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【保存版】プレスキットの作り方完全ガイド|広報活動に欠かせない資料一式の準備手順を解説

2025.5.21

広報活動をスタートするうえで、まず整えておくべきもの。それが「プレスキット」です。 プレスキットとは、自社やサービスについての情報をわかりやすくまとめた資料一式のこと。記者発表会や展示会などでメディア関係者に手渡すほか、最近では企業の公式サイトに掲載し、ダウンロードできるようにしている企業も増えています。 プレスキットがあると、取材対応が驚くほどスムーズになります。メディア関係者が求める情報を事前に用意しておくことで、確認や素材提供などのやりとりを減らし、記事化のスピードや精度を上げることができます。 この記事では、プレスキットの基本から活用方法まで、実践的なノウハウをわかりやすく解説します。

プレスキットの基本:なぜ、今注目されているのか?

プレスキットは単なる会社紹介資料ではありません。メディア関係者にとっては「使いやすく、信頼できる情報源」、企業にとっては「メッセージを正しく届けるツール」です。

▽ こんな場面で使われています

  • 新商品・サービス発表時(プレスリリースと併せて配布)
  • 記者発表会・展示会などのリアルイベント
  • 個別取材や初対面の記者との打ち合わせ時
  • HPへの掲載(常時公開用)

最近では、メルカリSansanSmartHR楽天など、広報体制が整っている企業は、必ずと言っていいほど自社サイトにプレスキットを掲載しています。他社の事例を見るのも、作成の参考になります。

▽ 紙 vs. デジタル、どちらがいい?

結論から言うと「両方用意する」のがベストです。展示会や発表会では紙資料が便利ですが、取材記事の執筆段階ではコピペ可能なデジタルデータが重宝されます。USBメモリでの配布や、Google Drive・Dropbox経由での共有など、用途に合わせて準備しましょう。

補足ですが、USBメモリにロゴを入れた「オリジナルノベルティ仕様」にすると印象に残りやすく、企業ブランディングにも一役買います。とある海外のゲーム会社様では、ゲームの中のアイテムを彷彿とさせるカセットテープ型のUSBでプレスキットを配布して、記者さんたちから好反応を得ていました。

 プレスキットに必ず入れるべき7つのコンテンツ

では、どのような情報を盛り込むべきか。以下の7つが基本項目です。

① 会社概要

企業名、所在地、設立年、事業内容、沿革などに加えて、ミッション・ビジョン・パーパスも明記しましょう。「なぜこの事業をやるのか」という背景まで書くことで、記者に“人間味ある企業像”が伝わります。

② 代表者プロフィール・写真

経歴や肩書きのほか、創業ストーリーを記載するのもおすすめです。社長の人柄や考え方に興味を持つメディアも多いため、背景情報は露出のきっかけになります。対応可能な取材テーマも書いておくと、寄稿依頼にもつながりやすくなります。

③ 製品・サービス情報

サービス名、特徴、競合との差別化ポイント、市場でのポジションなどを整理。「どんな課題を解決するのか?」が伝わる内容を心がけましょう。
可能であれば、売上やユーザー数の推移といった数値データもあると、報道の裏付け情報として信頼されます。

④ 最新プレスリリース

直近1〜2ヶ月のプレスリリース、もしくは重要な発表資料を添付。PDFだけでなく、自社サイトのリリース一覧URLやQRコードも添えると親切です。

⑤ 高解像度の素材

ロゴ、代表者の写真、製品画像など。メディアがそのまま使える画質・形式で提供することがポイントです(png / jpg / aiなど)。

⑥ 過去のメディア掲載実績

信頼度を高める材料として、掲載された新聞・雑誌・Web記事などを一覧で紹介します。掲載日・媒体名・タイトルが揃っていると記者が確認しやすくなります。

⑦ 広報担当者の連絡先

取材依頼や素材提供の窓口として、広報担当者の氏名・メールアドレス・電話番号を明記します。対応時間などの記載があると、より丁寧な印象になります。

プレスキットの作成手順:4ステップで進める

プレスキットは「情報をまとめて終わり」ではありません。社内の確認フローや公開方法まで考慮し、計画的に進めることで、初めて“使える”ものになります。この章では、実際の現場で役立つ4つのステップをご紹介します。

STEP1. 展開方法を決める

まずは「どう活用するか」を明確にしましょう。

  • 紙資料で現場配布するのか?
  • メール・USBで配布するのか?
  • サイトに常設するのか?

この方向性によって、構成・トーン・情報量も変わってきます。社内の広報・デザイン・経営層とすり合わせながら、目的に合った展開方法を選びましょう。

STEP2. 掲載する内容を決める

どのメディアに、どんな情報を届けたいのか。ターゲット像を意識しながら、必要な情報をリストアップ。既に社内にある資料も有効活用しましょう。

STEP3. 各コンテンツを作成・整備する

素材が決まったら、わかりやすい順序で配置・構成します。
写真の解像度チェック、経営者プロフィールの文言確認、ロゴデータの整理など、細かい部分も丁寧に仕上げることが信頼に直結します。

STEP4. 公開・配布する

決定した方法で展開します。ダウンロードリンクが機能しているか、誤字脱字がないかなど、第三者の視点で最終チェックを行いましょう。また、「プレスキット公開のお知らせ」をリリースとして発信するのも有効です。新しい出会いを生むきっかけになります。

プレスキット作成の3つのポイント

「かたちはできたけれど、本当に伝わるかな?」と感じたら、仕上げの視点でチェックしてみましょう。多忙な記者にとって“使いやすいプレスキット”にするための、3つの大事なポイントをご紹介します。

ポイント①:シンプルで視認性の高い構成に

一目で全体像がつかめるレイアウトを心がけましょう。
世界観やブランディングを優先しすぎると、肝心の情報が伝わりづらくなることも。デザインではなく“情報設計”で印象をつくる、という意識が重要です。

ポイント②:常に最新情報に更新する運用体制を

せっかく良い資料でも、1年前の情報では信頼を損ねてしまいます。プレスキットの更新は「いつ・誰が・どう行うか」を明文化し、属人化しないようにルール化しましょう。

ポイント③:客観的な事実と数字を必ず盛り込む

“想い”だけではメディアには響きません。
競合比較、業界内での立ち位置、数値による成長実績など、第三者の視点でも信頼できる情報をセットで提示しましょう。

よくある失敗とその対策

どれだけ丁寧に作っても、ちょっとしたミスで記者の信頼を損ねてしまうことがあります。ここでは、ありがちな失敗と、その防ぎ方について解説します。

① 情報が古いまま放置されている

もっとも多いのが「更新漏れ」。設立年や沿革、担当者情報など、少しのズレでも「管理が甘い」と思われかねません。作成と同時に、更新ルールを設定することが重要です。

② メディア目線が欠けている

自社の想いやブランディングに偏って、記者が本当に知りたい情報が抜け落ちているケースもよくあります。完成後に一度、「記者の気持ちになって読む」というステップを設けましょう。

③ ファイルが使いづらい・導線が煩雑

  • PDFが重すぎて開けない
  • 画像がZIP圧縮されすぎて確認できない
  • Googleドライブのアクセス権が未設定 など

こうした小さなストレスが、プレスキットの印象を左右し、会社や広報さん自身の印象にも影響を与えかねません。こうしたチームメンバーや社内の人に見てもらうなど、第三者による動作チェックを取り入れることで、ミスを未然に防ぎましょう。

 まとめ:プレスキットは“信頼の土台”になるツール

プレスキットが単なる資料ではないことをご理解いただけましたか?
プレスキットは、会社の第一印象をつくり、信頼関係を築くツールです。メディア関係者が安心して取材できるよう、丁寧に、そして実用的に作り込むことが成功の鍵となります。

<押さえておきたい!作成チェックリスト>

  • 会社概要・ミッションが整理されている
  • 代表者情報に人となりが伝わる記述がある
  • 最新のリリースが含まれている
  • 高画質の素材が揃っている
  • 掲載実績・信頼性のあるデータが含まれている
  • 問い合わせ先が明記されている

プレスキット作成サポート、承ります

プレスキットの作成手順や注意点は分かったけれど、「どこから手をつければいいか分からない」「内容をチェックしてほしい」など、お困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。広報のプロによる無料のご相談を受付中です!