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広報コラム

広報も身につけておきたい営業の極意!仮説構築力について

2023.10.10

この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。

教えて、営業の猛者たち!相手が本当に求めることを知りたいんです、私。

前回、前々回と2回にわたって質問力に関する記事を書いてきました。
広報に必要な発信力。さらに効果UPを狙って身につけたい質問力
何事も事前準備が大事。ベテラン広報が若かりし頃失敗した取材対応の話

この記事の中で学んだのが、質問力の裏には「課題設定力」があり、これが非常に重要であるということ。課題を設定することで目標に近づくことができる。しかし、まだまだこの「課題設定の仕方」が甘い私。その方法を具体的に知るためにYoutubeで検索をかけてみました。すると「仮説構築」に関する動画がいくつかひっかかったのですが、その中で興味を惹かれたのが今回の「2B Sales」の動画です。

「元キーエンス、田端大学唯一のMVP2回獲得した猛者に聞く」。
思わず手を止めるパワーワード!

余談ですが、タイトルの付け方の重要性は、Youtubeを眺めていると特に感じます。プレスリリースや記事のタイトル付けに苦労するので、インスパイアされたいときはYoutubeを10分ほどリサーチするという使い方もしています。

さて、本題に戻ります。

本日のインプット&アウトプットは、「仮説思考」について。

「仮説思考営業」をテーマに株式会社CEREBRIX製作のtoB営業の「今知りたい」を解明する動画チャンネル「2B Sales」から、インプットしたことをご紹介します。

今日のインプット

 Youtube動画「2B Sales」 
元キーエンス、田端大学唯一のMVP2回獲得した猛者に聞く「話下手でも売れる方法」|構築営業|freee株式会社 IPO事業部マネージャー 鈴木しんりさん
元キーエンスに聞く良質な仮説の立て方、使い方、その場面。徹底的に聞いてみた。|仮説構築営業|第2夜

インプットした内容

<仮説思考営業について>
1.業種・業界ごとの営業の違いと変わらない点
①違い
・スタートアップへの営業:決定に関わる人は少なく、CEO、CFOと話す機会が多く、その人のOKをもらい、使う人のNOをなくす
・大企業の場合:決定権のない人と話すことが多い。誰がどういう課題に取り組み、誰がどこの決定権を持っているかを探りながら営業をかけていく必要がある →俯瞰的な目での関係者構築が必要

②変わらないこと
・何かしら課題を持っている。その課題に対して提案をぶつけていく、これは相手が誰であっても行うこと。

2.営業に必要なスキル「仮説思考」とは
①なぜ必要なのか?
・仮説思考は営業マン全員が持ったほうがいいスキル。特に大企業の場合、単価が大きく、1件あたりの受注が重要。そうした時にニーズが顕在化してからのアプローチでは遅い。
 競合が醸成されてからのリプレイスは難しい。まだニーズが潜在化する前の段階でアプローチするため、より仮説提案が必要になる。
・できるだけ短いスパンでここまで必要だという判断を立てることが大事(いくらでも仮説は立てられるので)。

②仮説とは何か?
・こうじゃないかな?と想像して結論を出す。なぜこの仮説が出てくるのか?というロジックが大事。

③仮説思考営業の極意
仮説はお客様自身も気づいていない未来の話。なので現在の話だけでなくその先の理想像を考えてそこに足りない差分を埋めていく。 →お客様の未来の姿、理想の姿に近づけていくこと

3.仮説設思考は営業活動のどの場面で役に立つか?
①営業ストーリーを立てるとき
・営業は断片的に話すのではなく一連のストーリーで話すどういう課題があるのか、その課題に合意した後に解決策をディスカッションし、合意した後にプロダクトの提案するとお客さんは腹落ちする。
・1つの理想ストーリーにおいてお客様の課題がずれた時に補正できるのが仮説。

②ヒアリングのとき
・仮説のときにヒアリングが大事。合っていないことの方が多い。お客様の課題が顕在化していて、これで行こうと決めて問い合わせが来る場合は相手がやりたいことが明確なので、ヒアリングすればOK。課題はなんですか?と聞かれてもお客様は答えられない。

・ヒアリングするために仮説を立てる=調べてこういう課題があるのではないかと仮説を立てて、その解決策を提示していく。そうするとYes/NOで答えられて修正しやすい。

・インサイトを与えたい場合は、仮説を作ってヒアリングをすることが大事。

・良い営業パーソンから良い質問をもらえるともっと話したくなるし、それがハッとする鋭い考察であったら、この人だったら相談しても大丈夫という信頼につながる。

・仮説の精度が高い人から質問をもらうと勉強になるが、見当違いの質問をされると一気に商談する気が失せる。仮説の精度で失注を生み出すこともあるので仮説が重要

4.よい仮説を立てるためには?
①ゴールから考える
最終のゴールは受注よりもお客様の最終ゴール
・お客様が主語で話した方がいい。あなたの業務がこう変わります!なぜなら私たちはこういうものを提供しているから、というコミュニケーションが重要

②分解して考える
・例えば売上を上げることが最終ゴールの場合、分解して解像度を上げて自分達の身近な話にする必要がある。売上を上げたい場合、どんな課題があるかを細分化する。
受注件数が少ないという課題であれば、その理由は提案件数なのか?受注率なのか?提案件数が低いのは営業の数が足りないのか?リードが少ないのか?リードの質か?など、お客様の課題をクリアにしてあげるために仮説を立てる。

・要素分解をして課題をクリアにしていく=ロジカルシンキング

良い仮説を立てるにはロジックが必要。ロジックが立っていると仮説がずれたときに、だったらこっちでぶつけようという軌道修正ができる。 →仮説の裏にロジックがある!

インプット情報からの学び:仮説はハズレていてもOK!大切なのは本人では出てこない新たな気づき

前回の「質問力」の記事を書いた際に、「仮説を立てて話者にも新たな気づきを与える質問が最高の質問」だという学びがありました。
今回の動画の中で、「良い質問をもらえるともっと話したくなるし、それがハッとする鋭い考察であったら、この人だったら相談しても大丈夫という信頼につながる」という話がありましたが、この「気づき」がブレイクスルーになることもあるため、そこに導いてくれた仮設構築力があり質問力の高い人は信頼され、感謝されるという学びがありました。

私も、毎日のインプットに気づき・学びを得ているので、価値ある情報を日々発信してくださっている方々に感謝しています。

この仮設構築力のインプットをしながら、前職時代の上司の顔が浮かびました。

上司はもともと大和総研のトップアナリストということもあり、資料作りも説明・プレゼンも、怒る時さえも(笑)、非常にロジカルで、彼に言われるとぐうの音も出ない、というのは私以外の人も含め経験していると思います。

マクロ→ミクロの視点、過去・現在・未来の時間軸、空雨傘のマッキンゼーロジックが綺麗に組み合わさり、わかりやすいの一言。位置情報を活用した人の移動にまつわる分析・考察を書いたレポートも、仮設構築に富んだ洞察が光るものでした。
そのような方だったので、多方面から話を聞きたいという依頼も多かったですし、示唆をくれる人として信頼も厚かったと思います。

彼が手がけた上場時の「成長可能性に関する資料」やIR資料の数々は、外部から見たときに仮設設定に必要な情報が散りばめられた美しい作りになっており、当時さまざまな会社さんから「参考にした」という声もいただいたことを記憶しています。

私もいまなお、IR資料を作成する上での情報開示の参考事例としてお伝えすることも多いです。
参考:)コロプラ成長可能性に関する資料

広報やIRは、この仮設構築に基づきながら外部発信の資料作成等を行っていくと、株主様・投資家様に心地よい情報提供ができるようになることが期待できるでしょう。

 

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