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広報ネタの作り方完全ガイド|話題を生むPR戦略とは?ネタを見つけるための5つの発想法

2025.5.12

「うちの会社、B2B何で広報ネタが全然ないんです・・・!」 「広報ネタって、どういうふうに考えていますか?」 広報さん同士が集まるとこのような会話になること、ありませんか?広報担当になりたての場合、「広報ネタってなんだ?」と首を傾げる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回の記事は、広報ネタの作り方や広報ネタを最大限活用するための戦略を解説します。

広報ネタとは?

広報ネタとは、企業や団体がメディアや一般の人々に伝えたい「ニュース性のある情報」のことを指します。
新製品やサービスの発表、社会貢
献活動、社内の独自性を反映した取り組みなど、あらゆる企業活動から派生する情報が該当します。

これらはプレスリリースやSNS、ニュースレターなどを通じて発信するのが一般的です。

広報ネタの最大の特徴は、「メディアで取り上げられる可能性が高い情報」であることです。
どれだけ緻密なプレスリリースや巧妙な配信戦略を練っても、発信する「ネタ」が乏しければメディアに取り上げられることは難しくなります。
広報活動においてメディアへの露出が企業の信頼性や認知度を高めるため、質の高い=メディアが取り上げたくなるネタを見つけ出すことが成功のカギを握ります。

広報ネタの重要性

広報ネタを作る際に重要な要素の一つは、「どの情報がメディアにとってニュース価値があるのか?」を見極めることです。
ターゲットとなるメディアやオーディエンスが関心を持ちやすいネタを見つけるためには、常に外部の視点を持ち、最新のトレンドや社会的なニーズを把握することが不可欠です。

例えば、企業が社会的な課題に取り組む姿勢を見せたり、斬新な製品を市場に投入したりすることは、メディアの関心を引きます。
逆に、単に内部的な情報や、既に他の企業が行っているような内容では、メディアに取り上げられる可能性は低くなります。

広報ネタを効果的に活用することで、企業の知名度やブランド価値が向上し、さらには消費者や株主などステークホルダーとの信頼関係を築くための強力なツールとなります。
どのようなネタが有効かを判断するためには、企業活動をメディアがどのように受け止めるかを考える視点が必要です。

広報ネタが見つからない原因とよくある悩み

広報担当者が「ネタが見つからない」と感じる背景には、いくつかの共通した要因があります。
これらを把握し、改善することで、よりスムーズに広報ネタを見つけることが可能になります。

1. ニュースの定義が狭すぎる

広報担当者の中には、「記者が取り上げるほどの大ニュースでなければ意味がない」と思い込んでしまっている人がいます。
しかし、メディアは必ずしも大きなニュースや事件だけを求めているわけではありません。
むしろ、読者が興味を持つようなトピック、例えば「業界の最新トレンド」や「企業のユニークな取り組み」の方が注目を集めやすいことがあります。

例えば、IT企業が発表した新しいアプリの機能が業界内で話題になった事例などは、巨大メディアに取り上げられる可能性があります。
また、当社のクライアント様の中にも、新卒採用の手法が人手不足を解消するユニークな採用活動として取り上げられたこともあります。


小さなニュースとして片付けられがちな情報でも、「新しい価値」を見出すことで広報ネタとして生まれ変わります。

2. 社内との連携不足

多くの広報担当者が悩む点の一つが、社内の各部署との情報共有不足です。
製品開発部門や営業部門で生まれた情報や、社内イベントなどは、実は広報ネタとして非常に有用なものになり得ます。
しかし、これらの情報が広報部門に伝わらないままだと、貴重なネタを見逃すことになります。

たとえば、ある部署で新たなプロジェクトが始まった場合、それが他の部署にも影響を与えるような意味のある話題であれば、広報担当者はすぐに情報を取り入れて発信することができます。
これを実現するためには、「広報なんでも相談会」のような社内で定期的に情報共有できる場を設けたり、メールや社内SNSを活用して、ネタにできる情報が広報担当者に集まってくる状態を作ることが重要です。

3. ネタの型を知らない

「どのような切り口で話題を作ればよいか?」という点に悩む広報担当者も多いです。
広報ネタには明確な「型」があり、それに沿ってネタを作ることで、メディアに取り上げられやすくなります。
例えば、企業が新しい製品を発表する際には、以下のような視点で切り込むと良いでしょう。

  • 社会的背景:その製品やサービスが解決しようとしている社会的問題は何か?
  • 消費者ニーズ:消費者のどんなペイン(痛み)=問題を解決できるのか?
  • 市場動向:競合他社との違いや市場における位置付けはどうか?

ネタを見つけるための5つの発想法

広報ネタを見つけるためには、日常的に情報を収集し、発想を広げることが欠かせません。以下の方法を実践することで、ネタを見つける力を高めることができます。

1. 社内の“当たり前”を掘り下げる

多くの企業では、日常的な業務やプロジェクトが当たり前になっているため、その重要性に気づきにくいことがあります。
しかし、外部の人々にとっては、その「当たり前」こそが興味を引くネタとなることがあります。

例えば、社員が自社の製品にどれだけ情熱を注いでいるか、またその開発過程で起きた苦難や、壁を乗り越えたストーリーなどを伝えることができれば、それは広報ネタになります。

例として、ある企業が「社内コミュニケーションの改善」に向けた新しい取り組みを開始した場合、その効果や実現するまでの過程を伝えることで、同じ悩みを持つ他企業や業界関係者にとっても役立つ情報となります。

2. 社外のトレンドと結びつける

広報ネタを見つけるためには、自社の取り組みを社会的なトレンドや外部の話題と結びつける視点を持つことが重要です。
たとえば、ある企業が「エコに配慮した商品」を発表した場合、その商品が現在の「サステナビリティ」トレンドにどう関連しているかを強調することで、広報効果を高めることができます。

トレンドとの結びつけ方は、ニュースサイトやSNSでトピックや今話題のランキング等を常にチェックしておくことが効果的です。
新たに話題になっているキーワードやテーマに関連する情報を見つけ、そこに自社の取り組みを絡めることで、メディアから注目されやすくなります。

3. ユーザーや顧客の声を活用する

顧客やユーザーのフィードバックは、広報ネタとして非常に強力です。
製品やサービスに関するユーザーの感想や成功事例を収集し、それを基に広報活動を行うことで、信頼性の高い情報を提供することができます。


例えば、特定の顧客にインタビューを行い導入・購入事例として紹介したり、ユーザーのレビューを分析してその傾向からトレンドを考察して業界レポートとして発信したりする方法もあります。

4. 企業の社会貢献活動を発信する

企業が行う社会貢献活動やCSR(企業の社会的責任)の取り組みも、広報ネタとして非常に有効です。
これには、環境への配慮や地域社会への貢献活動、教育支援やボランティア活動などが含まれます。
企業がどのように社会課題に取り組んでいるかを示すことは、ブランドの信頼性や社会的価値を高めるために重要です。

例えば当社のクライアント様の事例で、地域活性や土地活用の一環で、とある県の田んぼで自社のオリジナル米を作り、ノベルティとしてお客様に配布しているという取り組みが地元の新聞で取り上げられ、ネットニュースになったこともあります。

このような社会貢献活動は、消費者や投資家にも好印象を与え、企業のイメージ向上にもつながります。
また、CSR活動を定期的に行うことで、企業のポジティブなストーリーが積み重なり、長期的に広報活動をサポートすることができます。

5. 業界の最新ニュースや注目されている課題を捉える

広報ネタを見つけるためには、業界の動向を常にチェックすることが重要です。
業界のニュースや注目されているトピックに関連するネタを発信することで、メディアや業界関係者にとって価値のある情報を提供できます。特に業界における「問題提起」や「新たな挑戦」をテーマにしたネタは注目を集めやすいです。

例えば、あるIT企業が新しいセキュリティ技術を導入した場合、その背景や、業界全体で進んでいるセキュリティ強化の動向に関連づけて広報することができます。

業界のトレンドを活用した広報活動は、メディアにとっても価値のある情報となりやすいので、常に業界ニュースをウォッチすることが広報担当者には求められます。

広報ネタを最大限活用するための戦略

ネタを見つけることができても、それをどのように活用するかが、広報活動の成否を分けます。
広報ネタを効果的に活用するための戦略を最後にご紹介します。

1. ターゲットオーディエンスを明確にする

広報活動の成功には、発信する情報をどのような人々に届けたいかを明確にすることが欠かせません。
ネタがどれだけ魅力的でも、ターゲットに届かなければ意味がありません。
そのためには、ターゲットオーディエンスを細かく設定し、それに合わせたメッセージの作成と届けるための手法の選定が大切です。

たとえば、若年層向けの商品やサービスを提供する企業であれば、SNSやオンラインメディアを活用して、トレンドに敏感なユーザーに向けた広報を行うことが効果的です。
一方、業界関係者やビジネスマンをターゲットにする場合は、専門的な業界誌やニュースサイトを利用することが有効です。

2. メディアリレーションを構築する

広報ネタをメディアに取り上げてもらうためには、メディア関係者との信頼関係が重要です。
メディアリレーションを築くことで、プレスリリースや新たなネタを効率的に伝えることができます。
記者やジャーナリストに対して、信頼される情報源となることが大切です。

定期的に情報提供を行うことで、メディアにとって有益なニュース提供者として認識されるようになります。
プレスリリースだけでなく、インタビューや対談などの取材依頼にも積極的に応じて、メディアとの関係を築いていきましょう。

3. SNSを活用して広報ネタを拡散する

現代の広報活動において、SNSは欠かせないツールとなっています。
特に、X、Facebook、Instagram、LinkedInなどを活用することで、広報ネタを直接オーディエンスに届けることができます。
SNSは、メディアに取り上げられる前に予告的にネタを発信する場としても活用できますし、実際にメディアに取り上げられた後に、拡散を加速する手段としても有効です。

SNSを通じて情報が拡散されると、予想以上に多くの人々にリーチでき、広報活動の効果が高まります。
ハッシュタグを活用したり、インフルエンサーと連携することで、ネタの拡散力を高めることもできます。

4. ビジュアルコンテンツを活用する

視覚的に訴えるコンテンツは、広報活動をさらに効果的にします。
特に、写真や動画、インフォグラフィックなどのビジュアルコンテンツは、視覚的に訴求力が高く、SNSやウェブサイトでのシェアにも適しています。視覚的なコンテンツを活用することで、メディアにも取り上げられやすくなります。
(特にテレビはどのような絵が撮れるか、イメージできることが重要!)

例えば、新商品やサービスを紹介する際に、魅力的なビジュアルを使用したプレスリリースを作成することで、メディアが記事にする際にビジュアルを使いやすくなり、記事のインパクトが増します。
また、視覚的に印象的なコンテンツは、SNSでの拡散にもつながりやすいため、広報活動の効果を最大化するために積極的に活用しましょう。

まとめ

広報ネタを見つけることは、企業のブランド力を高めるために不可欠な活動です。
しかし、このネタ作りは1日、2日でできるようにはなりません。
まずはネタを見つけるために、社内外の情報を常に収集し、外部の視点を持ち続けることを意識しましょう。


そして、質も重要ですが、どれだけの数の広報ネタを形にするかで、ネタを生み出せる広報担当者になれるかどうか、決まると言っても過言ではありません。
広報担当者になりたての方は、週に1ネタ作る!というタスク目標を掲げてネタ作りに挑戦してみるのもおすすめです。

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