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コロナ禍による不登校の増加。子どものケアでできることと仕事の両立方法

2023.8.28

文部科学省の調査データによると、令和3年度の小学生長期欠席者は約18万人いることが分かりました。前年度の令和2年度は約11万人という結果から1年で約7万人も増加したことになります。今回は、コロナ禍により不登校児が増加した背景と親が子どものケアでできること、そして不登校児がいる家庭の仕事事情をリサーチしました。

不登校になってしまう原因・背景

コロナ禍の影響により不登校の小学生が増えているというデータが文部科学省から発表されました。
令和3年度では、小学生の長期欠席者が180,875人、そのうち不登校の児童生徒数は81,498人という結果が出ています。
出典:令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(文部科学省)

これは、令和2年より長期欠席者が約7万人増え、不登校児は約2万人増えているため、コロナ禍による影響は学校生活において多大な影響を受けていることが分かります。

なぜ不登校の子どもが増えてしまったのでしょうか。
それにはいくつかの原因が考えられます。

【コロナ禍による不登校が増えた背景】
・集団生活の機会が減ったため→行事の中止や縮小により子ども同士で遊んだり学んだりする機会が失われてしまったためでしょう。

・コロナ禍前から変わらない学校指導方法→日本の従来の教育は「一斉教育」がメイン。しかし、コロナ禍によって集団で学ぶ機会が失われた子どもにとって集団で何かをするという授業方法は習得に時間がかかります。
しかし、学校の指導方法は従来のまま進めていることが多いため、子どもたちはその学習方法についていけない状況になってしまったのが原因と考えられます。

・テレワークの普及により親が在宅している環境→コロナ禍前は、外勤している親がほとんどであったが、コロナ禍により在宅勤務になる家庭が増えました。そのため、自宅に親がいる=学校に自分も行きたくないという気持ちが強く表れてしまうことが原因となっています。

・学校でのコミュニケーション不足→学校内では常にマスクを強いられた環境のため、必要最低限のコミュニケーションは避ける生活を送ってしまったためでしょう。

・生活サイクルの乱れ→コロナが流行し、平日でも自宅待機に切り替えられる生活を強いられました。そのため、家の中でできること中心の生活となり、動画視聴やスマホ使用が増えたためと言われています。

・ネットストレス→自粛期間の長期化により、スマホなどのツールで他者とコミュニケーションをとることが増えました。便利な反面、顔が見えにくいため齟齬の行き違いからトラブルに発展してしまうケースもあり、多くのストレスを抱えてしまう原因となってしまいました。

子どもが不登校になってしまった場合、仕事を退職している親も多い

現代は、共働きが一般的となり両親ともに仕事に勤めている家庭が多い状況です。子どもが不登校になった場合、自宅に子ども1人でおいていけない状況に悩んでいるといった家庭も少なくないそうです。

NHKサイト NEWS WEB「コロナ禍で不登校過去最多に 追い詰められる子ども そして親も」によると、NPO団体が不登校の子を持つ親に対しLINEで相談窓口を設けました。相談があった親に対し、アンケート調査を行ったところ、仕事の影響に関して「早退・遅刻・欠勤が多くなった」という人が34%、「仕事を休職、退職した」と回答した人も21%いたという結果報告がされていました。

昔であれば、学校トラブルがあった場合、日中誰かが家にいる祖父母や母などが対応できたことも、核家族化や共働きの影響により、頼れる人が限定的となってしまっているため、結果的に仕事の調整がうまくいかず、退職や休職に迫られてしまっているという結果が分かりました。

もし、子どもが不登校気味になった時に私たちができることは?

これまで、コロナ禍による不登校の子どもの増加の原因や背景などを見てきましたが、次は親自身が子どもをケアするためにできることをお伝えします。

まずは、家庭内でできることをピックアップしました。

【家庭内で子どもをケアするためにできること】
・子どもの気持ちによりそう
・学校に無理には行かせない
・学校や専門機関に相談する
・家では教師のようなふるまいは避ける
・家庭内=楽しい場所という位置づけで過ごす
・生活リズムを整える
・家でこもりがちになるので運動する機会を設ける

まずは、子どもの「学校に行きたくない」という気持ちに寄り添うことが重要です。
親が子どもの味方になってあげることが子どもの心の回復に役立ちます。

親世代の場合、自分たちが行きたくなくても学校に行くよう言われたという経験を持っている人が多いため、自分の子どもにも行くように促してしまう傾向があるようです。
しかし、無理に登校させたところで、学校=辛い場所などマイナスのイメージになってしまう恐れがありますので無理に登校させるのは避けましょう。

そして、子どもが不登校になったら学校や専門機関に相談しましょう。
家庭内で悩んでいたことも他人に話すことで少し軽くなります。

【不登校のこどもを支援する公的機関】
・不登校特例校→不登校児に配慮した特別な教育課程を実施している学校
 令和4年には全国で21校(公立学校12校、私立学校9校)あり

・教育支援センター→適応指導教室とも言われ、移籍している学校とは別の場所に教育委員会が設置した公的機関です。個別学習指導が設けられています。

・保健所・精神保健福祉センター→心の病気について幅広い分野で相談できる場所です。

・教育相談所→幼児~高校生を対象に子どもと保護者の教育に関する悩みを相談できる機関です。

・フリースクール→何らかの理由で学校に通えない子どもたちが通う学校代わりの場所。小学生~高校まで幅広い年齢層が利用できます。個人やNPO法人の民間の機関が運営している場所です。

・不登校カウンセラー→不登校の子どもに対して自分らしい生き方ができるように親身になって相談できる専門職です。

・不登校の親の会→不登校の子どもを持つ親が集まって、悩みや体験を共有することで不登校に対して理解を深める会です。

・引きこもり自立支援サービス→厚生労働省が行っている引きこもり支援サービス。年齢制限、利用制限はありません。訪問支援や自立支援を行う機関です。

子どもにとっては第3の居場所を作れるように少しずつ支援していくと良いと言われています。

【第3の場所とは】
第1の場所は「家庭」。子どもが安心して過ごせる場所。第2の場所は友達と先生と学ぶ場所。第3の場所とは2つの場所とは違った自分が出せる場所と言われています。


このように、様々なサービスがあるので一人で悩まず専門機関に相談していきましょう。

また、お子さんを思って「仕事を辞めようか」と考える保護者は多いと言われていますが、仕事を辞めて子どもに付きっ切りという状態も良くありません。
まずは、職場に相談し「柔軟な遅刻や早退が可能か」「時短勤務」「時間の都合がつきやすい部署移動」「一部の在宅勤務」など対応可能な部分があるか検討するのが良いかもしれません。

まとめ:コロナ禍による不登校は増えている。一人で悩まず相談を

今回は、コロナ禍による不登校児の増加の原因と子どものケアで家庭でできることと専門機関をご紹介しました。

私たち親世代とは違った社会情勢の中で今の子どもたちは生きていますので、自分たちが感じていなかったストレスを子ども時代から抱えている可能性が考えられるでしょう。

もし、自分の子どもが不登校になってしまったら、一人で悩まず専門機関に相談することで不安も少しずつ解消していくと思いますので、まずは保護者の方が冷静になって第三者機関を頼ってみてください。

【ネクストステップの1ポイントアドバイス】

子どもが不登校になってしまった時、変化に寄り添いながらも不安になってくるのは、収入面です。今まで順調に仕事をしていた人でも万が一止めざる負えなくなる状況になってしまった時に、在宅でできるスキルがあれば、子どものケアに対応しながらも収入を得ることができます。

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