お仕事研究

東京都から4万人転出。人はなぜ移住したいと思うのか。移住理由と移住を経て得た変化

2023.1.2

2018年には日本の人口の29%を占める約3,700万人が東京に住み、一極集中型だった日本。しかし、コロナ禍によるテレワークの普及により、地方への移住が増え、2020年～2021年上期には、東京都から約4万人が転出しました。今回は移住理由と移住を経て得た変化を探ります。

【2021年】移住を決めた理由ランキング

移住に興味関心がある全国の男女20代から60代以上を含む500名に、インターネットを使いアンケート調査を行った結果です。

調査期間は2021年8月、コロナ禍で先行き不安な状況が続く社会情勢の中で行われたアンケートです。

アンケートの結果によると地方移住を決めた理由として、「1位：家族の変化」「2位：仕事の変化」「3位：生活の変化」「4位：経済の変化」「5位：価値観の変化」が挙げられていました。

一方、コロナの影響で移住を決意したという回答は6位という結果に。

家族の変化や仕事の変化、生活の変化を受け、さらにコロナ禍でリモートワークが普及し、会社に出社しなくても働ける環境が整って移住を決意したという背景が伺えます。

【プラスカラー佐久間さんの場合】

プラスカラー・佐久間さんの場合は、2021年8月に息子さんとヨーロッパへ母子留学をしました。

海外移住の決め手は、
①就業場所を固定せず仕事ができるよう、完全リモートで仕事ができるようにしたかったため
②息子さんの語学力UPのためにアウトプットが必要と感じたため

アンケート調査と佐久間さん自身の決め手で当てはめてみると、
①完全リモートで仕事ができる→仕事の変化、生活の変化
②息子さんの語学力UPのため→家族の変化

地方移住でも海外移住でも移住理由が重なる部分があることが分かります。

移住をしてどう変化が起こった？

プレスリリースのアンケート調査で。地方移住と幸福度の関係についても調査を行っています。

地方移住経験層115名の回答を見てみると、63.5％の方が「幸せだと思う」と回答し、幸福度が上がっているという結果になりました。

【プラスカラー佐久間さんの場合】

海外移住して得られたこと、感じたことを以前インタビューでお聞きしました。

・息子さんの英語力が半年で日常会話レベルまで到達した
・息子さんは幼少期からグローバルかつダイバーシティな日常を過ごしている
・佐久間さん自身、働ける環境を作り完全リモートで仕事を実現
→結果的に日本にいるより心穏やかに生活できるようになった

移住をしたことにより、幸福度が上がって生活できていると実感している様子が伺えます。

移住の不安要素、解決するには？

将来的には移住を考えていても、慣れ親しんだ地域を離れ、地方移住を決断するにはかなりの覚悟が必要です。

地方移住に向けて懸念事項があるか、マイナビニュースによるアンケート調査結果があります。

マイナビニュースのアンケート調査によると、1位は「就職できる仕事が見つかるか」2位は「移住先のコミュニティになじめるか」が不安要素として高いことが分かりました。

【不安要素を解決するには？】

①収入面の不安
※今回は4つの方法をご紹介します。

（1）地域地域おこし協力隊で就職
国からの特別交付金をメインに運営されている事業。任期1～3年が多い。任期満了後に本格的に移住するかどうか決められる。

（2）農業・林業・漁業・伝統産業に従事
少子高齢化、さらに過疎化が多い地域では、第一次産業の担い手が不足している状態。自然を感じながら仕事をしたい人、伝統に興味がある人におすすめ

（3）カフェやお店を起業する
地方では、空き家になっている古民家を利用して、カフェやお食事処としているケースが多くあります。自分のお店を持ちたい人におすすめ

（4）フリーランス・完全リモートで仕事をする
Web関係の仕事ならば、インターネット環境とパソコンさえあれば、好きな場所で好きな時間に働けます。現在の仕事をフルリモートに転換、または業務委託契約などを行ってフリーランスで活躍することも可能です。

②人付き合いに関する不安

・移住前に都道府県のHPでどんな地域か調べておく
・お試し移住を試して地域になじめるか確認する
・地域のイベントや交流会に積極的に参加する

これらを活用していけば、人付き合いに関する不安は少し解消されるでしょう。

地方移住も夢ではない！完全リモートで仕事の不安解消につなげよう

地方移住の魅力は、

・自然を感じながら住めること
・鮮度の良い農産物が味わえること
・都会の喧騒から離れることができる
・人との関わりが深く、あたたさを感じる

以上の点がメリットでしょう。
しかし、慣れ親しんだ土地から完全移住するには、「収入面の不安」「人付き合い」が誰しもあります。
特に、収入面の不安は大きいので、移住先での仕事をどうするのか、あらかじめ決めておいた方が不安は少なくなるでしょう。