COLUMN
何事も事前準備が大事。ベテラン広報が若かりし頃失敗した取材対応の話
2023.10.3
この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。
目次
「実はここだけの話・・・」を引き出すテクニックが欲しい!と思うこと、ありませんか?
人の秘密、本音、裏話をとにかくよく知っている人、周りにいませんか?
こういう書き方をすると語弊がありそうですが・・・噂話が好きな人、ゴシップを追いかけるパパラッチ的な話ではなく、その人の本質的な悩みや課題、根底にあるニーズを引き出し、本音のぶっちゃけトークをすることで相手の心をガチッと掴む人を指します。
私の最も身近な存在・プラスカラー代表の佐久間さんがまさにこの典型的な人物なのですが、とにかく相手の懐に入り、しっかり本音を引き出してくるプロ。
そのトーク術を身近で見ているものの、いざ自分が実行してみると「聞いている風」ではあるものの、結果的に玉砕するパターンで幕を閉じることが多く、その度に佐久間さんからは「本質が分かっていない」と言われます。
ある時、どうしたらできるようになるか彼女に尋ねた際に言われたのが「どうしたら相手の感情が動くかを常に考えている。そして自分の持っていきたい方向に持っていくためにどのような質問を展開し、コミュニケーションを進めていくかのイメージを綿密に練っている」という話でした。
要するに、行き当たりばったりではなく、事前に準備をして臨むということ。
相手にとって欲しい行動を目的に定め、そうなるよう道筋を準備し、その道筋に導くための質問を準備する。まさに、欲しい結果、欲しい答えをもらうには事前準備がとても大事であるという話です。
行き当たりばったりな人生を送ってきた私にとって、計画を立て事前に準備することほどハードルの高いものはありませんが、いまの自分にとって避けては通れない身につけるべき必要なスキルであると認識しています。
本日のインプット&アウトプットは、前回の記事に引き続き「質問力<続編>」について。
今日のインプット
中田敦彦のYouTube大学 – NAKATA UNIVERSITY【質問力②】相手に感謝される最高の質問とは?
インプットした内容
〜〜前回のおさらい〜〜
広報に必要な発信力。さらに効果UPを狙って身につけたい質問力
1.質問力とは?
①レベルがある
■悪い質問
■答えより注目
②成長に不可欠
■優れている人との対話
■相手のレベルに合わせる
③磨けば伸びる
■質問ゲーム
■メタ・ディスカッション
2.いい質問とは?
①具体的×本質的
②自分の関心×相手の関心
③過去の経験×現在の文脈
〜〜本日のインプット〜〜
3.いい質問をするためには?
→相手の気持ちに寄り添うことが大事。下記の3つに寄り添うのがポイント!
①好き
■偏愛マップ
■共通項・共感
②苦労
■寄り添う、共感する
・苦労した部分にフォーカスし、苦労したことに寄り添い、共感する
(どんな成功者にも苦労話はある)
■専門性を引き出す
・成功者、プロフェッショナルに聞くので、その人にしか聞けないその人のプロフェッショナルな部分を引き出す
③変化
■ターニングポイント
・ターニングポイントで何を考えたのか?その時何があったのか?
・大きな壁を乗り越えた時、その変化にフォーカスする
■過去と現在
・過去と現在にフォーカス、その変化に注目
→①〜③の質問をするには勉強と準備が必要。ここまで自分のことを勉強して準備してくれていたと思うと、相手は嬉しい!信頼関係が生まれる。
→いい質問は1日にしてはならず!
4.最高の質問とは?
①本人にインスパイアする質問
■仮説を立てる
・勉強・準備をしたら仮説を立てる。それを検証するように質問する
→答えた人に気づきがある質問はいい質問
■テーマ
・質問を組み立てながら1本の映画を作るように引き出す。ジュークボックスを押すような、一問一答ではだめ。他の人も自分自身も気づかなかった答えを引き出す。②偉人をつくる
■偉人は人が伝えている→質問が時として偉人を作り、ストーリーを作る
(例)孔子:弟子が孔子の素晴らしさを伝えている
(例)キリスト:キリスト教の教えとして残っている
インプット情報からの学び:欲しい答えを引き出す質問には事前準備が大事!取材対応前には入念な準備を
今回の動画で深く共感したポイントは2つ。1つは、いい質問には事前準備が重要ということ、もう1つは仮説を立てて話者にも新たな気づきを与える質問が最高の質問だということです。
中でも事前準備について、私の苦い経験とともに触れたいと思います。
まだ事業会社の広報だった頃、とある媒体さんから社長に取材依頼があり対応したのですが、当日やって来たのはまだ記者になりたての新人記者さんで、表面的な質問ばかりかつ、会社や社長についてほぼ勉強していない、ノー装備状態。流石に途中で取材を切り上げさせていただいたことがありました。
その記者さんの勉強・準備不足は否めませんが、私が広報としてすべきことがもっとあったと深く反省し、今でも思い出すと穴に入りたくなる経験です。
この出来事の後、
①事前取材ヒアリングシートの導入
②記者さんへの事前レクの実施
という対応を行いました。
①は、取材依頼をいただいた際に記者さんに事前に聞くべきポイントをまとめたシートです。取材希望日、掲載媒体(コーナー)、取材目的、想定質問、お声がけいただいた経緯など、取材をお受けさせていただくかを判断するためにも活用できます。
大体の記者さんは取材趣意を取材依頼とセットで送ってくださいますが、中にはそれがない場合もあるため、自分たちで押さえておきたいポイントを事前にまとめておくとお互いにとって不幸な取材を避けられますし、より密度の濃い取材にしていくことも可能です。
②は、特に初めて取材いただく記者さんや、業界や会社理解が浅い記者さんに対して行うものです。取材前に30分〜1時間ほど早くご来社いただいたり、事前に電話したりしながら、会社の創業、変遷、組織体制、経営陣の布陣、事業内容、未来戦略、業界環境、競合他社など基本的な情報をインプットさせていただきます。
社長や取材にしょっちゅう対応する人は、何度も同じことを質問されると段々と取材対応意欲が落ちてくる場合があるので、取材対応者には、その人にしか話せない話をしてもらうためにも、事前の情報インプットは広報がしっかり握っておく必要があります。
必須ではないですが、取材対応者の趣味やその時はまっていること、出身地など、その人にまつわる周辺情報を可能な範囲でお伝えしておくことで、取材前のアイスブレイクで使っていただくなど、その場の空気を作ることも意識していました。
取材の事前準備について、少しご紹介させていただきました。
私の苦い経験から生まれた取材事前準備の内容に、取材中、取材後の注意すべき点などを加えた「取材対応虎の巻」は、サポートさせていただく企業の広報さんたちに共有させていただいています。
気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
<取材対応、どうやる?いざ依頼があった時の準備をするなら>
上記の記事を読んで、取材対応の際に気をつけることを知りたい。そもそも取材してもらうための方法を模索している。そんなお悩み・疑問をお持ちの経営者の方、広報責任者の方は、プロ広報伴走型支援サービス「広報ライトプラン」をはじめてみませんか?
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