COLUMN
企業広報の成功を左右する!トレンド分析の基本と今すぐ使える実践テクニック
2025.6.2

広報の仕事をしていると、「もっと多くの人に知ってもらいたい」「せっかく良い情報なのに、なぜ反応が薄いんだろう」と感じる場面がありませんか?これは、私自身も広報を始めたばかりの頃に何度も直面した壁でした。 そのたびに考えたのが、「情報そのものだけでなく、届ける“タイミング”や“世の中の関心ごと”にもっと目を向ける必要があるのでは?」ということ。そこから試行錯誤を重ね、たどり着いたのが「トレンド分析」という考え方でした。 この記事では、広報初心者の方でも実践しやすいように、トレンド分析の基本と広報への活かし方をできるだけわかりやすく、具体例を交えてお伝えしています。トレンドを味方につければ、広報はもっと楽しく、効果的になります。ぜひ一緒に、“今の時代に響く広報”を目指していきましょう!
目次
トレンド分析とは? 〜“世の中の今”を読み解く技術〜
「トレンド分析」と聞くと、なんとなくマーケティング寄りのイメージを持たれる方も多いかもしれません。でも、実は広報にとっても非常に重要な要素です。トレンド分析とは、現在の社会や業界で注目されているキーワードや価値観を、データを元に可視化・分析し、広報戦略に反映するプロセスのことを指します。
主な活用目的は以下の通りです:
- 世の中の関心ごとを把握し、自社の発信内容に反映させる
- 業界内での立ち位置を理解し、競合との差別化を図る
- メディアや消費者が求めている情報を見極める
- 発信後の反応(SNSやニュース)をモニタリングして改善する
このように、トレンド分析は“より良く伝える”ためのナビゲーションツールのようなもの。勘や経験に頼るだけでなく、データという根拠に基づいた判断ができるようになります。
なぜ広報にトレンド分析が必要なのか?
現代は情報があふれかえる「興味・関心の奪い合い」の時代です。どれだけ優れた商品やサービスも、「今、この情報を知りたい」と思わせられなければ、埋もれてしまいます。
例えば:
- サステナブル志向が高まっている時期に、環境配慮型商品のリリースを発信
- 若年層がTikTokに注目しているなら、その媒体に適したPR動画を制作
- 新型コロナの影響で「健康」や「家での時間の過ごし方」が話題になっているときに、それに関連した自社活動を取り上げる
タイミングや時代の文脈にフィットした情報発信は、「共感」や「関心」を引き出すきっかけになります。これは、私がこれまで広報支援をしてきた企業でも、何度も成功事例として体感してきたポイントです。
広報に活用できるトレンド分析の4つの基本手法
1. SNSトレンドの分析
SNSは、トレンドの“今”がリアルタイムで流れている情報源です。
- X(旧Twitter):世論や若年層の声が集まりやすく、炎上や拡散リスクも含めてモニタリングは必須
- Instagram:ビジュアルに強く、ライフスタイル系や美容・飲食ジャンルと相性が良い
- TikTok:Z世代に強く、エンタメ性やバズ要素のある企画に最適
- Facebook:BtoBや地域密着型、上の世代へのリーチに向いている
活用例:
- ハッシュタグランキングを週1回チェックし、急浮上のキーワードを拾う
- 自社に関連する単語の投稿件数や感情(ポジティブ/ネガティブ)を分析
- 話題のインフルエンサーの投稿傾向を調査し、広報タイアップの可能性を検討
2. Googleトレンドの活用
Googleトレンドは無料で使える便利なツールです。検索キーワードの人気動向をグラフで可視化できるため、季節要因や急な関心の変化も見逃しません。
たとえば、
- 「冷感マスク」は夏前に急上昇、「おせち」は10月〜12月に関心が高まる
- 「ChatGPT」などの新技術が話題になった時期と、その落ち着き方を見る
活用法:
- 複数キーワードを比較し、どれを主軸にするかを判断
- 地域別動向を見ることで、地方メディアへのアプローチに活かす
3. メディア掲載・ニュース分析
メディアの掲載内容は、記者や編集者が“今取り上げたい”と思っている話題の宝庫です。毎週のチェックを習慣にしましょう。
具体例:
- PR TIMESで「注目リリースランキング」をチェック
- 業界メディアの特集タイトルを記録し、広報ネタ出しに活用
- Yahoo!ニュースなどのコメント欄から生活者の温度感を把握
特にBtoB企業では、専門メディアの流れを読むことで、広報活動がより効果的になります。
4. 自社広報の定点観測
トレンド分析は、世の中の動きだけでなく「自社の広報がどう受け止められているか」も重要です。
活用例:
- Googleアラートで「社名」「商品名」を登録し、報道やブログ記事を自動収集
- SNSエンゲージメント(いいね数、リツイート、コメント)をレポート化
- 否定的なキーワードが増えた場合は、PR戦略や商品対応の見直しサイン
この“自社に関するトレンド”も、広報の改善やネタ作りにつながる貴重なヒントになります。
トレンドを活かした広報戦略4つの実践例
1. 季節性と話題性をかけあわせた企画立案
広報企画に季節イベントを取り入れることで、報道の切り口をつくりやすくなります。
例:
- バレンタイン:スイーツだけでなく、「愛」にまつわるサービスと結びつけ
- 防災の日:災害対策グッズ企業のタイムリーな露出
2. 流行語や話題の社会現象との掛け合わせ
たとえば、「2025年のトレンド予測」や「生成AIのビジネス活用」といったキーワードが注目されているなら、それに絡めた自社の取り組みを発信できます。注意点として、センシティブな話題(災害・政治など)と絡める際は、細心の配慮を忘れずに。
3. 過去コンテンツの再活用・再編集
人気だった記事を、最新のトレンドに合わせてアップデートすることで、新たな価値を生むことができます。
例:
- 2023年の「在宅勤務ノウハウ」→ 2025年版「リモートワーク×AIツール活用術」へ再編集
- 昨年の「Z世代のSNS活用術」→ 新しいプラットフォームに対応した再掲載
4. 社内横断のトレンド情報共有体制づくり
現場からの声はリアルなトレンドの宝庫です。営業、CS、開発、マーケ部門と情報を共有することで、説得力あるストーリーが生まれます。
- 定例会議で「今週のトレンドキーワード」共有
- 社内チャットで気づきをリアルタイムで投稿
- 現場の顧客対応や問い合わせ内容を広報戦略に反映
トレンド分析を行う際の3つの注意点
一過性のトレンドに振り回されないこと
短命な流行に飛びついてばかりだと、企業ブランドがブレてしまいます。継続性・自社との親和性も重視しましょう。世論との温度差に敏感になること
企業目線で“良かれ”と思った発信が、受け手からは“ズレている”と捉えられるリスクもあります。「共感視点」を忘れないようにしましょう。信頼できるデータに基づくこと
SNSのノイズや噂話に流されず、定量的なデータに基づいて判断しましょう。
まとめ|トレンドを味方につけて、“響く広報”を!
情報の受け手の意識がどんどん多様化・高速化する中で、トレンドを敏感にキャッチする力は、広報活動の成果を左右する重要な鍵です。
トレンド分析は、「発信の精度」と「メッセージの説得力」を高めるうえで非常に有効な手段。自社の魅力を“今このタイミングで”届ける力を強化することで、広報の価値を社内外に実感してもらえるようになります。
広報の役割は、単に情報を届けるだけではなく、企業の未来に貢献すること。だからこそ、トレンドを読み、企画に活かし、メディアや生活者との信頼関係を築くスキルを高めていきましょう。
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