COLUMN
【株式会社PayPay】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.4.8
キャッシュレス市場で後発ながらも、「100億円キャンペーン」や「手数料無料」を行い、市場のニーズを勝ち取り現在はスマホ決済で「一人勝ち状態」となっているPayPay株式会社はどのような組織なのか?
目次
リサーチ企業概要
・PayPay株式会社(Twitter・Facebook)
・設立:2018年6月15日
・代表者:中山 一郎(なかやま いちろう)
・社員数:1,600名(2020/03時点)
・所在地:東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町
紀尾井タワー
・代表的なサービス名:スマホ決済サービス「PayPay」
・株式上場:未上場
経営者・創業者
<経営者/代表取締役社長> 中山一郎
1969年生まれ、熊本県出身。大学卒業後、国際デジタル通信(現IDCフロンティア)入社。2013年4月同社社長。16年4月、ヤフーに転じ、傘下の一休副社長。18年4月、ヤフー執行役員コマースカンパニーO2O統括本部長(現 執行役員コマースカンパニー決済統括本部長)。18年6月より現職。
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:いつどこでも未来へ挑戦する。PayPayで。
ビジョン:FintechからはじまるLIFE Platform
バリュー:多様であること、ユニークであること
コミュニケーションが全ての軸である
最終的に必要なスキルは課題解決力
自分で働き方を選んで圧倒的な成果を出す
日本のキャッシュレス化に携わる名誉
Be a Rockstar! (チャレンジに興味がある人は
“Join us. Be a Rockstar!”という精神)
組織体制
アメリカ、イギリス、インド、インドネシア、イラン、オーストラリア、オーストリア、カナダ、キルギス、ケニア、サウジアラビア、スウェーデン、スペイン、スリランカ、タイ、トルコ、日本、ネパール、バーレーン、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、フランス、ベトナム、ベルギー、ペルー、ポーランド、マレーシア、ミャンマー、メキシコ、ルーマニア、ロシア、台湾、大韓民国、中国、朝鮮民主主義人民共和国、日本
世界約35カ国の言葉も文化も違う人々だからこそつくれるサービスを提供。
市場・マーケット
QRコード決済市場規模
2019年:1兆8,369億円
2024年度のQRコード決済市場規模は、サービス提供事業者の取扱高ベースで10兆290億円まで拡大すると予測する。2021年度頃までは、新型コロナウイルスの影響によるキャッシュレス決済のニーズの高まりを背景に、市場は拡大すると見込む。
矢野経済研究所調べ
会社・サービスの特徴
ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の合弁会社で、スマホ決済サービス「PayPay」を提供。2018年秋から開始し、2021年2月現在で利用者は3,600万人、加盟店300万箇所、月平均決済回数1.6億回を突破。QRコード決済は、One97 Communicationsが運営するインド最大の決済サービス「Paytm」の技術を導入。中国のアリババ系スマホ決済大手(アクティブユーザー約6億人)の「Alipay(アリペイ)」とサービスの連携もしている。
大型チェーン店はもちろん、中小規模の店舗や自動販売機やタクシー、公共交通機関への支払いまで、日本全国に拡大。オンラインサービスでの支払いや公共料金の請求書支払いなど、さまざまな決済シーンで利用できる。ユーザー間でPayPay残高を手数料無料で「送る・受け取る」機能や、投資疑似体験「ボーナス運用」など、決済以外のサービスも拡充。
ビジネスモデル
加盟店から徴収する手数料として、ペイペイ独自のQRコードを使う加盟店を無料とする一方、JPQRを使う店舗は有料。加盟手数料率としてJPQRを使用する小売店などは、2021年3月末までは1.99%、同4月以降は2.59%、10月以降は3.24%を徴収する方針。
決済ビジネスのビジネスモデルの特殊性は、アプリ開発がメインで、初期投資はほとんど必要ないが顧客獲得に多大なコストがかかり赤字が大きくなること。通常ビジネスを始める場合、「初期投資」と「ランニングコスト」の2つに分けて考えるが、製造業などの場合は工場を作ったり機械導入するためのコストは減価償却で数年~十数年かけて徐々にコスト計上するため、100億円還元キャンペーンとして投資したPayPayの場合も償却期間20年と考えれば1年あたりの費用は約5億円となり、赤字幅の大きさにも納得できる。
代表的な競合
・LINEPay株式会社(LINE Pay)
LINEユーザーなら誰でも登録可能な、フィンテック時代の新しいインフラ
となる。
・株式会社メルペイ(メルペイ)
使わなくなったものを売って、新しいお金をつくるメルカリのスマホ決済
サービス。
競合優位性
・インターネット産業は「ウィナー・テイクス・オール(勝者がすべての利を得る)」世界。コード決済市場ではPayPayが圧倒的なシェアを獲得していること。全キャッシュレス決済サービスの利用率は、ランキング上位から1位が「クレジットカード」(84.8%)、2位が「PayPay」(37.2%)、3位が「WAON」(34.7%)となった。以下、4位「nanaco」(32.7%)、5位「プリペイドカード」(32.6%)と続く。楽天ペイ(19.0%、8位)やLINE Pay(18.1%、9位)などの競合を大きく引き離している。PayPayは乱立したQRコード決済の中で頭1つ飛び抜けた存在と言える。
「47都道府県キャッシュレス決済普及率ランキング2020」
採用関連
<中途採用>
・エンジニア:フロントエンジニア、バックエンドエンジニア、Androidエンジニア、iOSエンジニア、QAエンジニア、データエンジニア、SRE、プロダクトセキュリティーエンジニア、QA マニュアルテスト マネージャー、DBA、情報システム部 エンタープライズシステム開発担当、リスクデータエンジニア、セキュリティエンジニア、業務推進エンジニア
・プロダクト:Product Designer/プロダクトデザイナー、Product Manager/プロダクトマネージャー、プロダクトオペレーション、プロジェクトマネージャー
・コーポレーション:エンタープライズ営業本部 エンタープライズ営業担当、エンタープライズ営業本部 アカウント営業担当、オンライン営業オペレーション企画担当、オンライン営業 セールスエンジニア、営業戦略本部 営業企画担当、営業戦略本部 営業KPIレポート・分析担当、営業戦略本部 エンタープライズ営業推進担当、PayPay加盟店向けサービス企画推進担当、法務担当、人事担当、経理担当、通訳・翻訳担当 、リスク・コンプライアンス担当、AML・CFT担当、決済機能企画・技術推進担当、リスクオペレーション担当、マーケティング本部 キャンペーン企画・進行管理、新規事業推進担当、マネジメント候補
出資・株主
<主要株主>
ソフトバンクグループ株式会社、ソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社
<資金調達>
2019年 5月 ソフトバンクグループ株式会社を引受先として第三者割当増資による約460億円の資金調達を実施。
勝手にキャッチコピー
キャッシュレスの立役者
現金支払いの習慣が根強かった日本で、PayPayが行った100億円キャンペーンによって一気に知名度を上げて、キャッシュレス決済を普及させた。さらに、コロナ過で感染リスクを低減する一つの方法として「キャッシュレス決済」が推奨されたことも追い風に。
勝手にペルソナ
熊本県出身・39歳・プロダクトデザイナー・海外移住を懇願
毎日の車通勤はどうも無駄に思う。会社周辺はいつも渋滞。東京の満員電車通勤に比べればまだましか。もっと家族と過ごしたいけど、仕事もバリバリ働きたい。そしていつか家族で海外に住みたい。そんな生活を夢見て、今日もUI/UX設計に力を注いでいる。
PayPay株式会社を勝手に広報!
PayPay株式会社さんを、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください
日本は現金(紙幣・貨幣)で支払う習慣が根強く、現在のキャッシュレス決済比率は20%。政府がキャッシュレス決済比率を2025年までに40%、将来的に世界最高水準の80%にすることを目指してキャッシュレス化を推進する中、ソフトバンクとヤフーは日本のキャッシュレス決済の普及を促進し、利用者と加盟店の双方に利便性の高いサービスを実現するためPayPay株式会社が設立された。
勝手に広報ポイント①
100億円キャンペーンの戦略
中国のQR決済市場をロールモデルとして、「Alipay」と「WeChatPay」の競争を参考にしている。中国市場では両者が共存しており、それを参考に競合は2社程度、もしくはもっと増えても構わないとの方針を打ち立てた上でPayPayが展開。上記前提に行われた第1弾のPayPayで買い物をすれば買い物額の20%分のPayPayが上限5万円まで付与されるという100億円還元キャンペーンの結果、わずか10日でサービス利用者は2,500万人、誰もが知るブランドネームに押し上げた。第2弾は、支払い1回当たりの付与上限1,000円相当、キャンペーン期間中の付与額の総額も支払い方法にかかわらず合計5万円相当までと条件を抑えたことで、QRコード決済の日常的な利用を促進させた。
勝手に広報ポイント②
インド最大の電子決済サービスPaytm(ペイティーエム)との関係
2017年にインド最大の決済サービスPaytm(ペイティーエム) の親会社であるOne97 Communicationsに1,568億円(1ドル112円換算)を出資しているソフトバンクはPayPayの市場動向に欠かせない存在。そもそもPayPayはソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が50%ずつ出資した合弁会社だ。SBクラウドはアリババとソフトバンクのジョイントベンチャー(合併企業)で、Paytmの40%の株を持っているのがアリババである。Paytm は2015年に中国のアリババからの出資を受けているため、Paytm との協力体制はアリババの影響力を抑止することを想定した可能性がある。PayPayの市場動向はこのようにソフトバンクとの協力体制を築いている各国の組織が根底にあり、それこそが市場トップの源泉。
勝手に広報ポイント③
技術のYahoo、営業のソフトバンクの融合でPayPay経済圏の確立
2019年度は「PayPayモール」や「PayPayフリマ」の開始、ヤフーの「ZOZOTOWN」買収などECサービスも強化している。在宅期間が長引いたことで影響で、PayPayモールとYahoo!ショッピングの2020年4月の取扱高は、前年同月比で1.4倍に。また、2020年6月1日よりビデオ通話を利用したオンライン診療や服薬指導に対して、「PayPay」を使った簡便なオンライン支払い機能の提供を開始。2020年6月27日には東京都の新型コロナ・テックパートナーとして、「PayPay」アプリ上で利用者の民間店舗への訪問履歴を基にした新型コロナウイルス感染症のクラスター発生に関する感染情報通知サービス「東京版新型コロナ見守りサービス」の提供を開始している。
勝手に広報チャンネルとは
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