COLUMN
【JCRファーマ株式会社】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.7.8
創業から46年。風通しのいい社風と思いを持った社員全員でコロナの脅威に立ち向かうワクチンを受託生産し、世界からも注目されるJCRファーマ株式会社さん。治療法が確立されていない疾患にアプローチしながら現在のニーズにも的確に対応し、薬や難病のあり方を変えていく。
目次
リサーチ企業概要
・JCRファーマ株式会社
・設立:1975年9月13日
・代表者:代表取締役会長兼社長 芦田 信(あしだ しん)
・社員数:719名(2021年3月31日現在)
・所在地:兵庫県芦屋市春日町3番19号
・代表的なサービス:医薬品、再生医療等製品およびその原料の製造、売買
輸出入医療用機器および実験用機器の売買ならびに輸出入
・株式上場:東京証券取引所市場第一部(証券コード:4552)
*1992年10月27日上場
JCRファーマ(株)【4552】:詳細情報 – Yahoo!ファイナンス
経営者・創業者
<創業者/代表取締役会長兼社長 芦田 信>
1943年生まれ、東京都出身。愛知県立岡崎高校卒業、1968年甲南大学理学部卒業。同年大五栄養化学(現・日本製薬)入社。75年に退社し、日本ケミカルリサーチ(現・JCRファーマ)設立、代表取締役社長に就任。
■専務取締役生産本部長 吉元 弘志(よしもと ひろし)
1951年生まれ、1972年台糖ファイザー株式会社(現ファイザー株式会社)入社、1999年 同社名古屋工場 基礎生産工場工場長、2003年同社名古屋工場 原薬製造統括部長。その後、2011年3月 JCRファーマ株式会社入社、2016年6月 専務取締役に就任(現任)
■常務取締役営業本部長 芦田 透(あしだ とおる)
1968年生まれ、1992年日本生命保険相互株式会社入社、2002年株式会社ジェービーエス設立、同社代表取締役社長、2007年フューチャーブレーン株式会社代表取締役社長、2014年JCRファーマ株式会社入社、2020年常務取締役に就任。
■取締役 薗田 啓之(研究本部・開発本部担当、研究本部長 兼 創薬研究所長)
■取締役 Mathias Schmidt(海外戦略担当、ArmaGen, Inc. CEO、JCR USA, Inc. President and CEO)
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:医薬品を通して人々の健康に貢献する
価値観:信頼/法令遵守、高い倫理観で行動し、全てのステークホルダーから
信頼される会社を築く。
自信/世界へ通用する医薬品提供を目標に、独自の視点で研究・開発
を進め、自信をもって品質の高い製品と情報を提供。
信念/“自ら考え、自ら行動する”を信念として、更なる企業成長を目
指す。
組織体制
グローバル展開を見据えた世界基準の生産・品質保証体制を確立している。そのためライソゾーム病を中心とした 複数のグローバルプロジェクトに迅速に対応するため、「開発企画部」を新設。
ニュースリリース
市場・マーケット
・世界医薬品市場規模
2019年度:約318兆円
1位がアメリカで約4割を占め、次に欧州五か国、中国と続き、日本は第4位で約9.6兆円。内訳は約90%が医療用医薬品、約10%がOTC医薬品(ドラックストアで購入できる薬)
第一三共株式会社より
・世界バイオ医薬品市場規模
2018年年度:24兆円
市場拡大は今後も続き、2024年には38兆円になると予測
HPより
会社・サービスの特徴
アンメット・メディカルニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)に応える画期的な新薬の創製に挑戦するスペシャリティファーマ。尿由来のタンパク質分解酵素である「ウロキナーゼ」の製造からスタート。医療用医薬品および医薬品原体の開発、製造、仕入ならびに販売を行う医薬品事業と医療用・研究用機器の仕入及び販売を行う。ヒト成長ホルモン製剤が主力、バイオ後続品も成長している。
ビジネスモデル
成長ホルモンなどの国内製品、ライソゾーム病治療薬のグローバルでの収益、基盤技術の導出によるライセンス収入という3本の大きな収益
代表的な競合
・中外製薬株式会社
バイオのパイオニアとして、蓄積された技術と経験。スイスのロシュ社と戦略的アライアンス。
・サノフィ株式会社
ライソゾーム病治療薬のリーディングカンパニー。
ニュースリリース
・持田製薬株式会社
オリジナリティの高い医薬品を研究開発、製造および販売。
競合優位性
・独自の技術力を活かし、希少疾患・難病領域に特化していること
・研究から製品まで一貫した開発体制
・細胞性医薬品の開発と再生医療への取り組み
JCRの強み | JCRファーマ株式会社
最近の主なニュース
■2021年3月 神戸サイエンスパークに新型コロナウイルスワクチン原液新
工場の建設を決定
■2021年2月 「Sen」及び「Sen Connect」導入
■2020年8月 アストラゼネカ、日本政府と日本国内における新型コロナ
ウイルスワクチンAZD1222の供給に向けて基本合意書を
締結
出資・株主
<主要株主>
株式会社メディパルホールディングス、キッセイ薬品工業株式会社、フューチャーブレーン株式会社、大日本住友製薬株式会社、持田製薬株式会社
<資金調達>
2021年3月 新型コロナウイルスワクチンの原液を製造する新工場を神戸市に建設(2022年完成予定)すると発表。投資額は約136億円。建設費用はJCRの自己資金に加え、アストラゼネカが厚生労働省から受領する助成金(約160億円)でまかなう予定。
日本経済新聞 (nikkei.com)
勝手にキャッチコピー
ベンチャー精神で希少患者を救う
独自の技術により、研究から製品まで一貫した開発体制でアンメット・メディカルニーズに応えるスペシャリティファーマ。独自のプラットフォームで他社とアライアンスを組みつつ創薬に貢献しながらも、特異的な領域に絞った新薬の開発を継続していく。
勝手にペルソナ
兵庫県在住・55歳・製薬会社・海釣り
入社以来30年以上、研究者として製薬会社にて研究を続けている。新薬を開発するため。そして週末には研究の考え事をしながら、朝から海で魚を待ち続ける日々。たくさんの人の命を助けたいと思っていたけど最近は、残りの研究人生を希少・難病と言われている分野に捧げていきたいと思い始めている。
JCRファーマ株式会社を勝手に広報!
JCRファーマ株式会社を、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください。
難病・希少疾病領域に、「バイオ医薬品」「細胞治療・再生医療」「遺伝子治療」という3つの治療戦略で挑戦している。
勝手に広報ポイント①
希少性疾患の創薬を作り続ける、代表取締役兼社長の熱血創業者
当時32歳の時に現在の代表取締役兼社長の芦田氏が1975年に創業した会社で、人間の尿からたんぱく質を精製して薬を作ったのがはじまり。「韓国に行って寒い中、集めた尿をかぶりながら作業していました」とインタビューで語っているように、創薬のために、がむしゃらに仕事をしてきた創業者がいたからこそ1983年に尿由来のタンパク質分解酵素であるウロキナーゼ製剤および原液の製造承認を取得し、一躍脚光を浴びることができた。その後、通常は培養の際に牛の血清を使うところ、クロイツフェルト・ヤコブ病などのリスクがあるため、「動物由来の成分を使わずに開発してほしい」という創業者の依頼で完成したのが2010年に発売した透析患者の腎性貧血を治療する「エポエチンアルファBS注JCR」。遺伝子工学において動物由来の成分を使わず開発できるかの実験として開発したことで、現在、「アンメット・メディカルニーズ」といって、未だ満たされていない医療ニーズに応える画期的な新薬の創製に挑戦するスペシャリティファーマとしての地位を確立されており、その手掛かりとなった新薬の開発となったのだ。アンメット・メディカルニーズに挑戦し続けているのは、抗がん剤やリウマチ薬など大きな市場で、多大な開発費を投じる大企業と競合しても勝てないため。患者の少ない疾患を目的とした方が存在意義があると考えたこと。特に難病の多くは子どもの頃に発症が分かることが多いため、先天代謝異常であるライソゾーム病を主な対象として取り組んでいる。
経営者インタビュー
勝手に広報ポイント②
独自技術基盤を開発しながら他社と連携。未病に対してあらゆる角度からアプローチする企業指針
ライソゾーム病は体内で不要な物質を分解する酵素を作ることができないため糖質や脂質が蓄積し、さまざまな症状を引き起こす病気。酵素を補充する既存の薬では身体の症状は改善するが、脳には物質をはねのける血液脳関門があるために酵素が届きにくく、脳に糖老廃物が蓄積して知能が低下し、死に至るケースが多い。そこで、酵素を脳に届け、薬が脳の関門を通りやすくするために開発した技術が「J-Brain Cargo」だ。この技術を用い、ライソゾーム病の二十数種類のなかのいくつかを対象に研究を進め、ライセンス供与や共同開発を行なう。そうして2020年3月には、日本住友製薬株式会社との「J-Brain Cargo」 ライセンス契約における中枢神経系疾患治療薬創出したり、アメリカArmaGen, Inc. 買収契約を締結したりと、他社との協業 も図りながらもグローバル化の道を歩んでいる。
JCRテンプレート (eir-parts.net)、日経ビジネス電子版
勝手に広報ポイント③
研究開発とモノづくりでイノベーションを加速。創業46年でも持ち続けるベンチャー精神。
2020-22年度中期経営計画でも「変革」を掲げているように、1975年の創業から46年経ってもなお、創業者をはじめ全社員がベンチャー精神を大切にしている。創業以来、様々な新薬を創出し、東証一部の上場も果たし、独自技術基盤の開発によってグローバル化の実現を目指している同社。そうした成長し続けている企業だからこそ常に新たなチャレンジが必要であり、そのために様々な取り組みをしている。2020年には「J-Brain Cargo」の発明者である薗田氏とグローバルな臨床開発を経験したマティアス・シュミット氏を新取締役に迎え、経営体制を刷新。世界基準に対応した生産・品質保 証体制を構築するために、 研究生産設備の拡大も行なう反面、海外での自社販売拠点 の展開は行わず、経営資源を「研究開発」と「モノづくり」に 集中させることで、新たな価値の創出に挑戦し続ける。自由な社風であるからこそ生み出される豊富なアイデアとスピード感のある研究開発体制、希少疾病にかける想いが原動力となり、アンメット・メディカルニーズに応える会社として歩み、世界中の患者のために、希少疾病領域の スペシャリティファーマとしてチャレンジをし続ける。
勝手に広報チャンネルとは
株式会社プラスカラーが企画するYouTubeの動画コンテンツ。
元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。