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【APB株式会社】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー

2021.5.12

全樹脂電池とは電極を含めてほぼすべてが樹脂で作られたリチウムイオン電池。世界で初めて自社開発をおこなったAPB株式会社さんとは?2016年以降車載用が牽引する形で成長が続いているリチウム電池市場。追い風が吹いている中、80億円の使用用途についても勝手に広報していきます。

リサーチ企業概要

APB株式会社(Facebook)
・設立:2018年10月
・代表者:代表取締役 堀江 英明(ほりえ ひであき)
・社員数:55人(INTIALより
・所在地:東京都千代田区神田須田町1-3-9 PMO神田万世橋3階
・代表的なサービス:全樹脂電池の研究、開発、製造及び販売
・株式上場:未上場

経営者・創業者

<創業者/代表取締役CEO> 堀江 英明
1957年広島県生まれ。東京大学大学院理学系研究科物理学修士修了工学博士。1985年日産自動車株式会社に入社し、排気浄化触媒や電気自動車用高性能電源システムの研究開発に携わる。2007年東京大学人工物工学研究センター准教授、2011年東京大学生産技術研究所特任教授。2015年慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授。2012年から三洋化成工業㈱と共同で新型LiB(リチウムイオン電池)の開発を進める。2018年新型LiBの実用化を目指すAPB株式会社を設立(APBはAll Polymer Batteryの略)。2019年APB株式会社と三洋化成工業株式会社は資本業務提携を結んだ。日産「リーフ」の電池技術者で有名。

ミッション・ビジョン・バリュー

ビジョン:電気で世界を変える

組織体制

役員、組織体制は不明だが、東京が本社で、京都に事業所、福井に工場を運営。

市場・マーケット

・リチウムイオン電池主要4部材世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)
2019年度:209億7,987万3,000ドル(前年比106.7%)
2020年度は前年比95.5%の200億3,811万7,000ドルの見込み。リチウムイオン電池主要4部材世界市場は引き続き車載用セル向け需要を主な牽引役として、市場拡大を続けると予測する。
矢野経済研究所より
・リチウムイオン二次電池(LIB)材料世界市場規模
2019年度:2兆6,515億円見込(前年比102%)
今後は、LIBの需要増加やxEV向けLIBの高容量化などが期待でき、2023年の市場規模は5兆7,781億円と予測。
富士経済より

会社・サービスの特徴

慶應義塾大学発のスタートアップで、日産自動車で電気自動車「リーフ」の開発を主導した経験を持ち、慶應義塾大学の特任教授も務める堀江氏が2018年10月に創業。次世代の電池として期待された第二次リチウムイオンである全樹脂電池を自社開発、製造販売を行う電池メーカー。定置用(家庭用・業務/産業用)・電力系統用を始めとした各種用途で活躍する高性能電池の開発を行っている。

ビジネスモデル

リチウムイオン電池の販売(販売金額は不明)

代表的な競合

LG化学(韓国企業)
“化学”を超えた“科学”を基盤にお客様に新しい価値を提供する世界的企業。

競合優位性

同社の全樹脂型電池は、従来のリチウムイオン電池とは全く異なり、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布することで電極を形成。これにより、従来よりも工程を圧縮でき、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現。

採用関連

HPより随時募集

出資・株主

<資本提携先>
三洋化成工業株式会社、JFEケミカル株式会社

<資金調達>
2020年3月 JFEケミカル株式会社、JXTGイノベーションパートナーズ合同会
      社、株式会社大林組、慶應イノベーション・イニシアティブ1号
      投資事業有限責任組合、帝人株式会社、長瀬産業株式会社、横河
      電機株式会社の計7社を引受先とする第三者割当増資による総額
      約80億円の資金調達を実施。

2020年6月 豊田通商株式会社を引受先とする第三者割当増資により追加の資
      金調達を実施。
2020年12月 三洋化成工業株式会社、新東工業株式会社および三菱UFJキャ
       ピタル7号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増
       資により追加の資金調達を実施。


前回(2020年6月30日)および前々回(2020年3月4日)に発表した第三者割当増資と合わせると、累計調達金額で100億円。
プレスリリースより

勝手にキャッチコピー

究極の電池が世界を救う

世界で初めての第二次リチウムイオンである全樹脂電池を開発した同社。電極を含めてほぼすべてが樹脂(高分子材料)で作られた、まったく新しい材料と構造からなるリチウムイオン電池は次世代の電池として注目され、様々な分野での活躍が期待できる。

勝手にペルソナ

広島県在住・55歳・自動車メーカー・電池で動くおもちゃ作り

昔から電池で動く車作りにハマっていたことが功を奏して趣味が仕事となり、随分と長く自動車メーカーに勤務している。まだ1割に満たない電気自動車。バッテリーの主流はリチウム電池だ。その電池にも次世代電池があると知り、電池のことが気になる今日この頃。

APB株式会社を勝手に広報!

APB株式会社を、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください

2020年4月に、日産自動車および三洋化成工業とバイポーラ電極構造の全樹脂電池の要素技術に関する特許やノウハウの実施許諾契約を締結を果たしており、特許やノウハウの面において、他社との優位性を占めている可能性が高い。

勝手に広報ポイント①
慶應大学発のスタートアップ。元日産エンジニアが繰り広げる「電池を樹脂製にする」構想。

次世代の電池として期待されている全樹脂電池の製品化と量産化を進めている電池メーカー。日産自動車株式会社で電気自動車「リーフ」の電池技術者としてに携わっていた代表の堀江氏が定置用蓄電池を開発したいという思いから、東京大学・慶應義塾大学の准教授・教授を歴任したあと、慶應義塾大学発のベンチャー企業として設立。堀江氏には「金属が使われてきた電池を樹脂製にする」という新しい発想があって、三洋化成工業の技術力が加わり同社が誕生した。

勝手に広報ポイント②
第二次リチウムイオン電池で日本が世界で戦うチャレンジ。

同社の全樹脂型電池は従来のリチウムイオン電池とは全く異なる。従来の倍以上の電気容量までエネルギー密度を高めながら、可塑性(かそせい)を持ち、折り曲げたり釘を刺しても発熱・発火の危険がほとんどなく、材料コストも従来の約半分、製造設備の費用も数十分の一に抑えられることから生産が容易。製造コスト・リードタイムの削減を図れること、それから大型化やリサイクルにも優れる可能性が高いというところが特徴。これから伸びていく電気自動車とロボットは現時点で燃料電池とか乾電池のリチウムイオン電池がベースになっているため、同社の全樹脂電池が導入されていけば、樹脂ということで性能と安全性で日本・韓国の有名電池メーカーと肩を並べるかもしれない可能性がある。

勝手に広報ポイント③
80億円の資金調達。10年後には5,000億円の事業規模へ。

2020年に3度の第三者割当増資を行ない、累計100億円の資金調達を実施しているが、この使用用途は全樹脂電池の量産工場設立を目的としており、全樹脂電池の量産技術の確立、製造販売の開始に向けての投資に充当する方針。外部環境が追い風となりながらも、どれだけ早く大量生産できるかが鍵となるためスピードアップを図っている。筆頭株主の三洋化成工業の安藤社長も2020年9月の東洋経済の記事で「当社にとっても、全樹脂電池のような社会を変えるほどのイノベーションはかつてない大きなチャレンジ。この技術には自信を持っていて、大いに期待している。定置用の大型蓄電池の潜在需要は大きいので、10年後には5,000億円ぐらいの事業規模にしたい」と語っており、これまでにも累計で数十億円の研究開発費を出している。

勝手に広報チャンネルとは

株式会社プラスカラーが企画するYouTubeの動画コンテンツ。
元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。