COLUMN
「掲載された」で終わらせない!未経験1人広報が、露出を売上に直結させるための戦略的KPI設計とは
2026.2.16
「広報部は作ったけれど、何を目指せばいいのか分からない」 「メディアには出たけれど、売上に繋がっている実感が持てない」 そんな悩みをお持ちの広報担当者様や経営者様は、実は少なくありません。 先日、ある企業様と広報面談を実施しました。その企業様は、昨年広報部を立ち上げたばかり。担当者の佐藤様(仮名)はマスメディア出身という素晴らしいバックグラウンドをお持ちですが、いざ「一人広報」として走り出すと、KPI(重要業績評価指標)の設定や、地方拠点ゆえのメディアリレーションの難しさに直面されていました。 「露出は増えたけれど、問い合わせが増えない。広報はただのコストセンターなのだろうか……」 そんな切実な問いに対し、私たちはどう向き合い、どのような「架け橋」を築いていくべきか。 今回は、未経験から広報を立ち上げる際に陥りがちな「指標の罠」と、それを「売上に資する広報」へと転換するための戦略について、実際の相談エピソードを交えてお届けします。
目次
【一人広報の処方箋】メディア露出を「成果」に変えるターゲット選定と活用術
なぜ「露出10件以上」でも手応えが得られなかったのか
佐藤様は、広報未経験ながら着任直後にプレスリリース配信サービスを駆使し、1ヶ月で2桁本数のリリースを配信、10件以上の掲載を獲得するという驚異的な行動力を発揮されました。しかし、社内の反応は「それで問い合わせは増えたの?」という冷ややかなもの。
ここには、広報立ち上げ期に最も陥りやすい「目的と指標の乖離」という課題が隠れています。
- 課題1:数だけを追う「露出量」の罠
ニュースサイトへの自動転載も含めた「掲載数」だけを追うと、本来届けたい相手に届いていない場所で数字だけが積み上がってしまうことがあります。 - 課題2:足跡が見えない「トラッキング」の欠如
「記事を見て問い合わせた」という経路が可視化されていないため、広報活動が「認知拡大」という曖昧な言葉で片付けられ、営業成果として正当に評価されないのです。 - 課題3:地方拠点の「距離」の壁
東京以外の拠点にいる企業様にとって、主要メディアの記者との接点作りは物理的なハードルが高いのが現実です。
これらの課題を解決し、広報を「コストセンター(お金を使う部署)」から「プロフィットセンター(価値を生む部署)」へと変えるためには、戦略の再定義が必要でした。
本題の要点:広報を「営業の背中押し」に変える3つのポイント
面談を通じて、私たちが導き出した解決策の要点は以下の3点です。
1. ターゲットの「信頼の源泉」となる媒体を特定する
「どこでもいいから載る」のではなく、「ターゲットが誰で、彼らが何を信頼しているか」から逆算します。例えば、50〜60代の経営者がターゲットなら、彼らが毎朝目を通す経済紙や、業界内で権威のある専門誌に狙いを定めます。「あの媒体に載っている企業なら安心だ」という信認の土台を作ることが、営業の成約率を底上げします。
2. 指標を「営業活用可能な露出数」に置き換える
単なる掲載数ではなく、「営業担当が商談で自信を持って提示できる、質の高い掲載」をKPIに設定します。掲載されたという事実を、営業チームが「今、社会ではこんな風に注目されています」という武器として使える状態を目指します。
3. AI・検索時代に対応する「情報のフック」作り
今の時代、検索エンジンや生成AIが情報を拾うための「公式ソース」としての役割も無視できません。主要なウェブ媒体やリリース配信を継続することで、ターゲットが検索した際に「信頼できる情報」として自社がヒットする状態を整えます。
実践ステップ:今日からできる「成果を可視化する」3歩
もし皆様が、佐藤様と同じように「成果が見えない」と悩んでいるなら、まずは以下の3ステップを試してみてください。
- ステップ1:問い合わせフォームに「来訪経路」を追加する
まずは「どの記事を見て来たか」を捕捉する仕組みを作ってください。システム改修が難しければ、営業担当者に「初回のヒアリングで必ず聞く」というルールを徹底してもらうだけで、広報の価値が数字で見えてきます。 - ステップ2:露出記事の「営業活用ルール」を整備する
掲載された記事は、営業にとって最強の武器になります。過去に1度でも掲載された記事があれば、その要点をまとめ、「なぜこの記事が書かれたのか(社会背景)」を添えて社内に配りましょう。広報の仕事は「出す」ことではなく、「使ってもらう」ところまでがセットです。
ただし、記事は媒体社の「著作物」である点に注意が必要です。社内配布や資料化の際は、各媒体の「記事転載・転用条件」を必ず確認し、必要に応じて利用許諾を得るなどのルールを整えましょう。 - ステップ3:ターゲット媒体の「記者マップ」を作る
自社のターゲットが読む媒体で、誰が関連テーマを書いているか。まずは10人でいいので、重点的にコミュニケーションを取る「顔が見える相手」をリストアップしましょう。
最後に:社内の言葉を、社会に届く言葉に「翻訳」する
佐藤様との面談で印象的だったのは、マスメディア出身というプロフェッショナルな視点を持ちながらも、「会社のために何ができるか」を真摯に模索されている姿でした。
広報担当者は、社内の熱量を社会の文脈へと「翻訳」する架け橋です。
一人で悩んでいると、どうしても「掲載されなかったらどうしよう」「数字が出なかったら……」と孤独な戦いになりがちですが、大丈夫です。広報は「一人でやるもの」ではなく、営業やマーケティング、そして私たちのような外部パートナーと「協働」して創り上げていくものです。
正直に言うと、広報の効果が数字に直結するまでには少し時間がかかります。でも、正しく設計された広報活動は、必ず会社のブランドという「一生モノの資産」になります。
佐藤様も、最後には「やるべきことが整理できた。まずは時間の使い方から見直します!」と笑顔を見せてくださいました。その前向きな一歩を、私は全力で応援しています。
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