広報コラム

追いかける営業スタイルから選ばれる広報スタイルへ。自己満にならない情報発信とは

2023.7.19

追いかける営業スタイルの終焉？今の時代に求められるものとは

コロナをきっかけにオンライン化が加速し消費行動が大きく変化したことから、営業活動も従来通りのやり方では売上達成が困難な時代に突入しました。

コロナ終息後も引き続きリモートワークを導入する企業が増え、今までのような架電営業や訪問営業が難しくなり、また、お客様も欲しい商品・サービスは自分たちで情報収集するのが一般的になったことから、インターネット上に落ちている情報で検討を進めていくという行動が最近の主流であると考えられます。

お客様を追いかける営業活動は終焉を迎えた、といっても過言ではないかもしれません。では、今の時代に即した営業活動は何なのか？

それは、お客様に選んでいただく「広報スタイル」です。

ものや情報があふれ選択肢が増えるなか、どうしたら自社を選んでもらえるのでしょうか？まずは自分たちを検討にあげていただくためにも、「情報発信」が不可欠となります。お客様がインターネットで情報収集する際に、自分たちの会社や商品・サービスの情報が引っかかってくる状態を作っていきます。商品紹介、商品開発秘話、開発者インタビュー、活用事例、導入クライアント対談などなど、あらゆる切り口で、あらゆる方法でインターネット上に情報の網を張り巡らせりイメージです。

今はこのように、追いかける営業スタイルから、選ばれる広報スタイルを意識して活動することが求められています。

「広報」と聞くと、テレビに出ること、SNSをやること、といったイメージを持つ方も多いですが、「広報」とは、「知られていないことを世の中に知ってもらうための手法」「知って欲しいターゲットに伝えるための手法」と私たちは定義しています。ですので、「私は広報（職）じゃないから関係ないわ」と言わず、自分たちのことを知って欲しい相手がいる人たちはすべからく、この広報スタイルを身につけることをオススメします。

情報発信も会社や商品・サービスの特徴や概要のような事実情報を単に発信すればいいと言うものではありません。「お客様に知ってもらい、選ばれるための情報発信」が重要です。そこで必要となるのが「ターゲット（ステークホルダー）に合わせて自社の魅力を発信するスキル」です。

自社の魅力、どうやって効果的に伝える？

自社の魅力をターゲットのニーズに合った形で発信する。
具体的に、どのような視点を持って、何をどのように伝えれば的確に発信できるようになるのでしょうか。

よくやってしまいがちな失敗は、自社を知ってもらおうと必死になって魅力をアピールし“過ぎて”いるケースです。

「ウチの商品は〇〇が素晴らしくて、前年度の売り上げは〇〇と好評です！」
「今ご契約いただくと通常プランよりも〇〇円ほどお得ですよ！」

このようなロールプレイング的な文面を、そのままお客様に発信してはいませんか？

もちろん、必要があればそれだけで契約につながる可能性もあります。
ですが、そうしたケースのほとんどは既に契約に前向きな企業が主だっています。

興味はあるけれど決めかねている。
良さそうだけど、契約するかは決め手に欠ける…。

そんなお客様に向けて、ただ自社のPRをするだけでは圧の強い押し売りとなってしまうため、その先は残念ながら期待できません。

何においても大切なのはまず「相手目線にたって、相手が必要な情報を提供すること」です。

 お客さまが自社と関わって得られるメリットを考えよう

自社の製品やサービスの機能・性能がいかに優れているかというアピールは二の次です。
まずは、相手を知り、相手が欲しい情報が何かを考えましょう。

目の前にいるお客様は、どのような企業ですか？
お客様はどんな課題を抱えていますか？
その課題解決に自社はどんなお役立てができますか？
自社との契約に迷う理由はどんなところにあると思いますか？

伝えたい魅力は、あくまでも選択する際の周辺情報の1つ。まずは相手の課題やニーズを探り、そこにマッチする情報を伝え、「この製品・サービスを使えば自分の悩みを解決できるかもしれない」「試してみたい」と、相手のwantを引き出し、背中を押していくのです。

 最後に

広報・PRは、自分たちの情報を発信する「広報」に加えて、各ステークホルダーが知りたい情報は何かを把握する「広聴」がかけ合わさった双方向のコミュニケーションが重要だとよく伝えていますが、これは広報に限らず営業シーンでも同じです。

参考記事：）広報の大事な2つの役割について【経営者のための広報コラム】


営業もお客様とのコミュニケーションの上で成り立っています。相手のニーズを伺いながら本当に解決したい課題を見つけ、その課題にミートする商品・サービスの特徴や魅力を伝えてみてください。

今まさにお客様とのコミュニケーション課題を感じている。商品・サービスの伝え方に悩んでいる。
そんな課題をお持ちでしたら、「顧客インサイトの設定力を高める営業研修」プログラムをぜひ一度導入してみてはいかがでしょうか？