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広報コラム

選ばれる1社になるための秘策を見つけました!

2023.12.12

この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。

お客様が振り向かないって感じるのは、なぜ?

とある企業の社長さまと商談をしていた時、「自社のPRをアウトソースしたらお客様からの反応がイマイチだった。だからPRを外部に任せるのに抵抗があるんだよね。」というご経験をお話いただいたことがあります。よくよく話を聞くと、自分たちは環境や人の命に関わる事業を展開し、そこが提供価値なのに、『おいしい』『安全な品質』などその商品の性能や特徴にフォーカスしたメッセージングになっていて、自分たちが伝えたい内容と全くズレていた、というものでした。

こういったズレは意外と気づきづらいのですが、実はPRの現場でよく起こる事象です。このズレが起こらないために重要なのが、ターゲットとメッセージ(訴求内容)がズレていないかを”客観的に”確認すること。当事者のみで行うと起こりがちな落とし穴のようなものです。クライアントがやりたいこと(求める成果)に対して、ターゲットとメッセージがズレているのであれば、ここを正すことこそがPRを始める時の第一歩!広報のプロとしてクライアントが望んでいることであっても、それが目的達成の方法として適していないと判断したらそのズレをロジカルに指摘し、目的を果たすためのターゲット設定とメッセージの見直しを提案しなければいけません。

このような認識のすり合わせに必要となるのが、「課題の設定」の時間を設けることです。このコラムでも何度か「課題設定」の話に触れていますが、広報を通して自社の認知を高める際も、この課題設定は肝となってきます。今回はこの課題設定時に共通するHow toについて紹介していた動画をもつけたのでご紹介したいと思います。

本日のインプット&アウトプットテーマは「認知活動における土台づくり」についてです。

今回の動画では、マーケティング業界の雄・電通でご活躍中のクリエイティブ・ディレクターの方々が実践する「売れるマーケティング戦略」の考え方が紹介されています。

売りたいものが売れるのは、買い手のニーズ・課題と売り手のメッセージが一致しているから。ここが一致していなければお客様に届ける手前の「認知活動」をどんなに行っても結果は出ません。認知活動で期待する効果を得るために必要なメソッド化・フレーム化された手法をアウトプットしていきます。

今日のインプット

PIVOT 公式チャンネル/STAR SKILL SET

前編【企画&アイデアの思考法】大木優紀に“電通式戦略プランニング”のメソッド伝授/戦略の50%は課題の特定で決まる/課題と問題の違いとは?「10kg痩せたいは課題じゃない」

後編【必勝マーケティング】電通でも実践“売れる戦略”はこう考えよ/大木優紀がコカコーラの事例に納得 第一想起の重要性/フレームワーク伝授 カスタマージャーニーとTPCM

インプットした内容

1 ストラテジックプランニングとは?
「What to say」「How to say」というコミュニケーション領域に加え、「What to do」という、ブランドが何をするかから一緒に考える戦略や、自分が何者かを定義する戦略もあり、段々とできる戦略の幅が広がった。この戦略自体をプランニングしていくこと=ストラテジックプランニング。

2 戦略を考えるために必要なこと
戦略を考えるためには下記の3つの手順が必要

①課題を理解
・いきたい状態に向かうためにどういう課題を解決するか?

②課題を見つける
・一番大事な課題を見つけるための優先順位

③課題を検証する
・金、ひと、時間をどこに投下するか?やるべきことにフォーカス=課題
・よくある仕事の進め方は分析→課題→戦略→戦術
 →最近は課題の共通認識から設定することが多い。課題がうまく設定できると半分くらい戦略が描けている

(例)
10kg痩せます、は課題でなく問題点

正しい課題は、飲み会や会食をいかに減らすか?運動をいかに継続するか?
→ここまで落とすと戦略、戦術が設定しやすい

(例)令和トラベルの会社の課題
・一番の課題→伝え方がわからない→まず書き出して棚卸しすることが大事

3 問題と課題の違い
今・現状と未来の差分=問題→定量的に見えている
差分を埋めるために乗り越えなければいけない壁=課題
つまり、10kgを変えるために何を変え、打破する必要があるか?が大事

未来をはっきりさせるために、定量、定性ではっきりさせる
(例)魅力的な未来
   →定量:認知率
   →定性:当たり前になってる=インフラのような状態になっている

プロダクトのUSPや良さみたいなところと、お客様のペインやニーズをどうやって一致させていくか→
乗り越えるべき壁 
誰にどうやって伝えていけばいいか?→ターゲットによって求めるものが違う
(例)
・海外旅行未経験者:安心、安全
 →怖い、不安なので補償、対面サポートなど欲しい
・海外旅行経験者:利便性、安さ、自分とのマッチ具合
 →1回行けば大体わかる

海外旅行未経験者が求めるのは、安心、安全。安心安全を求める人は、「簡単」は求めていない。丁寧に安心できる方がニーズマッチする。
簡単=旅行上級者の方がマッチするキーワード。

4 課題発見のためのフレームワーク
課題:体重が重い
仮説①:カロリー過多←暴飲暴食
仮設②:代謝が悪い←運動不足←・・・

課題発見のポイント:
・仮説を発見することが大事
・矢印が多いところが課題であることが多い →そこが解決されると一気に課題解決が進む

やらなくていいこととやるべきことが可視化されるので、投資すべき部分が明確化される=課題仮説。それを裏付けるための検証を行なっていく。この仮説がない状態で調査・検証をすると無駄打ちになる

仮説→アンケート調査→検証→提案 の順番

5 課題発見のアプローチ法
◆因果関係の整理
課題発見のアプローチとして因果関係を書き出していき、矢印が多く集まるところが課題であるという仮説が立てられる
→見えた課題に対して解決策をあげていく

6 コカ・コーラに学ぶ第一想起
①認知→②理解→③好意→④第一想起
第一想起させる言葉は「ニーズアプローチ」、「ペインアプローチ」のどちらか

7 カスタマージャーニーとTPCM
TPCM=電通が開発したフレームワーク。ターゲットが抱いているPerception(認識・認知=消費者の購買行動に関係する大きな要素を表す言葉)をコンテンツと手法によって望ましいものに変化させることで購入に導くプロセス

例:旅行予約アプリNEWTの事例
◆ターゲット:夏に海外旅行をしようと思っている人
◆Perception:高い買い物だからネットで比較してじっくり選ぶもの
  →現在の行動=大手ネットサービスの活用
⇅        この現在と期待のギャップを埋める
  →コミュニケーション内容:海外行くならすぐ予約/キャンセル無料キャンペーン
  →コミュニケーション手段:WEBムービー、インフルエンサー活用

◆Perception Goal:現代人は忙しい。海外旅行は比較する前にまず予約
         →期待される行動=簡単にやすく予約できるサービス

8 まとめ
マーケティング施策の最初の土台作りが何よりも大事!メッセージング、キャッチコピーさえも変える。マーケティングはいろんな人が関わるものなので、いかにみんなに伝わりやすいか、分かりやすいかが大事。

インプット情報からの学び:認知活動における土台づくりには、ターゲットの認識・認知のセットアップが肝となる

問題と課題をはき違えてはいけないとよく言われますが、私自身いまいちつかめていなかった気がします。「現状と未来の差分=問題、差分を埋めるために乗り越えなければいけない壁=課題」、つまり、目標と乖離しているという事実が問題であり、その事実を引き起こしているものが課題であると理解しました。そして、課題に対する仮説をいくつも出しながら、最終的に仮説がたくさん集まるところが解決すべき一番の課題であるという、わかりやすい方程式を学ぶことができました。

今回改めて気づきになったのが、ターゲットが抱いている認識・認知をメッセージングと手法で望ましい状態に変化させることで購入に導く「TPCMフレームワーク」です。同じ商品・サービスでも、ターゲットはAという認識にも関わらず、私たちがBという認識を一方的に投げかけても、それは反応しないわ!という非常に納得感のある話でした。
これは、ターゲットが思い込んでいる認識を変えた上で、自分たちの訴求したい内容をぶつけるという話にも通じます。

例えば、私たちが提供する採用広報サービス「NOZOKIMI」を事例に考えてみましょう。

NOZOKIMIは、その会社で働く女性社員の生の声を通して会社を魅力づけを行う記事制作代行サービスです。作った記事をスカウトや面談メール、説明会などで活用することで求職者の意向度を高めていく役割であるため採用率の改善・向上に寄与するものとなります。そのため、「母集団形成に課題がある」とお考えのクライアントさんの場合、正面突破でサービス説明をしても、不要なサービスだと判断されてしまいます。

そこで、認識・認知をまずは変えるということをします。

「採用目標は何人ですか?そのためには何人の人から応募が必要なんですか?実際どのくらいの方から応募があるんですか?応募が来ているのであれば、面談や内定承諾で落ちてしまっている(他社を選んでいる)人を引き上げて、採用率をあげることも必要ですよね?」

このように、採用ができない=「母集団が集まらないから、だから掲載媒体を増やす」という認識・行動を、「採用率を高めて採用人数を増やす、そのために社員インタビュー記事を作って拡散する」というという認識・行動に変えていくことで、自分たちのサービスを必要とする状態に持っていくことができます。

サービス提供者は決して一人よがりになってはいけませんが、自分たちのサービスは誰に対してどのような価値を提供するものなのかを整理するとともに、そのターゲットの現在の認識を理解した上で、自分たちの訴求したいメッセージに一致させていく、つまり、ターゲットの認識・認知のセットアップが重要だと言えるでしょう。

<「伝えるプロ」がメッセージングや発信手法をアドバイス> 

お客様、ターゲットに正しく認知してもらうためには、自分たちの価値をどのように伝えるか?お客様が抱える課題に対して、どのように訴求していくか。お客様の課題設定からその課題に対してどのように解決できるかというメッセージング、そしてそのお客様に認知していただくための最適なツール・手法。これらを網羅的に設計していく必要があります。

しかし、わかっていても進め方がわからない、自分たちでやるのは難易度が高い・・・といったお声もあがると思います。

その場合は、「伝えるプロ」であるプラスカラーがご提供するプロ広報伴走型支援サービス「広報ライトプラン」をはじめてみませんか?

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