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メディア対応の基本とは?広報担当者が知っておくべき基礎知識と実践ポイント

2025.8.4

企業や団体が世の中と信頼関係を築くうえで、メディア対応は欠かせない広報活動のひとつです。記者や編集者との良好な関係を築き、適切な情報を発信することは、企業のイメージや信頼性に直結します。 しかし、「メディア対応」と一口に言っても、何をどうすればいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。この記事では、メディア対応の基本を初心者にも分かりやすく解説し、具体的な対応の流れや注意点、成功のコツまで丁寧に紹介します。

メディア対応とは?その目的と重要性

メディア対応の定義

メディア対応とは、新聞、テレビ、雑誌、ウェブメディアなどの報道機関からの問い合わせや取材依頼に対して、適切に対応する広報活動の一環です。記者からの取材申し込みへの応答、インタビューの調整、コメントの提供、報道後のフォローアップなども含まれます。

なぜメディア対応が重要なのか

メディアは、社会に大きな影響を与える情報発信者です。そのメディアに正確な情報を提供し、自社や自団体の信頼性を高めることが、結果的にブランド価値の向上や危機回避につながります。また、第三者である報道機関からの発信は、広告よりも客観的な情報として受け止められる傾向があるため、信用力の高いPR手法と言えるでしょう。

メディア対応の基本姿勢

「誠実・迅速・正確」を心がける

メディア対応で最も大切なのは、「誠実」「迅速」「正確」という3つのキーワードです。記者や編集者は時間に追われていることが多いため、素早く、正確に情報を提供できるかどうかが信頼構築の鍵になります。また、誤解を招くような曖昧な情報を出すと、意図しない報道に発展するリスクがあるため、事実に基づいた丁寧な説明が必要です。

組織としての対応力を持つ

メディア対応は、担当者個人の能力に頼りきるべきものではありません。広報部門だけでなく、経営陣や各部門と連携しながら、組織として統一されたメッセージを発信する体制が求められます。情報の確認ルートや承認フローを事前に整備しておくことで、緊急時にもスムーズな対応が可能になります。

メディア対応の流れと実務

1. 取材依頼の受付

まず、記者から電話やメールで取材依頼が入ったら、担当者は以下の情報を確認します。

  • 取材の目的と内容
  • 掲載予定媒体と発行予定日
  • 使用されるコメントや資料の範囲
  • 取材対象者(経営者、専門家、社員など)の希望

この時点では、無理に即答せず、「社内で確認のうえ、折り返しご連絡します」と伝えるのが基本です。

2. 社内調整と可否判断

取材を受けるかどうかは、企業にとってのリスクとメリットを見極めて判断する必要があります。社内での確認・承認を経たうえで、取材対応の可否をメディアに伝えます。可否を伝える際は、受けられない場合でも丁寧な言葉遣いで誠意を示すことが重要です。断り方ひとつで、今後の関係性に影響を及ぼすこともあります。

3. 事前準備

取材を受けると決めたら、次は徹底した事前準備が必要です。以下の点に留意しておきましょう。

  • 取材の想定質問と回答案の作成
  • メディアに提供する資料の用意
  • 話してよい範囲・NG項目の明確化
  • 取材対象者へのブリーフィング(内容説明と心構え)

できるだけ「分かりやすく・正確に・誤解のない表現」で伝えるための準備が重要です。

4. 取材当日の対応

取材当日は、広報担当者が同席するのが基本です。記者の質問の意図を確認しながら、必要に応じて話の補足や軌道修正を行います。取材後は、以下のような対応を行います。

  • 記者へのお礼
  • 伝えきれなかった情報の追加提供
  • メディア掲載予定の確認

なお、発言の「オフレコ(非公開)」の扱いについては曖昧にならないよう、事前にしっかり合意を取ることが必要です。

5. 掲載後のフォロー

記事が掲載されたら、社内関係者に共有するとともに、記者に対して丁寧なお礼を伝えるのが望ましい対応です。また、掲載内容に誤りがあった場合は、速やかに修正依頼を行う必要があります。感情的にならず、事実ベースで冷静に伝えることが重要です。

メディア対応でありがちな失敗例とその回避法

事実確認不足による誤報

取材時に事実確認が不十分だと、意図しない誤報につながるリスクがあります。記者の質問に対して分からないことは無理に答えず、「確認して折り返します」と伝える勇気も必要です。

情報開示のルールが曖昧

内部で「どこまで話してよいか」が明確になっていないと、社外秘情報が流出する恐れがあります。事前に話して良い範囲とNG項目を明確にし、取材対象者にも共有しておきましょう。

記者との信頼関係が築けない

対応が遅い、冷たい、答えが曖昧などの印象を与えてしまうと、記者との関係が悪化する恐れがあります。誠意ある対応を継続的に行うことで、良好な関係を築くことができます。

メディア対応を成功に導くポイント

社内の情報共有体制を整える

広報担当者だけでなく、経営陣や各部署と連携しながら、情報がスムーズに共有できる体制を構築しておきましょう。日頃からの連携が、緊急時の迅速な対応を可能にします。

「自社の伝えたいこと」と「メディアの関心」の接点を探す

メディア対応は、単なる情報提供ではなく、双方向のコミュニケーションです。自社が伝えたいメッセージを、記者や読者の関心とどう結びつけるかが成功のカギです。

メディアトレーニングの実施

経営者や専門家が記者対応を行う場合は、メディアトレーニングの実施をおすすめします。伝え方の訓練をしておくことで、本番でも自信を持って臨むことができます。

まとめ|誠実な対応が信頼を生む

メディア対応は、広報活動のなかでもとくに「信頼」が問われる場面です。記者の立場に立って、誠実で丁寧な対応を積み重ねることが、信頼関係の構築につながります。そしてその信頼こそが、企業のブランド価値やレピュテーションの向上につながるのです。

日々の地道な対応が、いざというときに組織を守る大きな力となる――それがメディア対応の本質だと言えるでしょう。

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