広報コラム

採用広報とは？今注目されている理由【ベテラン広報に聞いてみた！】

2022.3.9

採用広報とは、一緒に働く仲間を採用することを目的とした広報活動のことです。ここ数年で「採用広報」という言葉をよく耳にするようになりましたが、注目されている理由はどこにあるのでしょうか？

「採用広報」って何？

広報の目的は「ヒト・モノ・カネ」の大きく3つに分けることができます。たとえばスタートアップ企業であれば、「モノ」の広報からはじめることが多くあります。これは「サービス広報」と呼ばれ、プロダクトの認知度を上げて売上を伸ばすために行います。売上が好調になると、視野に入ってくるのが事業拡大。事業拡大には人員が必要になるため、「ヒト」の採用を目的とした広報が求められるようになります。これが「採用広報」と呼ばれているものです。事業が拡大し人が増えて会社が大きくなると、資金調達や上場を目指すことも。資金調達や上場を行うにあたっては市場や関係者からの信頼・信用を集める必要があることから、ブランディングに近い広報活動を行っていきます。これが「コーポレート広報」にあたります。また、攻めの広報だけでなく炎上やネガティブなことがあった際に対応する危機管理広報といった守りの広報も含まれます。

なぜ今「採用広報」が注目されているのか

採用広報自体は昔からある手段ですが、実は今「採用広報」が注目されているのです。その理由は2つあります。

1つ目の理由は、働く選択肢が増えたからです。現代はインターネットやSNSの普及により求職者が様々な企業の情報を得ることができ、さらにはグローバル化によって海外で働くという選択肢もできました。そのため、企業は多くの選択肢の中から選ばれなくてはなりません。少子化によって労働人口が減少している今、企業は人材の確保に必死だと言われています。自社を見つけてもらい就職先として選んでもらうために、魅力などの自社情報を発信していく必要が出てきたのです。

2つ目の理由は、こうした時代背景に伴って採用手段が変化したからです。求職者の数が多かった時代の採用手段は、就職情報サイトに募集要項などを掲載する掲載型がメインでした。その後発展したのが就活（転職）エージェントとも呼ばれる人材紹介のサービスです。就職情報サイトに掲載をして待っているだけでは人が集まりにくくなったため、採用活動を外部に委託して働き手を紹介してもらうという手段に移行しました。そして近年では、スカウト型の採用が普及しています。企業が自ら求職者を探し、求める人物像に合う人に声をかける手段であるため、ミスマッチが起こりにくく、長く働き続ける人材を確保することができます。

このように、時代の変化に伴って採用における企業の努力が不可欠になったことがおわかりいただけたかと思います。まずは見つけてもらう、そして自分たちに共感してくれる人に選んでもらうために、採用広報が注目されているのです。

「採用広報」の手段とは

採用広報の手段は企業によって様々。noteでコラムや社員インタビューを投稿する企業もあれば、TwitterやYouTubeでコンテンツを発信したり、広告を出したりする企業もあります。ここで注目したいのは、オウンドメディアの活用です。オウンドメディアとは、企業が運営する自社サイトのこと。フリマアプリを運営する株式会社メルカリのオウンドメディア「メルカン」は、社員なら誰でも情報発信ができるプラットフォームになっており、社内イベントや日々の出来事をブログのように公開することができます。記事だけではなく、写真や動画を掲載することによって飾らない姿を見せています。ナイル株式会社の「ナイルのかだん」もオウンドメディアの参考事例として挙げさせていただきます。採用広報は、採用広報の一環として発信されるコンテンツで見る人の興味を引き、採用ページを訪問してもらうという仕組みになっています。

自社を見つけてもらい、選んでもらう。そのために企業の努力が詰まったコンテンツが日々発信されています。ここでご紹介した企業はもちろん、他社がどんな取り組みをしているのかをぜひ参考にしてみてください。