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広報に必要な仮説思考。ChatGPTを活用してできることを考える【ベテラン広報に聞いてみた!】

2023.8.30

世の中の流行や消費者の価値観の変化が激しいいまの時代、広報の方法も常にアップデートしていかなければ追いつきません。
過去の経験や実績に基づいた広報活動はマンネリ化するため、新たなアイデアを常に情報収集し続ける必要があります。

そんな中、最近ではアイディア発掘や広報のブラッシュアップ等を目的に、「ChatGPT」の活用が注目されています。
プレスリリースの原稿作成、記事添削、SNS投稿作成など、ChatGPTを上手に活用している広報パーソンも増えている印象です。

一方でこちらの指示出しを工夫しないと、思うような結果がなかなか得られない、という声も。
この指示出しには条件をあらかじめ明確化すること、そして仮説思考で深掘り質問をしていくことが求められます。

そこで今回は、「仮説思考で深掘りをする」という点に着目してChatGPTを活用しながらメルマガ原稿をブラッシュアップするという実験を行ってみました。その結果をお伝えしていきます!

【ChatGPTに仮説思考について質問してみた】メルマガ編

プラスカラーが発行したメルマガを元に、ChatGPTに原稿の改善策を聞いてみました。

今回使用するメルマガはこちら。

タイトル:その広報あるある、解決しましょう【メルマガ特典/広報セミナー無料ご招待】

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広報担当者の悲しきあるある「情報共有されない」
社内情報共有をスムーズにするコツとは?

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「社内の情報がなかなか共有されない」「急な締切が多く、露出に向けた仕込みもできないまま慌ててプレスリリースを書いている」こんな広報担当者のお悩みをよく聞くことがあります。

広報活動をはじめたばかりの企業や、広報活動への理解や協力体制が残念ながら乏しい企業にありがちなケースだと捉えています。

今回は、社内における情報共有体制や広報への協力体制を築くための方法を解説します。

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広報担当お悩みあるある「情報共有されない」。なぜ?

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広報は、自社や自社サービス・商品を世の中に知っていただくために日夜活動しています。

この活動において外せないのが、日々の情報発信です。

情報発信と一言で言っても、対応する業務は多岐に渡ります。

例えば、プレスリリースを発信する業務の場合、それに付随する社内外からの情報収集、情報の精査、プレスリリース原稿の作成・確認、配信設定作業、公開作業、その後のフォローや効果測定などやることは多岐に渡ります。

しかも、このプレスリリースをメディアさんに取り上げてもらおうとすると、これら業務に加えてメディアさんへの事前連絡、詳細説明、素材提供など、さらに業務が増えていき、1つのプレスリリースを発信するにもかなりの稼働・工数がかかります。

~~~中略~~~~

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社内の情報共有をスムーズにするためには?

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サービス公開前に間に合えばまだ御の字で、広報担当者が気がついた時には情報がすでに公開されていたというケースもしばしば…。

上場企業の場合、内容によっては東証から大目玉…!なんていう可能性もなきにしもあらずです。

このような状況を打破するために、広報の役割と効果を理解してもらい、協力体制を築く必要があります。

そのための3ステップをご紹介します。

~~~後略~~~

※この後、実際に開催されるセミナーの紹介URLを記載しています。

今回は、見出しとタイトルに焦点を当てた質問をし、ChatGPTにどのように質問したらより具体的な改善案を出してくれるのかを検証していきたいと思います。

Q1.お客様にメルマガを送り、広報セミナーへの申し込みを増やしたいと考えています。
タイトル:その広報あるある、解決しましょう【メルマガ特典/広報セミナー無料ご招待】
構成:①広報担当者の悲しきあるある「情報共有されない」社内情報共有をスムーズにするコツとは?(導入)
②広報担当お悩みあるある「情報共有されない」。なぜ?(疑問を解決)
③社内の情報共有をスムーズにするためには?(3ステップをご紹介する流れ)
最後に広報セミナーを紹介します。このメルマガの開封率が上がるようなタイトル案を5つ出してください。

すると、以下の回答を得ることができました。

A.もちろんです。以下に、メルマガの開封率を高める可能性のあるタイトル案を5つ提案します。
これらのタイトルは、興味を引きつけ、読者がメールを開封し、セミナーへの参加に関心を持つきっかけとなることを意図しています。

“広報の悩み、解決の扉が開かれる!無料セミナーご招待”
“広報業界のあるある問題、解決策はこちら【特別セミナー案内付き】”
“情報共有難題を解消する方法、無料セミナーでお伝えします!”
“広報プロ必見!情報共有の壁を突破する3つのステップ”
“広報のお悩み、これで解決!メルマガ読者限定特典とセミナーご案内”

これらのタイトルは、問題解決の魅力やセミナーへの参加特典を強調し、読者がメールを開封して内容に興味を持つことを促すものです。ただし、具体的な効果については、タイトルだけではなく、コンテンツ全体の質や配信タイミングなども影響を与えることを覚えておいてください。

無料セミナーがあることがしっかりと分かるタイトルをそれぞれ別の表現で書き表してくれました。

提示された「1」のタイトルを使用したと仮定し、メルマガの開封率が上がったが、申し込みに至らないケースの場合、どのような改善案があるかChatGPTに聞いてみました。

Q2.”広報の悩み、解決の扉が開かれる!無料セミナーご招待”のタイトルを使用した結果、開封率は上がりました。しかし、セミナー申し込みへのURLクリックには至りません。セミナー申し込みを増やすためにはどのような改善策がありますか?

A.セミナーへの申し込みへのクリック率向上のために、以下の改善策を検討してみてください。これらのアプローチは、セミナーへの関心を高め、参加のモチベーションを向上させるのに役立つかもしれません。

①セミナーの内容を詳しく説明: メルマガ内でセミナーの内容やスケジュール、取り扱うトピックを詳しく説明し、読者がセミナーの価値を理解しやすくすることが重要です。
②特典の魅力を強調: セミナー参加の特典や無料提供物を具体的に示し、読者にセミナーに参加することで得られる価値をアピールします。
③問題解決を強調: 広報の悩みに焦点を当て、セミナーがその問題を解決する手助けになることを明確に伝えます。
④参加者の声を共有: 以前のセミナーに参加した人の感想や成功事例を共有し、読者に参加のメリットを実感させることができます。
⑤限定性を強調: セミナーの席数に限りがあることを示し、読者に急いで申し込む動機を与えます。
⑥アクション呼びかけを強化: メルマガ内で申し込みリンクを複数回配置し、明確で魅力的なコール・トゥ・アクションを提供します。
⑦予習コンテンツを提供: セミナーの一部や予習コンテンツをメルマガ内で提供し、セミナーの価値を具体的に示します。
⑧フォローアップ: セミナーに興味を示す読者に対して、フォローアップメールを送信してセミナーの詳細や特典を再度説明します。
⑨簡単な申し込みプロセス: 申し込み手続きを簡素化し、わかりやすい申し込みフォームやボタンを提供します。

これらの改善策を試して、セミナーへの申し込みへのクリック率を向上させるために、継続的なモニタリングと最適化を行ってみてください。また、読者のフィードバックを収集し、その意見に合わせてアプローチを調整することも大切です。

このように、9つの改善策を提案してくれました。

今回の提案内容をまとめると、セミナー誘導するまでの期待値をあげる文章を書く、不安に思っている参加者に向けてセミナー参加者の声を入れていく、といった具体策が提案されました。
しかし、「改善策を行ってもセミナー申し込みに至らない場合」があると仮定し、質問を行いました。

Q3.先ほどのセミナーへの申し込みへのクリック率向上のための改善案を9つすべて試しましたが、セミナー申し込みには至りません。ほかに考えられる原因はありますか?

A.クリック率向上のために検討すべき他の要因がいくつかあります。以下にいくつかのポイントを挙げてみましょう

①ターゲットオーディエンスの選定: ターゲットオーディエンスがセミナーの内容や特典に関心を持つかどうかを確認してください。適切な対象読者にリーチしているかどうかを再評価することが大切です。
②メルマガデザインと配信: メルマガのデザインやフォーマットが読者に適切に表示されているかを確認してください。また、配信タイミングも影響する可能性があるので、最適な配信時間をテストしてみることも考えてみてください。
③送信元の信頼性: メルマガの送信元アドレスが信頼性のあるものであることを確認してください。不明瞭なアドレスからのメールは読者の信頼を得にくいことがあります。
④メールの内容と長さ: メルマガの内容が分かりやすく魅力的かどうかを確認してください。また、メールの長さも重要です。簡潔かつ興味を引く形で情報を提供しましょう。
⑤技術的な問題: リンクが正しく機能しているか、スパムフィルターに引っかかっていないか、技術的な問題を確認してください。
⑥リマーケティング: メルマガを開封したにもかかわらずクリックしなかった読者に対して、リマーケティング広告を活用することを考えてみてください。
⑦参加のハードルを下げる: 申し込み手続きを簡単にするために、ワンクリックで申し込みできるボタンなどを利用することも検討してみてください。
⑧他のコンテンツとの連携: 他のコンテンツと連携してセミナーへの申し込みを促進する方法を検討してみてください。ウェブサイトやソーシャルメディアなどでセミナーの案内を強化することも考えられます。
⑨フィードバックの取得: 既存のメルマガ読者からのフィードバックを収集し、なぜ申し込まなかったのかを理解する努力を行ってみてください。
最終的に、読者の行動や反応に影響を与える要因は多岐にわたるため、複数のアプローチを継続的に試しながら、読者のニーズや反応に対して適切な対応を行うことが大切です。また、専門的なデジタルマーケティングのアドバイスを受けることも一つの方法です。

先ほどはメールの内容に関する改善策でしたが、次に提案されたのはメルマガの動線や配信タイミングについてなどでした。このうちの1つ、「メールの長さについて」読者が読みやすいと思うような長さはどのくらいか、ChatGPTの視点からどのくらいが適切と考えるのか気になったので聞いてみました。

Q4.メールの内容と長さを改善策として挙げましたが、メルマガ読者がクリックしたくなる適切な長さは一般的にどのくらいになりますか?

A.メールの適切な長さは、コンテンツの種類や読者の好みによって異なりますが、一般的なガイドラインとして以下の点に注意することが重要です。
①簡潔さ: メールは簡潔で分かりやすいことが大切です。無駄な情報を省き、主題に焦点を絞って伝えることが効果的です。
②主題に合った長さ: メールの長さは、コンテンツの主題に合ったものであるべきです。重要なポイントを適切な長さで伝えることを心掛けましょう。
③スキャン可能な構造: 長文の場合でも、見出しや箇条書きを使って情報を整理し、読者がスキャンしやすい構造を作ることが大切です。
④読者の注意を引く: 最初の数行で、読者の注意を引く内容や興味を引く要素を盛り込むことが重要です。読者が最初に目にする部分が重要な役割を果たします。
⑤CTA(コール・トゥ・アクション)を強調: セミナーへの参加申し込みリンクやアクションボタンをわかりやすく表示し、読者にアクションを起こすよう促しましょう。

具体的な長さは、100〜200ワード程度の短いメールから、300〜500ワード程度の中程度のメールまで様々です。ただし、読者の注意を引きつけ、内容を十分に伝えるために必要な範囲で設計することが重要です。

読者層やコンテンツの性質によって変動するため、効果をテストすることも大切です。A/Bテストなどを通じて、異なる長さや構造のメールがどのように読者に受け入れられるかを比較してみることも一つの方法です。

100~200ワード程度の短いメールから300~500ワード程度のメールという具体的な文字量が提示されました。メルマガを作成するにあたり、1つの目安となるでしょう。
少ない文字量で、無料セミナーへの関心を惹き、適切な動線を組むことが大切だということで、改めて心に刺さる文章を精査していく必要があると考えました。

このように、仮説思考を立ててChatGPTに質問することで、改善点を深掘りすることができますし、自分に足りないものや今後習得していかなければならないことも明確化することができるのです。

ChatGPTに指示を出すには、やっぱり普段から仮説思考を鍛える必要がある

ChatGPTを利用すれば、自分の中になかったアイデアを提案してくれるので、新たな視点の1つとして活用することができます。しかしChatGPTに指示する際には、より具体的な指示を出さないと私たちが求めている答えにはいきつかない…という特性があるのです。そのため、人間も普段から仮説思考(仮にこうだったらどうなのか?)という視点をもち、ChatGPTに上手く指示出しをできないといけません。

私たちが仮説思考を鍛えるためには3つの方法があります。

①知識の引き出しを増やす
仮説思考の引き出しとは、知識です。つまり、私たちが今まで経験したことや学習したことがそのまま引き出しとなります。「新しい勉強を始めてみる」「今までやったことのない場所にいってみる」など様々な経験を積み重ねていくことが重要となるでしょう。

②常に「なぜ?」を考える
「なぜこのようなことが起こったのだろう?」
「○○さんは、どうしてこの商品を買ったんだろう?」
と常に疑問を持つこと。なぜを深掘りすることで、その人が考えていることやどうして行動に移したかなどを考えることができ、自分ならどうする?など別の角度の視点も鍛えられます。

③「解決のための仮説」を立てていく
「なぜこうなった?」と考えることは誰でもできますが、「じゃあそれを解決するためにどう行動したらよいのか?」と最終的に仮説を立て、それに向かって行動することは、難易度が数段上がります。なぜなら、人は面倒なことはできるだけ避けたいと考えることが多いため。また、解決のための仮説を立てて実行したとしても、それが失敗に終わる可能性もあるからです。トライ&エラーで常に仮説立てて、実行に移すことが成長の糧となります。

まとめ:広報にとって仮説思考を身につけることは重要。ChatGPTを上手く活用しながら常に仮説思考を立てる癖をつけよう

仮説思考を身につけるメリットは2つ。「作業スピードが格段に上がること」「失敗しても軌道修正がしやすいこと」です。
更にChatGPTをプラスして活用することにより、自分以外の視点からアイディアや戦略を取り入れることが可能となります。

広報においては、今後文章力と仮説思考ができる人がより重要になってくるでしょう。
ツール(ChatGPT)も使って応用するにも、始めは「なぜ?このようなことが起こる?」と人間の仮説思考がなければ指示を出せません。

よって、私たちは日常から仮説を立てることになれること、更にChatGPTを使う際にはどのように使ったら的確な答えが出てくるか2パターンの仮説思考を鍛えて引き出しを増やしておくことが重要だと考えます。

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