COLUMN
経営者の皆さん!会社変革に必須な⚪︎⚪︎、忘れていませんか?
2023.11.28
この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。
目次
経営者だから経営のやり方を知っている、というわけではないのです。
最近、地方企業さまからのお問い合わせ・ご相談が増えています。
その中でもご相談いただく内容で最も多いのが採用です。首都圏でも人材の取り合いで採用に苦戦しているので、地方はきっとなおさらですよね。次いで多いのはインナーブランディング。良い人材を新規で採用したいというニーズに加え、いま働いている社員の意識改革も急務だということから、ミッション・ビジョン・バリューの策定〜浸透や社内活性施策のご相談をいただくこともしばしば。
特に代替わりで、2代目、3代目社長となり40代の若手経営者の方が積極的に動かれている印象です。私も同年代として、そして公言しているように「広報PRの力で日本を活性化」すべく、こういった地方企業さまのお役に立てたらと意気込み、実は地方企業さんに向けたセミナーを画策しています。ニーズのある自治体さまや地方銀行さま、地域の企業さまをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報いただけたら嬉しいです!
話が横道に外れてしまいましたが・・・
アンテナが「地方企業の活性化」に向いているいま、ふと目に止まった動画を本日はご紹介したいと思います。
本日のインプット&アウトプットテーマは「中小企業の経営」についてです。
私たちがご相談いただく広報やブランディングは、経営とは切り離せない存在です。広報戦略を描くときには必ずその企業の経営戦略を元にディスカッションをします。しかし、中にはこの経営戦略が定まっていない企業もあります。その多くが地方企業であることが多いというのが実態です。
今回の動画では、「工芸を元気にする!」をビジョンに掲げる中川政七商店の会長・13代 中川政七さんが、中小企業の課題やその解決策をお話しされています。動画の中で「いまの日本の中小企業の問題は“経営がない”こと」と指摘していたことから、そもそも経営のやり方を知らないという事実を知ることができました。この課題をどのように解決するのか、中川さんの方法を学びながら、私なりの解をアウトプットしたいと思います。
今日のインプット
Youtube動画 PIVOT 公式チャンネル
投資家の思考法:中小企業と伝統産業 中小企業には “経営がない”【13代 中川政七】
インプットした内容
中川政七商店会長の13代 中川政七(中川 淳)さんと農林中金バリューインベストメンツCIO奥野一成さんをゲストに、「中小企業と伝統産業」に関するディスカッション
1.中川政七商店の紹介
・創業1716年、麻織物を扱う商売からスタート。武士の裃に麻織物が使われていて徳川幕府の御用品に指定されていたので繁栄していたが、明治になって産業衰退、その中でも細々と続けていた。着物記事、茶器で家内制手工業的にやっていた。
・現会長が入社した際は雑貨部門が赤字だったのでその立て直しからスタート。経営指針となるミッション、ビジョンもなかったので、2007年に「工芸を元気にする!」をビジョンに掲げる
・このビジョンをもとに4つの事業を展開。製造小売業、工芸メーカーの経営を立て直すことを目的としたコンサルティング事業、産地単位の活性化事業、教育事業。
・教育事業では、中小企業の経営者向けの家庭教師をやっていたが、年間4-5件しか対応できないため、現在は塾形式で展開している。
2.いまの日本の中小企業の問題
■“経営がない”こと
・日本は高度経済成長期に経営がなくても伸びた。工芸は産地問屋がありその下に製造会社がぶら下がっている形だったので、製造会社は経営をしなくてもよかった。しかし産地問屋が機能しなくなくなり、自分たちで経営をやる必要が出てきたが、父親の時代は売上が上がっていたので特に何もしておらず、息子たちがどうしよう、となっているのがこの30年間。
・それに対して政府の対応は、デザインとかものにフォーカス。ものを良くしようとするが、経営をなんとかしようという視点にいかないので経営が育たないという課題が残る。
・お客さんが見えない状況、お客さんが何を求めているかを考えなくなった。扇風機は昔ものすごく高かったが、今では4,000円くらいで買えてしまう。それだけの価値になったことを見ずに、今まで扇風機を作ってきたから、という理由だけでそのまま何も変えない。その結果、会社が潰れる。
・日本は、銀行が貸す、もしくは国が助成金を出す。会社は守るべきものという考え。日本は保障制度が充実している。伝統産業は地域になくてはならないものとして言いやすいので、銀行からお金を借りやすい。
■経営のない中でどう経営を教えるのか?
・事業計画を書く→1年先、3年先のPLを書気、足りない部分をマーケティングでどう補うかを考える。これだけで大体黒字化する。最近DXの導入など盛んに言われているが、初歩の初歩をやらなければ意味がない。全国で経営塾をやっているが、損益分岐を出せない経営者も実は多い
・PLはすぐできるようになるが、BSが投資の世界なので、BSに着目しないと中小企業の存続は難しい→減価償却の考え方を最初に伝える。これさえわかっていれば大丈夫、というポイントだけまずは教える。
→経営の勉強をしていない経営者は多い。世襲などで経営を勉強しろと言われない。
■大企業での経験は中小企業に活きるか?
・大企業は学歴がある人たちが行くので、やり方を学べばできるという点では意味がある。大企業からのスピンオフなども増えてる。
・順応性がないとダメ。問題に対処しながら次のこと、新しいことを考えていく必要があるので。考えても会社の能力が低いと組織力がないので、経営者も現場で一緒に動いていくことが大事。
・スタートアップ企業がこういった中小企業の経営に入るやり方もあり。
■経営者を鍛える意義は?
・経営者のレベルアップ=会社のレベルアップ。少し生産性を上げるだけで改善される企業は多い。
・経営に対して危機感がないところは潰れるべき。新陳代謝が必要。仕事場があることが大事という社会主義的な考え方ではなく、アメリカのようにリストラがガンガンあることで、いらないところから必要なところに人が移っていく。極めて当たり前なダイナミズムを働かせることを一番上手く働かせられるのが資本主義であるべき。
・地方だと人は取りづらいし、採用がうまくいっていないと潰れていく。
■日本の伝統文化が持つ価値
・強靭な構造を持つ企業→長期潮流:日本は文明的進化モデルから文明的成熟モデルに変わるトップランナー。自国の文化、生産物が見直されるようになるのでは?それを生活の中で使うビジネスが出てくる可能性はある。
・日本や先進国はすでに量的には満たされている。そこで満たされるのが文化。歴史的観点で見ると日本の歴史は特殊、長くていいものが多い。
インプット情報からの学び
デザインやものにフォーカスするが経営に視点がいかない、DXの導入の前に事業計画を書くべき、という点が非常に、非常にわかりみが深かったです。
地方企業や中小企業からのご相談で最近多いのは「DX支援」、「新規事業」、「人事・採用制度」、「SDGs関連」だと、とある企業さんから聞いたことがあります。確かに会社を改革するために多くの企業がこぞって着手しているテーマではありますが、そもそも自分たちの向かいたい方向やそこに行くための計画、つまり経営戦略や事業計画が描けていなければ、絵に描いた餅で終わり、取り組んだことに満足する結果になりかねません。
そして、最初の計画と同じくらい重要なのが、取り組んだことを【広めていくアクション】です。例えば、優秀な人材を採用する目的で人事制度や採用戦略を整えたとしても、それを発信し、ターゲットとする優秀人材に知ってもらう必要があります。新規事業を立ち上げたとしても、そこから生まれた新たな商品やサービスをターゲット顧客に知ってもらえなければ意味がありません。
広めていくためには、広報や営業、販促といった活動が必要になるはずなのに、実はそこまで考えておらず、苦戦している企業が非常に多い印象です。
営業活動をはじめとする、広げていくアクションにおいて、従来通りのやり方では売上達成が困難な時代に突入したいま、これまでのやり方を変え、「選ばれる存在」になることが求められています。
「選ばれる存在」になるためのカギが「広報」です。
「広報」と聞くと、テレビに出ること、SNSをやること、といったイメージを持つ方も多いですが、「広報」とは、「知られていないことを世の中に知ってもらうための手法」「知って欲しいターゲットに伝えるための手法」と私たちは定義しています。
経営者の皆さんには、流行りのソリューションを取り入れるだけではなく、何のために取り入れるのか、そしてその目的達成のためにはソリューションを取り入れた先に何が必要なのか、俯瞰して判断していただきたいと強く思います。
<広報って聞いたことはあるけれど何をするの?そんな方へ>
広報についてもう少し知りたい、自社の採用活動や営業活動を加速させる方法を相談したい、このようにお考えの経営者さま、事業ご責任者さまは、ぜひ一度【15分の個別相談付き】の広報セミナーにご参加してみてはいかがでしょうか?
<広報歴20年のベテランが教える広報の極意が詰まった特別セミナー>
https://www.street-academy.com/myclass/118481
セミナーでは下記の内容をお伝えしています。
◆広報とは何か?〜営業、販促、集客、採用…あらゆる企業活動の根源〜
◆なぜいま、広報が求められているのか?
◆広報って何やるの?
◆広報の目的・目標設定の方法 〜広報成功のカギはKPI/KGI設定〜
◆今の時代に求められる共感PRとは 〜知りたいのは商品の特徴ではなく背景にあるストーリー〜
◆メディアアプローチの方法 〜名もなき企業のメディア露出のコツ〜
◆広報事例 〜注目企業はこれをやっている〜