COLUMN

TOP > コラム TOP > 広報コラム > 広報の成功指標とは?効果測定に役立つKPIの考え方と設定方法を解説
広報コラム

広報の成功指標とは?効果測定に役立つKPIの考え方と設定方法を解説

2025.7.28

広報活動は、企業の信頼やブランドイメージを高めるために欠かせない存在です。しかし、広告とは異なり直接的な売上や数値に結びつきにくいため、「広報の成果がわかりにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、広報活動の成果を「見える化」するために欠かせない“成功指標(KPI)”について、わかりやすく丁寧に解説します。広報担当者やマネージャーの方々にとって、日々の活動の改善や社内説明にも役立つ内容です。

1. なぜ広報活動に成功指標(KPI)が必要なのか

広報活動は、企業や団体と社会との信頼関係を築く「間接的な価値創出」の役割を担っています。そのため、広告のように即時のコンバージョンや売上を指標とすることは難しく、評価の基準があいまいになりがちです。

成果が見えないと起こる課題

  • 広報部門の活動価値が社内に伝わらない
  • 上層部から「成果が見えにくい」と予算が縮小される
  • チームメンバーが達成感を得にくい

このような問題を防ぐためにも、広報活動には「何をもって成功とするか」を定めるKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)の設定が不可欠です。

2. 広報活動におけるKPIの特徴

広報におけるKPIは、マーケティングや営業と異なり、「直接的な数値成果」よりも「質的な評価」や「中長期的な指標」が中心になります。

広報KPIの主な特徴

  • 数値化しづらいものも多い(例:企業の信頼度)
  • 外部要因(メディアの掲載可否など)に左右されやすい
  • 複数のKPIを組み合わせて評価することが多い

そのため、「量」と「質」の両面からKPIを設定し、バランスよく測定することが求められます。

3. 広報の代表的な成功指標10選

ここでは、実際の現場でよく使われる広報のKPIを10個ご紹介します。

3-1. プレスリリース配信数

広報活動の基本指標。定期的な情報発信を行っているかの確認になります。

3-2. メディア掲載数

実際にメディアに掲載された本数。オンライン・紙媒体問わず集計します。

3-3. 掲載媒体の質(媒体影響力)

掲載されたメディアの影響力や信頼度を評価。全国紙、業界紙、テレビなど。

3-4. メディアからの問い合わせ件数

取材依頼や追加質問など、発信後の反応を見る指標です。

3-5. SNSでの言及数・シェア数

SNS上での拡散状況や話題度を数値で測定。ハッシュタグやエゴサーチなどを活用。

3-6. 自社サイトへのアクセス数

広報活動の結果、どれだけWebサイトに誘導できたかを確認します。

3-7. ブランド好感度・認知度(調査ベース)

定期的なアンケート調査や第三者調査でのブランドイメージをKPIに設定するケースもあります。

3-8. イベント・記者発表会の参加者数

自社開催イベントの集客数も広報力を測る一つの目安です。

3-9. クライシス対応のスピードと質

炎上や不祥事時の対応における初動の速さ、対応内容の適切性をKPI化する例も増えています。

3-10. 社内からの評価(社内広報)

従業員向け広報(インターナルコミュニケーション)のKPIも重要。社員アンケートや社内報の閲覧数などで評価します。

4. KPIを設定する際のポイントと注意点

KPIはただ数値を設定すればよいというものではありません。以下のような観点が必要です。

4-1. 広報活動の目的を明確にする

「信頼の獲得」「ブランディング」「認知拡大」など、目的によって指標も変わります。

4-2. 測定可能であること

定性的な評価であっても、可能な限り「見える化」できる工夫をしましょう。

4-3. 組織や上司との合意形成

KPIの妥当性は主観的になりやすいため、事前に部門や経営層と共有しておくと良いです。

4-4. 継続的な見直し

時代や組織のフェーズによって最適なKPIは変わります。定期的な棚卸しを意識しましょう。

5. 広報の成功を評価するためのKGIとの違い

KPIは「途中経過の達成度」を測るものであるのに対し、KGI(Key Goal Indicator)は「最終目標の達成度」を測る指標です。

項目KPIKGI
内容進捗や中間成果最終成果・ゴール
メディア掲載数、SNSシェア数ブランド認知率、企業イメージ向上

KGIを定め、それを実現するために複数のKPIを設定するという流れが理想です。

6. KPIを活用した実践的な評価の流れ

① 広報活動のゴールを明確にする
② KGIを設定する(例:1年後のブランド認知率15%向上)
③ そのKGIを実現するために必要なKPIを複数設定
④ 月次・四半期で定期的に進捗を確認
⑤ 必要に応じてKPIを見直し・調整

このように、KPIは「施策の進捗チェックリスト」として機能し、組織としてPDCAを回すための軸になります。

7. まとめ:成果を「可視化」して戦略的な広報へ

広報活動は、企業の価値を社会に届け、信頼を構築する大切な役割を担っています。その成果を可視化することで、活動の改善にもつながり、社内外への説得力を高めることができます。

広報KPIを設定するメリット

  • 活動の評価基準が明確になる
  • 改善点を発見しやすくなる
  • チーム全体のモチベーションが高まる
  • 経営層への報告資料として使える

ぜひ本記事を参考に、自社に合った広報KPIの設計を行い、「信頼されるブランドづくり」への第一歩として役立ててください。

KGIとKPIの設計の重要性は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
▶失敗しない広報の始め方。成果を出すための広報戦略と実践ステップ

プロ広報による広報無料相談会を実施中

プラスカラーでは、広報戦略の設計からメディアアプローチ、コンテンツ制作・運用といった具体施策の立案・実行まで一気通貫でサポート可能です。広報経験者や広報専任者がいない企業様や、広報活動に不安を感じているご担当者様にこそおすすめです。

・広報に取り組みたいが始め方がわからない
・売上や採用に寄与する広報の方法を知りたい
・メディア露出やSNS運用等、具体的な広報施策の改善を図りたい
・資金調達やIPOに向けて企業ブランディングを強化したい

このようなお悩み・ご希望がございましたら、まずは広報無料相談会にてご相談ください。広報支援100社以上の広報コンサルタントが、貴社にとって最適な広報手法や改善施策をご提案いたします。