COLUMN
人の心を動かすのは、立派な機能ではなく人によって作られるストーリー
2023.8.22
この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。
目次
相手の心をガシッと掴むトーク術を身につけたい!と思うこと、ありませんか?
私は広報・PRに約20年間携わっています。
勤めてきた事業会社をはじめ、独立後の広報サポートも含めると、約100社ほどの企業様を記者さんや投資家さんといったステークホルダーに対してご紹介してきました。
掲載・露出になったり、サポート前よりもよい関係構築に繋がったりと、それなりの実績、経験があると手前味噌ながら自負していました。
ただ最近、事業を推進するために商談の席につくことも多いのですが、商談となるとどうも身構えてしまい、自分の伝えたいことがうまく伝わらない・・・そんな感覚に陥ることがしばしば。
この感覚に加え、面談希望のメッセージを送らせていただくこともあるのですが、そのメッセージへの反応が年々薄れてきている気がしています。
何が原因か?
いまの壁を乗り越えるための解決策を検討しなければ、と頭の片隅に残しながら、いつものインプット情報を探してたときに目に止まったのが、今日ご紹介する動画でした。
「心に刺さる物語」。
これがいまの私の課題を解決に導くキーなのでは?それを確かめたくて動画を視聴することに決めました。
本日のインプット&アウトプットは、伝え方について。
今回は、キンドラ・ホールさんの著書「心に刺さる物語の力 ストーリーテリングでビジネスを変える」を解説した中田敦彦さんのYouTube大学の動画の中から、人の心をつかんで離さない伝え方についてご紹介します。
今日のインプット
中田敦彦のYouTube大学 – NAKATA UNIVERSITY
【ストーリーの伝え方①】心に刺さる物語を制する者は人生を制する
インプットした内容
1.Why?なぜストーリーが大事なのか?
①心をつかむ
・ストーリーがあれば話を聞きたくなる。情報とストーリーは違う。履き違えると大ダメージ。
・人は聞くときはストーリーを聞くが、話すときは情報を話している。ストーリーを話すことができれば人の心を掴める。何を伝えれば人の心を掴めて、人の心が離れるかを理解する。
営業、面接などでスペック、性能などの一次情報だけを話されても興味は惹かない。
②人間が心を動かされて行動を変える3効果
■注意:話を聞いてもらうための注意を引く
→こんな物語があるよ、というつかみが大事。
■感化:なるほどなと思って行動させる
■持続:注意させて行動させ、持続させる
→情報は持続しない、ストーリーは定着するので持続する
・ディズニーランドは全部にストーリーがあるので覚えている。
持続しているからアラジンのアトラクションに入る。
・一度掴まれたら何度もリピートしたくなる。
→長期ファンになってもらえるということ。
2.How?どのようにストーリーを作るか?
①3要素
■共感できる主人公を置く
・平凡な高校生がある日突然とんでもないことに巻き込まれた!
→等身大の主人王に共感する
■本音の感情を見せる
・感情を赤裸々にぶつける。葛藤と苦悩が一番大事!
・視聴者、消費者は日常において葛藤している。主人公とシンクロする。
■ディテール(シーン、キャラ)
・シーン:
フォーカスするシーンがある
→心に残った1日、彼女に言われた15秒にフォーカスする。
映画の1シーンでスローモーションになるイメージ。
シーンを拡大し、フォーカスする。
・キャラ:
親しみやすくなるためのディテール。苦手な点や好物に親近感がある。
→ドラえもん。未来から来たロボットではなく、どら焼きが好きで
ネズミが苦手で、のび太くんと押し入れの中で寝る、というように
親近感が沸く設定
→ディテールを描くことで気持ちを掴まれる、共感を生む。
②構成
■日常→爆発→新日常
・ディテールが決まったら構成を考える。構成の流れは、日常→爆発→新日常
(例)
<スラムダンク>
ヤンキーが→バスケを始めたら→人格が変わった
<ドラえもん>
泣き虫のび太が→ドラえもんと出会ったら→成長した
・日常→爆発→新日常の中で一番大事なのは「日常」。
・爆発だけを描いたメディア=ニュース。事件についてしか説明をされない。
事件はたくさん起きるが、ほとんどのニュースでは泣けない。
なぜかというとその前の日常を知らないから。
その事件を取り上げたドキュメンタリーを見るとその対象者の
日常を知ることができて心が動く
→爆発だけでは聞き手に届かない。
・最も大事なのは変化や事件が起きる前の日常。
Before&AfterはBeforeの方が大事。必ずBeforeの前振りを入れる。
インプット情報からの学び:WhatよりもWhy。考えや行動の根源が共感のカギとなる
モノや情報があふれる現代。新型コロナウイルスの影響でオンライン化がより進み、人々の消費行動も変化し続けているいま、従来通りの採用活動や営業活動だけでは自社を選んでもらうことが難しくなっています。
自社が「選ばれる存在」になるためには、情報発信が不可欠な時代に突入しています。しかも、ただ単に自分たちの言いたいことや一次情報を発信するだけでは、届けたい相手には届かない無理ゲー状態。
届けたい相手に届けるために求められるのが、ストーリーです。
人を説得するために有効なのは、理論や数字的根拠でもなく、共感を得られるストーリーを語ることだと、具体例を交えながら説明されていて、非常に納得性の高い内容でした。
この動画を視聴した後に、自分の商談動画やメッセージの内容を改めて振り返ってみると、お恥ずかしながら、一次情報のオンパレードで、なかなか上手くいかない要因はわたしがストーリーテラーになりきれていなかったからだと、ハッとしました。
広報活動の中でメディアさん・記者さんに自社や自社サービスについてご説明させていただく際、ストーリー設計を意識します。
自己紹介→創業秘話・会社の歴史→市場環境・競合等の状況→事業・サービス紹介→未来の話
ご紹介する内容によって変える場合もありますが、大体はこの構成。
過去→現在→未来の時間軸を置き、自分たちがやっていることを、なぜ始めたのか?(Why)→どんなことをやっているのか?(What、How)→どのような未来が実現できるのか?(How)の流れで説明していきます。
動画で紹介されていた「日常→爆発→新日常」の流れに当てはめるとするならば、
こういうことに不便さや課題を感じていたんだよね(日常)
↓
それを解決したくてこういうサービスを作ったんだよね(爆発)
↓
今後はこういうふうに拡張・拡大して、こういう世の中を実現するよ(新日常)
となります。結論、
<過去/Why?=日常 → 現在/What,How=爆発 → 未来/How=新日常>
こんな方程式になるかと思います。
動画の中で日常が一番大事だと言っていましたが、要するに共感を呼ぶにはWhy?が大事だということです。
・なぜこの会社を設立したのか?
・なぜあなた(経営者)がこの事業をやるのか?
・なぜこのサービスにしたのか?
・なぜこの経営戦略なのか?
メディアさんや記者さんも、必ずここに触れます。人はその人の考えや行動の根源に興味があり、知りたいから。それがネタになるからです。この人の興味の本質を捉えることで、成果につながる広報活動ができるようになります。
最後に。
今回、この動画を視聴するに至った一連の流れを振り返り、「広報は、どんな業務、どんな仕事においても活用できる」ということを、改めて実感するとともに、広報の活用方法を広めていけるよう、わたし自身の体験談、ストーリーを増やしていこうと心に刻みました。
<これからの時代に必要な”ストーリーテリング力”を磨く方法>
どんなに良いサービスも“認知”されなければ検討に上がらない。
どんなに良いサービスでも”ストーリー”がなければ選ばれない。
「選ばれし一社」になるために、
これからの時代に必要な広報力を磨いてみませんか?
広報のプロ監修の「発信力を磨く社員研修」により
社員一人ひとりの「伝える力」、「ストーリーテリング力」を養います。