COLUMN
ChatGPTと共存できる広報人材は〇〇を上げられる人
2023.7.5
この広報コラムでは、プラスカラー取締役の斉藤が日々インプットした情報をご紹介するとともに、広報に難しさを感じている企業の経営者様や広報ご責任者様、現場で広報活動と対峙しながら次の一手を模索している広報ご担当者様に向けて、今までの広報経験をもとにした知識・ノウハウを共有していきます。 コラムをきっかけに気づきを得て、自考・自走していくための一助となれたら幸いです。
目次
ChatGPTを上手く使いこなしたいと思いませんか?
「ChatGPTがあれば広報いらず?進化する広報と変わらない本質」という内容で以前記事を書きましたが、AIが人間の仕事を代替する日も近いかもしれない!とこれまで以上に思わせたChatGPT。
ChatGPTを使ってプラスカラーのイケてる紹介文を作ってみようと思い試してみたところ、それなりの文章は出てくるけれど抽象度が高く、他の会社でも当てはまりそうな内容に、「すごいと言ってもやはりここまでか」と感じた一方で、ChatGPTを広報で活かす術はあると考え、その方法や使い所を模索したいと思っていました。
本日のインプット&アウトプットは、「ChatGPTの活用方法」についてです。
落合陽一さんがいう「ChatGPTの賢い使い方」を学んだら、もしかしたら精度の高いアウトプットになるかもしれない?という期待の元、今回出会った動画を視聴することにしました。
今日のインプット
PIVOT公式チャンネル
▼落合陽一に聞くChatGPTの使い方『9 questions 特別版』前編
【落合陽一が実演:ChatGPTの賢い使い方】経営戦略、アイディア出し、要約、コーディングにフル活用/英語こそ最強のプログラミング言語/人間が鍛えるべきは「好奇心」/デジタル佐々木紀彦を生成
インプットした内容
■Chat GPTの使い方
- Chat GPTで生成するものに適しているのは、ドラフティング、要約、コーディング。
ステップバイステップで情報を与えれば文字ベースのものは大体作れる。例えば秘書が落合洋一氏の代わりに講演概要を作ってと言われたら、今までの講演概要を30個くらい貼り付けていけばそれなりのものを作れる。 - 情報を与えることがChatGPT活用のコツ。きちんとワードを入れてあげれば正確性の高いものが作れる。言葉でできることを考えて渡すことが重要。与える情報が多ければ多いほどいい。ChatGPTは誰かの真似をして喋ることが得意。
- 日本語の精度が低いので、英語で使用した方が今は精度が高い。
■今後のAIの浸透
- 「一緒に遊べるゲームを作って」とChatGPTに入れたら、テトリスを作ってくれた。
UIとして画期的。UIは今まで固定されていたけれど、ChatGPTの場合、「一緒に遊べるゲームを作って」と指示したら、音楽なのか文章なのか、いろんなものがありうる中でゲームを提示してきた。ChatGPTは自由に考えて定義されないコンテンツを生成する機械ができている。 - ポイントはAIとの対話。1回で回答を得るというより詳細を聞いていくことがポイント。
- 言葉だけで様々な形態にアウトプットできる。今までプログラマーを雇わなければできなかったことが、雇わなくても映像にも文字にも音声にも、媒体の形式にとらわれなくなった。同じパッケージで時には音楽、時には映像を作ることはできなかった。言葉でやりとりしながら自由なアウトプットができるようになった。
- 自然言語がプログラミング言語になった。いま最もエキサイティングなプログラミング言語は英語だと言っている人もいる。
■こどもの教育、仕事の変化
- 人間が鍛えるべき力は好奇心。
- 基本的な読み書き算盤は、AIができる。流れていくものを見落とさないようにすることが重要。
- 日本の就活における面談はChatGPT的。=画一的、みんな同じような回答ばかりする。
- 仕事においては、経営戦略を作ったり、番組企画を作ったりするのはAIにできる人間の仕事。
- ユーザーが欲しい形でコンテンツが生成できるようになった。1つの素材で複数のコンテンツが作れる。素材さえもAIで作ることができる。
■デジタルヒューマン化することで制約から解放される
- 素材=デジタルヒューマン。デジタルヒューマンに形を変えれば時間、肉体という制約がなくなる。
- 文章や動画などが残っていれば、それを活用してデジタルヒューマンとして永遠に生き続けられる。
インプット情報からの学び:目的や要件定義の解像度を上げることで、AIも人もいいアウトプットが生み出せる
今日の動画からの気づきは、「何をするにしても解像度を上げることが期待する結果を導きやすい」ということです。
落合さんはChatGPTに豊富な情報を与え、細かく条件定義することで自分の求める答えを導き出していました。前提条件を丁寧にインプットすることで精緻なアウトプットになるということが動画を見ると一目瞭然です。ChatGPTの活かし方を学ぶとともに、これは人とのコミュニケーションにおいても同じだなと思いました。
一緒に働くメンバーにアバウトな依頼をすると完成度の低いものが出てきます。
これはその人の能力というよりも、アウトプットの前提条件が細かく擦りあっていないことによる場合が多く、その人にとっては100%のアプトプットでも、私にとっては求めるものになっていないこというお互いにとって残念な結果となります。
「〇〇のメディアキャラバンに関する報告書を作ってください」
という指示出しよりも、
「〇〇のメディアキャラバンに関する報告書を作ってください。これは▲▲さんが部会で上司に報告するために使用する資料で、この報告内容をもとに次年度の広報予算が決まるので、次年度もこのメディアキャラバンの予算が出るように、目標と実績の数字と、目標達成に向けてどんなアクションを行って、それに対する反応がどうだったのか?そして次回に繋げる改善点はどんなことがあるか?という内容でまとめてください」
という指示出しの方が、指示者の要望通りのものが出てきやすいですよね。
広報活動についても同じです。
広報アクションを闇雲に思いつきで行うのではなく、「何のためにどういう結果をいつまでに得たいからこれをする」ということが明確になっていないと、期待する広報効果を得るどころか、何が効果なのかわからず、結果的に「広報って何やっているの?」という評価になりかねません。
「広報をやって、テレビに出るぞ!」
というざっくりとした活動内容よりも、
「自社サービスの販路拡大に向けて、ターゲットである30代〜40代の主婦層に知ってもらうための露出をとるぞ!そのためには、昼もしくは夕方の情報番組に絞ってアプローチしよう。こういう番組のディレクターやリサーチャーは、〇〇や〇〇などの情報系メディアをみていることが多いから、まずはこれら情報系メディアにアプローチしよう!」
というように、目的やその達成に向けて解像度の高い活動内容の方が、実現可能性が高まりそうですよね。
明確な指示出しができれば、そこにChatGPTを絡めることも可能でしょう。
例えば露出すべき媒体や番組の選定や、メディアにアプローチする広報ネタの切り口、広報ネタを送る際のメールや手紙の文章など。こういう目的でこういうものが作りたい!というディレクションがしっかりしていれば、それをAIがアシストする日もそう遠くはないような気もします。
相手がAIであっても、人間であっても、目的や要件定義の解像度を上げられること。
これが、これからの時代の広報人材にも求められる、そう思います。
<お知らせ>
上記の記事をお読みいただき、広報活動をやっているけれど、活動の目的や目標の解像度が上げられていないな、と頭をよぎった方は、ぜひ一度当社の広報セミナーに参加してみませんか?
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