COLUMN
【研究編】共働きにのしかかるワーママの限界!仕事との両立のコツは
2023.5.29
厚生労働省の厚生労働白書によると、共働き等世帯数の年次推移は、1992年を境に年々共働きが増加しています。ここ30年ほどで共働きの割合は増加傾向にあり、2021年には全体の68.8%が共働きという結果となりました。 共働きという働き方がもはや一般的となりつつある現代ですが、女性にのしかかる家事や育児の負担はなかなか改善されず、毎日疲弊しながら乗り越えている家庭も多く存在します。 今回は、ワーママにのしかかっている家事育児の負担割合を比較し、現代の共働きの現状をお伝えします。
目次
共働き家庭の実態は?家事育児の分担割合を比較
共働きが主流となった現代は、産休育休制度も整ってきたため、子どもが生まれる前まで勤めていた職場を辞めずに育休復帰後も正社員で働く女性が増えてきました。両方ともフルタイムで仕事をこなす家庭が増えた現代ですが、家事や育児にかかる負担は、男女ともにバランスよく分担されているのでしょうか?
お金の疑問を解決する情報を取り扱うマネコミが、内閣府の調査をもとに、令和元年度 家事等と仕事のバランスに関するグラフを公開しています。
引用:共働きの家事は妻の負担が大きい?負担割合や上手な分担のコツを紹介(マネコミ)
こちらのグラフは、妻もフルタイムで働いている場合の家事の時間です。夫婦共々長時間の労働をしているにも関わらず、仕事の日、休みの日両方とも妻側の方が家事に割く時間が多く、夫の2倍になっています。
さらに、育児での時間割合はどうでしょうか?育児の割合のグラフを見てみましょう。
引用:共働きの家事は妻の負担が大きい?負担割合や上手な分担のコツを紹介(マネコミ)
家事に割く時間に対して、夫も育児の時間は多く割いていると回答している結果となりましたが、仕事の日でも休みの日でも、妻の方が育児に割いている時間が多いという結果となりました。
単純計算で、仕事の日の家事育児に費やす時間は、夫は2時間、妻は3.8時間で、休日の日は夫は2.9時間、妻は6.9時間と2~3倍の割合で妻が負担しているという結果になりました。
これらの結果から、働き方は変わっても家事分担の負担は変わらず、むしろ、妻が家事育児にプラスして仕事もこなしているため、専業主婦が多かった時代より、はるかに共働きでの妻の負担が多くなっていると分かります。
共働き家庭の家事育児で、妻がつらくなる理由
ここまで共働き世帯による家事負担の割合を見てきましたが、専業主婦が多かった時代に比べて、夫も家事育児を分担する意識に変わりつつあります。
しかし、妻は家事育児に満足していない家庭も多いという結果が出ています。
引用:内閣府「平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書<目次>HTML版」図表4-5-2 家事・育児の分担の満足度<有配偶者>(性・ライフステージ別)
グラフでは、男女とライフステージ別に家事育児の満足度を表しています。夫は、子どもがいない世帯、長子が小学生以上の場合、家事の満足度は80%を超えています。
一方妻は、子どものいない世帯の場合、満足度は70%ですが、長子が未就学でも小学生以上でも50%台と満足度が男性より低く、子供が成長したからといって変わりないという結果に。
妻の満足度が低いのは、以下のような理由が考えられます。
【妻がつらくなる理由】
・名もなき家事の多さ→例えば、ゴミ集め1つにしても、「各部屋からごみを集める」「ごみを分別する」「ゴミ袋をセットする」「トレイや牛乳パックを洗う」「収集日に合わせてゴミ出しをする」など様々な項目があり、どこまでを分担するかによっても負担が変わります。
・子どもの急病に対応する負担が多い→家庭にもよりますが、子どもが急に体調を崩したときは妻が対応するという風潮が、いまだに日本社会において残っています。仮に夫が休める環境でも、上司から「妻は仕事を休めないのか?」といった圧力がある場合も。また、妻も子どもの体調回復まで休みを申し出ると、上司や同僚に嫌みを言われるなど心理面での負担が多い場合があります。
・自分の自由時間がとれない→仕事をフルタイムでこなし、家に帰ってからも家事や育児をこなしていると自分の時間がとれないということで悩んでいる人も多いでしょう。前述のデータでも出ていますが、休日においても妻は家事育児に約8時間費やしているので、自分の時間を割いたとしても、今度は家事が膨大に残っているという状態になってしまう恐れもあります。
【まとめ】女性の負担率はむしろ大きくなっている可能性大
今回は、研究編として共働きにのしかかる家事育児の負担率を見ていきました。
共働きが主流となった現代、さらに結婚後も男性並みにフルタイムで仕事をこなす女性が増えましたが、家事の負担率は今までと変わらないため、むしろ女性の負担が大きくなっている家庭が多いことがデータで分かりました。
もちろん、その家庭によって家事の分担率は変わりますが、社会全体の割合としては、女性が昔より幅広い分野で責任を担っている現状があります。
次回は、解決編として共働きで仕事と育児を両立するためのコツをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【ネクストステップの1ポイントアドバイス】
リモートワークブックでは、様々な働き方を研究した記事を公開しています。
ワーママに関する記事では、”働くママがぶつかる壁は小4まである!仕事と育児を両立するためにするべき対策は?”で子どもの成長段階に合わせての悩みと仕事の両立について公開していますので、合わ?せてご覧ください。