COLUMN
【株式会社ジモティー】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.4.14
無料投稿サービスがどのようにマネタイズを行っているのか?中古品売買でジモティーと比較されやすいメルカリとの違いは何か?「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」をミッションに掲げ、地域情報掲示板サービス「ジモティー」を展開している株式会社ジモティーさんを紹介。
目次
リサーチ企業概要
・株式会社ジモティー (Twitter・Facebook)
・設立:2011年2月16日
・代表者:代表取締役社長 加藤貴博(かとう たかひろ)
代表取締役 片山翔
・社員数:87名(2020年12月末現在)
・所在地:東京都品川区西五反田1-30-2 ウィン五反田ビル4階
・代表的なサービス名:地元の掲示板 ジモティー
・株式上場:東京証券取引所 マザーズ市場上場(証券コード7082)
*2020年2月7日上場
経営者・創業者
<創業者> 小野 裕史(おの ひろふみ)
1974 年生まれ、北海道出身。2000年東京大学大学院修了後、株式会社シーエー・モバイルの創業に関わり、モバイルビジネスのリーディングカンパニーに導く。2008 年1月に同社専務取締役を退任し、インフィニティ・ベンチャーズLLPを共同設立。ジモティー、グルーポン・ジャパン、Farfetch Japanなどの創業を率いた投資家兼シリアルアントレプレナー。現在はGlobal CEO, M17 Entertainment Limited/株式会社17 Media Japan 代表取締役を務める。
<経営者/代表取締役社長> 加藤 貴博(かとう たかひろ)
1978年生まれ、北海道生出身。早稲田大学政治経済学部卒業。2001年に株式会社リクルートに入社。インターネットマーケティング局、フロム・エーナビのプロデューサー、カーセンサーネットの編集長、新規事業開発責任者を経て、2011年より株式会社ジモティー代表取締役に就任。
<経営者/代表取締役>片山 翔(かたやま しょう)
慶應義塾大学総合政策学部卒業、2008年株式会社リクルート入社、2016年株式会社ジモティー入社。
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ
バリュー:サービスを使う人の気持ちを第一に考える、目標を明確に決める、
外部要因を内部要因に変えていく、自らとサービスの成長を同時
に実現する、仲間とパートナーを大切にする、積極的な当事者意
識を持つ
組織体制
■取締役 岩崎 優一(いわさき ゆういち)
1996年株式会社橋本会計入社、1998年スマイル音楽出版株式会社入社、2001年株式会社インボイス入社、2002年8月株式会社ゴンゾ・ディジメーション・ホールディング(現株式会社ゴンゾ)入社、2009年株式会社リブセンス入社、2015年同社入社
■取締役 佐々木 将洋(ささき まさひろ)
1987年生まれ、2010年株式会社ニッセン入社、2014年株式会社マクロミル入社、2015年同社入社
市場・マーケット
リユース市場規模
2018年度:2兆1,880億円(前年比9.8%増)
9年連続成長し続けており、特にフリマアプリや企業のEC販売が市場を押し上げている。2021年にはCtoC市場規模がBtoCを上回る見込みで、CtoCが主体の市場になっていく可能性もあり、2022年には3兆円規模になる予測。
リユース業界の市場規模推計2020
会社・サービスの特徴
都道府県別や市区町村別ごとに一覧化した地域の情報掲示板「ジモティー」の開発・運営を行う。「売ります・あげます情報」「不動産情報」「求人情報」等のカテゴリ別に、利用者の目的に応じて分類された情報が掲載され、利用者は無料で情報交換をすることが可能。日本初の本格的なクラシファイドサイト(目的・地域によって分類された広告)として、2011年11月にサイトをオープン。利用者同士の手渡しで取引が可能な品物や利用者の地元の情報が多く掲載されていること、利用料が無料であることから、誰でも簡単に利用できるサービスとして月あたりの平均アクティブユーザー数(MAU)は1,000万人以上を誇る。2019年7月には、「あんしん取引保険」も開始され、月額340円で、ジモティーでトラブルに遭った際に、弁護士への相談費用を最大100万円まで補償してくれる。
ビジネスモデル
クラシファイドの事業モデル。
掲載料や成約手数料は無料だが、投稿を目立たせるためのオプションは課金。広告とアフィリエイトで収益をあげている。
アメリカでは「Craigslist」が有名。世界最大のクラシファイドサイトで毎月20億PVを超えるアクセスがあり、月に8000万件以上の広告が投稿。わずか社員数30人で、売上150億円、利益100億円。
代表的な競合
株式会社メルカリ(メルカリ)
世界中の個人と個人をつなぎ、誰もが簡単にモノの売り買いを楽しめるフリマアプリ
競合優位性
・広告収益ベースのサイトなので、販売手数料が0円。
・直接取引が可能で、送料が気になる大型家電や家具の取引も多い。
・地域の情報が多く、商品の売買だけでなく、不動産や社員募集、生徒募集、里親募集といった情報も網羅している。
採用関連
Webアプリケーションエンジニア、アプリエンジニア、カスタマーサポート(アルバイト)、テレマーケティング(アルバイト)
出資・株主
<主要株主>
株式会社オプトホールディング、株式会社NTTドコモ、株式会社プロトコーポレーション、IVP Fund Ⅱ A,L.P、加藤貴博、株式会社LIFULL
<資金調達>
2011年5月 KDDI、三菱UFJキャピタル、インフィニティ・ベンチャーズよ
り1.5億円の資金調達を実施。
2013年8月 フジ・スタートアップ・ベンチャーズを引受先とする第三者割当
増資により資金調達を実施。
勝手にキャッチコピー
地元のみんなでSDGs
地域の情報掲示板で不用品の取引だけでなく、サークルメンバーの募集や求人募集などの人と人をつなげる投稿も行えるサービス。サービスを通じてひとり親への支援や自治体とのコラボでリユース活動するなどSDGs活動もしている。
勝手にペルソナ
北海道在住・49歳・主婦・断捨離が好き
部屋の片付けをしていたら、いつの間にか断捨離が趣味に。大きい家具はフリマサイトでは送料が気になって売れなかったけど、ジモティーはそんな私の気持ちにぴったり。部屋も片付いたし、販売したお金でジモティーの株でも買ってみようかな。これぞリユース?
株式会社ジモティーを勝手に広報!
株式会社ジモティさんを、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください
・創業者はInfinity Ventures(インフィニティ・ベンチャーズ)代表パートナーの小野 裕史氏。現在はリクルート出身の加藤貴博氏が代表取締役社長を務め、2017年から片山翔氏との代表取締役二名体制
・主なマネタイズ方法は①アドネットワーク広告、②アフィリエイト、③PRオプション
①は月間約5億PVを獲得するメディアであるため、広告収益が成り立つから
②は提携サイトのホワイトペーパーなど、収益が発生した場合料金が発生する仕組み
③はPRを目立たせたい場合に有料オプションがつく
・ジモティーの資本政策はVCファンド主導で行われているのが特徴。元々独立系VCインフィニティ・ベンチャーズ100%出資で設立された
・SDGsやESGなど、環境への投資は世界のトレンド。地域密着型掲示板としての約10年間のノウハウがある以上、ブランディングの面でも強み。
勝手に広報ポイント①
地域の可視化で人をつなぐ。生活に役立つあらゆるものを網羅する。
同サービスは月間約5億PVを獲得するメディアで、取引された「要らなくなったモノ」はカテゴリーが広い特質がある。神輿、伝統工芸士の機材やノウハウ、イベントの告知、山や家、マンションやシェアハウスの居住者、求人募集まで。「物を売る」のもあくまで要素の1つで、基本的には生活に役立つ情報を個人、法人問わず、無料で投稿、閲覧、問い合わせができるローカルな広告掲示板という位置付け。
CSR活動としてひとり親支援の継続的な活動を実施したり、地域におけるリユースの活動を促進したりしており、上記事例をSDGsの一環として掲げていることから、義務教育や企業間において社会的な認知が高まりつつある中、今後同社のこのような取り組みは注目される可能性がある。以上のように、地域情報掲示板サービス「ジモティー」の「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」というミッションが差別化要素の素地となっている。
勝手に広報ポイント②
圧倒的なデータ量。「クラシファイドサービス」で国内トップをひた走る。
お金をかけずに必要なモノをあげたり、もらったり、ヒトを集めたりする場を提供する「クラシファイドサービス」。他者がサービスをリリースしては終了となっていくなかで、圧倒的に利用者を伸ばしているのが同社。常にユーザーニーズを取り入れて、サービスを改善している強みの他に、同サービスではヒト・モノ・コトの情報が手に入る「一覧性」にあり、データの量と質が差別化要素。生き残ってきた米国サービスの特徴はとにかくデータが多いこと。データが充実すると、ユーザーのマッチング確度を上げることができ、ユーザー間取引が多く発生するクラシファイドサービスの大きな強みとなる。ジモティーでも大量データと、地域ごとにマッチングするアルゴリズムが用意されることで、より効率よくスムーズな検索環境が提供される。
勝手に広報ポイント③
高まるユーザーニーズ対策。スタッフの約半数がCSスタッフ。
同サービスの運営面の特徴はカスタマーサービスで、全従業員の約半数がCSスタッフでること。生活インフラを目指すサービスのため、投稿は24時間体制でチェックし、問い合わせにも素早く返信できる体制を整えている。また、CSスタッフはジモティー経由で採用している点が特徴で元ユーザーで、主婦の方や学生が多い。そして何より、もともとサービス利用者であるため、サービスの使い方を熟知しており、ユーザー視点から改善点を挙げるメリットがある。クラシファイドはプラットフォームビジネスであり、ユーザーが集まらないと成り立たない。投稿をする人、問い合わせする人それぞれをマッチングしないと成長しない同社は開業してからの社内リソースをほぼユーザー数の増加に費やしており、ユーザーの声を聞くために、公園などで主婦とヒアリングを重ねたり、初期メンバーは投稿を集めるために自分の知り合いに声がけして出品していたというほどの逸話もある。地域に密着してユーザーニーズを集積し、ユーザー視点に立ってニーズに応えてきた実績が同社の強みだ。
勝手に広報チャンネルとは
株式会社プラスカラーが企画するYouTubeの動画コンテンツ。
元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。