COLUMN
100回打席に立ってダメでも、101回目の打席に立てるかが勝負の分かれ道
2023.11.7
この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。
目次
行き詰まった時、誰かの経験に助けられることはありませんか?
以前の記事で、最近私が経営者の方々と朝会をしていることをお伝えしました。
数名の経営者と朝活を通して自身が進める事業や組織に関する進捗、そこから得られた気づき・学び、そして次にどのようなアクションをするか、といった共有会を行っています。
事業内容、各社の課題・悩み、それに対するアクションも、みんなバラバラですが、参加する度に新しい学びやヒントがあり、有意義な時間を過ごしています。
代表の佐久間からもらったアドバイスがきかっけで、私は今こうして毎日情報をインプットし、記事としてアウトプットしていますが、人との対話を通して経験・体験というインプットを行い、アウトプットに変えていくやり方はいつもの手法とはまた違い、有効な手法であることを実感しています。
朝活を通して経験に勝る学びはないと感じたことから、この一週間は”経営者から学ぶWeek”として、さまざまな経営者・起業家の方の経験や考えをインプットしていこうと思い、見つけたのが今回の情報です。
本日のインプット&アウトプットは、「起業」について。
Youtube動画 PIVOT 公式チャンネルで配信されているシリーズ「9 questions」から、気になる経営者の方や興味のある話題を厳選してインプットし、その中で得られた気づきや自分なりの考えをアウトプットしていきます。
今回は株式会社ディー・エヌ・エー創業者、代表取締役会長であり女性初の日本経済団体連合会副会長を務める南場智子さんの動画を視聴。新卒で入社した会社がいわゆるIT系・モバイルベンチャーだったため、南場さんは社会人になった時から存じ上げており、当時はまだ女性経営者も少ない上に次々と話題を作っていたため、その頃から尊敬する女性経営者の一人です。
南場さんの書籍も読んでいたのですが、今回改めて彼女が考える「起業論」から気づきや学びを得ていきたいと思います。
今日のインプット
Youtube動画 PIVOT 公式チャンネル
【南場智子】日本が起業立国へ発展するためには/起業後進国・日本の課題とは【9 questions】
インプットした内容
1. 起業立国について
■日本は起業後進国?日本のスタートアップの負の連鎖
・日本は起業意欲が低く、起業もしづらい。起業が増えてきたとはいえ先進国に比べたら少ない。
・エンジェルマネーは日本は50億円に対しアメリカは2-3億円。日本は既得権益を守る規制もあるから成功しづらいし、マーケットが起業家の時間を奪っている。
・日本は小さい規模感のIPOが多い。早くて小さい上場が多い。もう一踏ん張り大きくしないと世界で戦える企業は生まれない。
■スモールIPOの功罪は?
・上場前にリクイデーションイベントを作るのも一つの手。
・上場前の段階で創業者チームの株を買い取って現金化して、またもう一段階大きくしていこうという流れを作っていく。ここを整備できたらと思って経団連にもジョインした。
・世界で大勝ちする企業が出ていない。世界はGAFAMの次の5社、10社(2N+T:NVIDIA、NETFLIX、TESLA)が出てきて市場を牽引して発展しているが、日本はこの30年ヒーローが変わっていない。この30年ダイナミズムがなく、右肩下がり。
・日本は格差拡大ではなく、全体的に貧しくなっている。成長と分配の話があるが民主主義は分配を大事にする。分配するにしても大元の富がないと分配はできない。
■起業が日本全体に与える影響は?
・日本をダメにしたのは大企業。100%市場と顧客に向かって頑張っている人たちは清々しい。
2. ヒーローについて
①ヒーローが経済成長の鍵?
■フランスの事例:
・フランスの起業家・グザヴィエ・ニールさん。10年前フランスは保守的であまり起業家がいなかった中で彼がインターネットで起業したことで国をあげて彼をヒーローにした。
世代に応じていろんなヒーローがいる。そのヒーローたちにフォーカスしていく。
■日本のスタートアップの悪循環を断つ方法は?
・インド、韓国、イスラエル、フランスは大統領が立ち上がってスタートアップを推進している。ポルトガルもスタートアップで経済成長を取り戻すよう国のTOPがコミットしている。
・全ての施策を実行するにはリーダーシップが必要。
3. 大企業について
■大企業という病に効く薬は?
・起業家教育を世界は意識的に行なっているが、日本は起業どころかお金や職業についても教えない。ある時、大学3年生になっていきなり就活という波に呑まれて行く。もっといろんな世界を見て視野を広げてそこからメインストリームに行くという選択肢があってもいい。
・採用の仕方を変えて欲しい。ずっと同じ会社しか見ていない人だけで経営会議をしてもDXなど進まない。
■起業家を目指して就活するには?
・将来起業のためにコンサルに入りたいという人もいるが、起業家になりたいなら起業したり起業しているチームに入る。本番の打席、事業を任せてくれる会社に入る。
4. ザクロ経営。優秀な社員を外に出すのはなぜ?
・デライトベンチャーズはDeNAのCVCではなく独立系、アントレプレナーファーストでDeNAの精神は入れない。
・優秀層を外に出すことで、外で繋がりながら大きなことを成し遂げることができる。
・ザクロ経営=ギャラクシー経営。星ではなく星座で経営する。
5. 世界で大勝ちする
■世界で戦う条件
・最初から市場を日本だけと捉えない。
・グローバルチームを組成する。
・世界を相手に相撲を取りたくなる環境であることが重要。
6. ビジネスの真贋を見極めるには?
・大体の起業家は一生懸命。評論家や概念整理ばかりしている人はコンサルで十分。一人でも多くのお客様に会い、現場を大事にする。
・食べチョクの秋元さん。事業を成功させるために必死。事業の成功の確率を1%でも高めることが重要なので、彼女にとってはメディアで発信することで成功率を高めているのだろう。
7. 失敗について
・1回失敗した起業家はむしろプレミアムとして考える
8. 自己評価
■南場さんの意外な一面
・本を読むのは好きだがビジネス書や新聞も苦手。小説や自然科学系のものを読む。
■どんな子どもだったか?
・すごい天邪鬼、父親が怖かったがそれ以外は傍若無人。先生にも生意気だった。
■子どもの教育をどう変えて行くべき?
・答えを教えていく教育はもう古い。答えがあるとそこに合わせに行くようになってしまう。・自己肯定感が上がらなければ個性は無くなっていく。多様な個性をまとめあげるのがリーダー。起業家を育む上では現在の教育は弊害。
9. 5年後について
・できればもう一度起業したい。自分で小さくてもいいが収益のメカニズムが強い商売をやってみたい。
・三軒茶屋の喫茶店などで店員をしながらそこにくるお客さんを題材にした連載を持ちたい。
インプット情報からの学び:机上の空論からは何も生まれない。実行してこそ結果は得られる
「ビジネスの真贋を見極めるには?」との質問に、評論家やコンサルはいらない、一生懸命にお客様と向き合い現場を大事にすること、という趣旨の回答をしていた南場さん。非常にわかりみの深い言葉でした。
「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」と、かの有名な刑事ドラマのセリフも近しいものがありますが、事業は常に現場で動いているものです。
こんなことをやったらいいのではないか?こうしたら上手くいくのではないか?と机の上でアイディアソンをしていても、結局それが上手くいくのかどうか、効果が出るのかどうかはやってみないことにはわかりません。
成功の確率を上げるために打席に立ち続け、この回数で結果が決まるとよく言われますが、これを広報の現場に置き換えるとどうでしょうか?あらゆるシーンで当てはまるのではないでしょうか。
例えば、日経新聞に取り上げて欲しいと思った時、どのような行動を取りますか?
・プレスリリースを作る
・それを代表のプレスリリース窓口に送る
・大代表から電話をかける
この辺りはすぐにできることかと思います。しかし、日経新聞に取り上げてもらうには私の経験上、残念ながらこれだけでは行動量が足りません(日経新聞以外のメディアさんでも難しいという所感です)。
まずはこれをやってみることから始めるでOK。
しかしこれに甘んじず、あと10個、アイディアを出してみましょう。
・仕事仲間や友人知人に日経新聞の記者さんの知り合いがいないかリサーチする
・日経新聞の署名記事を探して、その人宛に連絡を取ってみる
・日経新聞のSNSアカウントから連絡してみる
・手紙(リアル)を出してみる
など、色々と出てきます。
自分一人で考えられなければ、職場の同僚や先輩に一人1個アイディアを出してもらうという手も悪くないでしょう。
そして10個出してみたらそこで満足せず、すかさず上からやっていくのです。
これで打席1だったものが打席10まで増えます。
そうすると、打率が1割であれば10個アクションを起こしたうちの1個は何かしらにつながるという計算が成り立ちます。
これはあくまでも計算上の話なので実際はやってみないとわかりませんが、しかしこれだけやってみたら、何かしら得られるものは出てくるはずです。
メディア露出することがKPIに置かれていたある企業の広報さんは、それまでなかなか露出が取れなかったところから、自分が雑誌の読者モデルになることで自社を露出させていく機会をこじ開け、実際に掲載につなげていったという事例があります。
ちなみにこれは、当社代表の佐久間が事業会社の広報時代に行ったことです。
彼女はよく言います。
「ちゃんと考えて実行すれば、必ず結果は得られる」と。
この言葉を信じて行動し続けた広報さんたちは、今では広報責任者になっていたり、広報として独り立ちしている方もいらっしゃいます。広報はセンスだといわれることもありますが、それを凌駕するのが場数だと私も思います。誰にも負けない場数を踏んで、成功をつかむ。これは起業でも広報でも一緒ですね。
<場数を踏みたい!でも、そのためのアイディアが枯渇しているという広報さんへ>
記事を読んで納得!明日から私もどんどん行動するぞ!
と意気込むも、考えうる手段はやり尽くした・・・さてどうしよう!?
特にひとり広報、兼任広報の方々は、ついてまわるお悩みかもしれません。
そんな時は、長年の広報経験の中で培った場数とアイディアを強みに持つプラスカラーが提供する、プロ広報伴走型支援サービス「広報ライトプラン」を頼ってみませんか?
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