していた現社長がスタートアップとして2011年9月に創業。宿泊者が満足するかしないかだけを評価基準に据えた「100%カスタマーオリエンテッド」なサービスモデルを作りたいと考えて立ち上げたのが、主要サービスである宿泊予約サイト「Relux」。同社の審査員の厳しい審査を通過した一流ホテル・旅館だけを紹介するサイト。掲載審査通過率はおよそ10%前後と厳しい数値となっている。近年では、auのスマートフォン利用者向けの旅行サービスの拡充などを推進し、2020年3月には会員登録数は240万人(うち56万人は海外の会員)となっている。

ビジネスモデル

通常、旅行代理店のビジネスモデルは、ホテル・旅館からの収入で成り立っている。多額の広告費を負担できる施設が優先して紹介されることから、旅行者は代理店から勧められた宿泊施設が期待と異なる場合が多い。「Relux」のビジネスモデルは既存の旅行代理店のビジネスモデルとは異なり、自社の選定基準で合格した優良宿泊施設のみを5ランクに分類し、ウェブサイトに掲載している。手数料は一律、宿泊料金の12%となっている(2018年現在)。

代表的な競合

・株式会社一休 (一休.com) 
国内の厳選されたホテル・旅館をはじめ、貸別荘や古民家などいずれもワンランク上の旅行体験ができる施設を予約できる。

・株式会社リクルートライフスタイル (じゃらん
国内最大級の旅行予約サイト『じゃらんnet』。

・楽天株式会社(楽天トラベル)
宿泊予約・航空券予約ができるオンライン総合旅行サイト。

競合優位性

・「厳選」:宿泊者目線に立った厳しい掲載審査を行う。部屋/風呂/料理/サービス/空間という大きく5つのカテゴリで合計約100個の掲載審査項目を設けており、営業担当者が必ず現地に赴いて調査を実施。
・「お得」:Reluxに掲載されている宿泊施設にはすべて「最低価格保証プラン」を記載。これは他のサイトで同じ内容の宿泊プランでReluxより安いところがあった場合に差額分を返金するというシステム。また、他社サイトでは宿泊料金の1~2%のポイントを会員に還元しているが、Reluxではこれを5%に設定。
・「使い勝手」:サイトの見え方や操作性、おもてなしレベルの優位性。ユーザーインタフェースはサイト内での動線も十分に考えて作ってあり、他サイトよりも迷わない。掲載する写真にも一定の基準を設けており、写真を見ているだけでも旅行気分を味わえる。

採用関連

WEBマーケティング、Webディレクター、コンテンツマネジメント、SREエンジニア、フロントエンジニア、サーバサイドエンジニア、アプリエンジニア、デザイナー、事業開発担当、ソリューション営業、経理、人事労務、新卒総合職、カスタマーサポート(アルバイト)、インターン

出資・株主

<主要株主>
KDDI株式会社※2017年2月にKDDIが過半数の株式を取得し、子会社化

<資金調達>
・2013年3月 株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズとRIP2号R&D投
       資組合を引受先として第三者割当増資により合計で約6,000万
       円の資金調達を実施。
・2014年9月 株式会社リクルートホールディングスなどを引受先としてに第
       三者割当増資により総額3.3億円の資金調達を実施。
・2016年4月 KDDI株式会社によるコーポレートベンチャーファンドKDDI
       Open Innovation Fundを引受先として第三者割当増資により
       5億円の資金調達を実施。

勝手にキャッチコピー

満足度がたっぷり詰まった予約サイト

同社の審査員の厳しい審査を通過した一流ホテル・旅館だけを紹介した宿泊施設の予約サイトで、使い勝手の良さを追求し、最低価格保証プランを設けたり、無料のコンシェルジュサービスを設けたりと、利用者の満足度を考えた徹底サービスを行う。

勝手にペルソナ

東京都在住・36歳・ホテル勤務・桃太郎電鉄で家族対決

勤務するホテルはOTAからの予約がほとんど。ホテルの魅力を伝える広報活動や快適に過ごしてもらうための施設管理に力を入れて、ようやく「Relux」にも取り上げてもらえるように。「いいホテルだったよ」と言われることがうれしい。もっと皆にいい施設を伝えたい。

株式会社Loco Partnersを勝手に広報!

株式会社Loco Partnersを、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください

マーケティングについて、Facebookの国内会員が1,500万人の時に注目して、今後拡大することを見越し、利用を始めていた。TikTocも今は10代後半から20代前半が利用しているが、中国版は幅広い年齢のユーザーがいることから、日本でも普及することを見越して、力を入れている。これらのように、企業のSNS運用の先駆的存在。また、高級志向のサイトは一休のように存在しているが、顧客の満足度・100%カスタマーオリエンテッドという視点で運営をしているところが他社との1番大きな点になる。

勝手に広報ポイント①
元リクルート出身者が創業。他の宿泊予約サービスにはない3つの差別化ポイント

「Relux」は審査員の厳しい審査を通過した一流ホテル・旅館だけを紹介する宿泊予約サイトで、掲載審査通過率はおよそ10%前後と厳しい数値となっている。会員登録数は2020年で247万人を突破し、国内では190万人、グローバルでは57万人を更新。重要指標である会員数や予約流通額は年間200-300%のペースで拡大している。創業者の篠塚さんはリクルートライフスタイルの出身者で、「じゃらん」のサービス運営にも携わっていたため、ユーザーの声をよく理解している。とにかく宿泊者が満足するかしないかだけを評価基準に据えた「100%カスタマーオリエンテッド」なサービスモデルを作りたいと考え、「厳選」「お得」「使い勝手」の3つの差別化ポイントを設定。宿泊者目線に立った厳しい掲載審査で「厳選」し、掲載されている宿泊施設で他社サイトに安いところがあった場合には、その差額分の5%を返金するという最低価格保証プランで「お得」を打ち出し、サイトの見え方や操作性、おもてなしレベルの優位性で「使い勝手」の良いサイトを提供している。

勝手に広報ポイント②
100本ノックの精神!大手が避けることを敢えてやるベンチャーマインド

常にカスタマー目線の施策をスピーディに大量実行。競合他社が避ける施策を率先しているのが同社。創業者の篠塚さんインタビュー記事で「あれ/これがきっかけとなって、流通額が急増したことは1度も無い」と述べている。創業当初、売上が伸びずデータもない中、ひたすらに様々な機能を乱発していった。結果としては間違いなく効いていたが、「どれが効いたか」は最後までわからなかったよう。ユーザーニーズを模索するため、価値の根幹とも言えそうな点すらも大胆に変更した事例も存在する。招待制中止、ポイント5%還元、アプリのローンチ、SNSマーケ、ジャンル拡大、Relux Gradeの実行、旅行者前全員への手紙の送付、コンシェルジュサービスの提供など。ユーザーが求めるであろうことを全て実行するという仮説、それに伴う実行により、効果としては毎月着実に10%ほど成長していった。

勝手に広報ポイント③
ガラス張りの経営の原則を取り入れ、社内外への情報オープン化で自走組織を構築

重要な経営数値、全部署のOKR、経営会議のアジェンダ、その決定内容などの情報を社員だけでなく学生インターンにも共有。全てオープンなデータベースに格納されている。ごく一部の重要プロジェクトを除き、誰もがアクセスできるという特徴があり、徹底的に経営情報のオープン化につとめている。それは、京セラの稲盛さんが提唱されている「経営数値を開示することで各人が自ら課題を見つけ、それに向かって走ることができる。日々の細かな業務と経営戦略のひも付きを理解することができる」という【ガラス張りの経営】の原則という考え方に基づいてこのような取り組みを徹底している。また、社外に向けた情報のオープン化も推進している。

勝手に広報チャンネルとは

株式会社プラスカラーが企画するYouTubeの動画コンテンツ。
元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。