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広報の成果はメディアとの関係づくりで決まる!今さら聞けないメディアリレーションの基本と実践法

2025.5.19

企業や団体が社会との良好な関係を築くうえで欠かせない「広報」。その中でも特に重要な役割を担っているのが「メディアリレーション」です。本記事では、広報活動の根幹を支えるメディアリレーションについて、基本的な考え方から具体的な取り組み方法、成功のポイントまでを丁寧に解説します。これから広報活動を始める方、広報担当者としてのスキルを高めたい方にとって、実践的なヒントとなる情報をお届けします。

メディアリレーションとは何か?

まず、「メディアリレーション」とは何かを明確にしておきましょう。メディアリレーションとは、新聞・テレビ・雑誌・Webメディアなどの報道機関やジャーナリストとの関係を築き、信頼関係を育てる広報活動の一環です。

企業や団体が伝えたい情報を、メディアという第三者を通じて社会に届けることで、情報の信頼性を高め、広範囲に発信することが可能になります。そのため、広報担当者にとって、報道関係者との良好な関係性の構築は非常に重要です。

メディアリレーションの目的

メディアリレーションの主な目的は以下の通りです。

  • 自社の情報を効果的に社会へ届けるため
  • メディアに取り上げてもらう機会を増やすため
  • ブランドイメージの向上や認知拡大を図るため
  • 危機発生時の迅速かつ適切な情報発信のための備え

単に報道を依頼するという関係性ではなく、日頃から信頼を築き上げることで、報道側から「この企業の情報は信頼できる」「ぜひ取り上げたい」と思ってもらえるような関係を目指します。

メディアリレーションの重要性

インターネットやSNSの普及によって、情報発信の手段は多様化しています。しかし、依然としてテレビや新聞といった「マスメディア」の影響力は強く、社会的な信用度も高いのが現状です。

メディア掲載がもたらすメリット

メディアに取り上げられることで得られる主なメリットには、以下のようなものがあります。

  • 第三者の視点による信頼性の獲得
  • 自社発信ではリーチできない層への情報伝達
  • 検索結果での露出増加によるSEO効果
  • ブランディングの強化

特に信頼性の面において、自社が発信するニュースリリースやSNSの投稿よりも、報道機関を通じた情報の方が、読者にとって「信頼できる情報」として受け入れられやすいという特徴があります。

メディアリレーションの実践ステップ

では、実際にメディアリレーションをどのように進めていけば良いのでしょうか。以下に代表的なステップを紹介します。

1. メディアリストの作成・整理

まずは、自社にとって関連性の高いメディア(新聞社、業界紙、テレビ局、Webメディアなど)や記者のリストを作成します。業界や地域によって注力すべきメディアは異なるため、ターゲットを明確に絞ることが重要です。

ポイント:

  • 過去に自社や競合を取り上げたメディアを調査
  • 担当記者の名前や連絡先、関心テーマを記録
  • リストは常に最新の状態を保つ

2. ニュースバリューのある情報提供

メディアが取り上げるのは「ニュース性のある情報」です。単なる商品紹介ではなく、「社会的に意味がある」「他にはない独自性がある」「人の関心を引く」情報を意識しましょう。

例:

  • 社会課題に関わる取り組み
  • 業界初の技術・サービス
  • 影響力のある人物の関与

広報担当者は、自社の情報を客観的に見つめ、どのようにすればメディアが関心を持つかを常に考える視点が求められます。

3. プレスリリースの作成と配信

メディアに情報を提供する基本的な手段が「プレスリリース」です。プレスリリースは、記者が一目で内容を把握できるよう、簡潔かつ論理的にまとめる必要があります。

プレスリリース作成のポイント:

  • タイトルとリード文で内容がすぐに分かるようにする
  • 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を明確に
  • 写真や図表などの視覚的要素を活用
  • メディアの特性に応じたカスタマイズ

リリース配信後は、必ずフォローアップを行い、記者の反応や質問に丁寧に対応しましょう。

プレスリリースの作成方法については、下記記事でもご紹介しています。
▶成功するPRの第一歩!”読まれる”プレスリリースの作成方法とコツを解説

4. 定期的な関係構築・コミュニケーション

メディアリレーションは一度きりではなく、継続的な関係構築が大切です。プレスリリースを出すときだけでなく、日頃からの信頼構築が掲載の可能性を高めます。

関係構築の方法:

  • 定期的に情報提供や近況共有の連絡を入れる
  • 記者の関心分野に合った情報をタイムリーに提供
  • 食事会・勉強会など非公式な場での交流

無理に報道をお願いするのではなく、あくまでも「信頼できる情報源」として記者にとって価値ある存在となることを目指しましょう。

メディアリレーションを成功させるコツ

成功するメディアリレーションにはいくつかの共通するポイントがあります。

ニュース性と社会性の視点を持つ
自社の視点だけでなく、社会やメディアの視点で情報を再構築することが重要です。「なぜこの情報を今、報道する必要があるのか?」を常に意識しましょう。

スピード感のある対応
報道の世界ではスピードが命です。取材依頼が来た際や、問い合わせへの対応はできるだけ早く、正確に行いましょう。素早い対応が信頼に繋がります。

社内との連携体制を整える
広報担当者が記者からの問い合わせに即答できないケースもあります。社内の他部署との連携体制をあらかじめ整えておくことで、スムーズな対応が可能になります。

メディアリレーションの「見える化」
社内で広報の価値を理解してもらうためにも、メディアリレーションによる成果を「見える化」して共有することも大切です。掲載件数や媒体の影響力、Webでの流入などを数値で示すと効果的です。

まとめ

メディアリレーションは、広報活動の中でも非常に戦略的かつ人間関係が重要となる分野です。一朝一夕で構築できるものではありませんが、日々の積み重ねと丁寧な対応が、やがて大きな成果へと繋がります。

報道機関との信頼関係を築くことで、企業の情報がより多くの人に、より深く届くようになります。広報担当者として、自社の魅力を社会に伝える架け橋となるメディアリレーションの取り組みを、ぜひ丁寧に進めてみてください。

メディアリレーションのやり方に悩んだら、ご相談ください

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