COLUMN
【株式会社Paidy 】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.5.22
「お買いものに『めんどくさい』はいらない。」をミッションに掲げ、オンライン決済サービスを運営。登録口座が400万口座を突破し、リーディングカンパニーとして挑戦を続けている株式会社Paidyさん。サラーリーマンではなく企業家が集まった組織体制の会社にはどのような人たちが集まっているのか。
目次
リサーチ企業概要
・株式会社Paidy (Twitter・Facebook)
・設立:2008年3月
・代表者:代表取締役社長 兼 CEO 杉江 陸(すぎえ りく)
・社員数:130名
・所在地:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー12階
・代表的なサービス:オンライン決済サービス「Paidy」
・株式市場:未上場
経営者・創業者
<創業者/代表取締役会長> ラッセル・カマー
メリルリンチ証券とゴールドマン・サックス証券を経て東京に株式会社Paidy(旧エクスチェンジ・コーポレーション)を設立。スタンフォード大学院数理ファイナンス修士。
<経営者/代表取締役社長兼CEO> 杉江 陸
1971年生まれ、愛知県出身。東京大学教養学部卒業後、富士銀行(現 みずほフィナンシャルグループ)入行。約7年の在籍期間中に窓口業務、法人営業などを担い、コロンビア大学ビジネススクールでMBAも取得した。その後、アクセンチュアに入社。主に都市銀行、通信会社、コンシューマー・ファイナンスなどの戦略コンサルティングを担った。2006年、GEコンシューマー・ファイナンス入社。同社が新生銀行グループ傘下となり新生フィナンシャルへ商号変更した2009年、企画担当役員に就任。2012年、代表取締役社長兼CEOとなる。
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:お買いものに「めんどくさい」はいらない。
組織体制
■副社長執行役員 橋本 知周(はしもと ともちか)
楽天にてトラベル事業の営業統括、イーブック事業の立ち上げ後、DeNAで渉外部長・事業開発部長を歴任、PayPalにて大手加盟店の拡大や各パートナーとのアライアンス統括に従事。
■取締役 兼 CFO 藪内 悠貴(やぶうち ゆうき)
JPモルガンでM&A・資金調達アドバイザリーに従事後、カーライルで投資評価・実行、企業価値向上施策から上場含むエグジットまで関与。東京大学薬学部卒、東京大学工学修士。
■CTO ヒューストン・ロス
AXA生命CTOやNN生命COO/CIOなど、生命保険会社でマネジメントに携わった経験を持つ。IT、オペレーション業務に深い知見を持つ。リヴァプール大学MBA。
市場・マーケット
・国内FinTech(フィンテック)市場規模
(FinTech 系ベンチャー企業売上高ベース)
2018年度:2,145億円(前年度比42.7%増)
株式会社矢野経済研究所
・後払い決済サービス市場規模
2018年度:約5,720億円(前年比36%増)
株式会社矢野経済研究所
・BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模
2018年度:18.0兆円(前年16.5兆円、前年比8.96%増)
2018年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は344.2兆円(前年318.2兆円、前年比8.1%増)に拡大。また、EC化率は、BtoC-ECで6.22%(前年比0.43ポイント増)、BtoB-ECで30.2%(前年比0.8ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展。
電子商取引に関する市場調査
会社・サービスの特徴
「Paidy」は携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけで買い物できる新しいタイプのオンライン決済サービス。ユーザーの使いやすさを追求したシンプルで使いやすい決済サービスでECをより使いやすくしている。クレジットカードは不要で、電話番号とメールアドレスを入力すれば支払いが完了する。代金は同社が立て替えてくれるので、ショッピングを楽しんだユーザーは翌月にまとめて支払い(コンビニ支払い、口座振替、銀行振込から選択可能)すればOKなので需要が伸びている。
ビジネスモデル
加盟店からの売上手数料と決済処理料
代表的な競合
・株式会社ネットプロテクションズ(NP後払い)
テクノロジーを活用して新しい信用を創造する「Credit Tech」のパイオニア企業としてあらゆる商取引を円滑にしている。
・GMOペイメントゲートウェイ株式会社(GMO後払い)
総合的な決済関連サービス及び金融関連サービスを事業者に提供。
競合優位性
・事前登録不要でもクレジットカード感覚のスムーズな支払いを可能としている。
・決済毎に認証コードを送付し、本人確認を行って詐欺行為やなりすましを防止。決済情報を暗号化技術で守り、365日24時間体制で全ての取引を監視。
・30ヵ国籍以上を有する外国人が半数。より優秀な人材を確保し、より大きな市場のなかで勝負している。
採用関連
プラットフォームデベロップエンジニア、プロダクトエンジニアリングソフトエンジニア、プリンシパルインターラクションデザイナー、シニアプロダクトマネージャー、マーチャントアナリスト、セールスマネージャー
出資・株主
<主要株主>
伊藤忠商事、PayPal Ventures、VISA、Goldman Sachs、Soros Fund、Eight Roads Venturesなど
<資金調達>
2014年7月 エクスチェンジコーポレーションを引受先とする第三者割当増資
によりを330万ドル (約3億3千万円) の資金調達を実施。
2016年7月 エクスチェンジコーポレーションを引受先とする第三者割当増資
により総額1,500万ドルの資金調達を実施。
2018年7月〜12月 第三者割当増資を実施 シリーズCで約60億円の資金調達
を実施。
2019年11月 第三者割当増資を実施 シリーズCエクステンションラウンドに
てウェアハウス・ファシリティ契約・当座貸越契約含め総額16
4億円の資金調達を実施。
2020年2月 伊藤忠商事を引受先としてシリーズ C エクステンションラウン
ドにおける第三者割当増資により総額累計 9,100 万ドル(約100
億円)の資金調達を実施。
創業からの累計資金調達総額は 313 億円(うち、金融機関による融資を除く資本調達総額 242 億円)となり、日本国内のスタートアップによる資金調達としては最大規模の金額。
(プレスリリース)
勝手にキャッチコピー
携帯番号とメアドで後払い
携帯番号とメールアドレスを入力するだけで買い物できる、新しいタイプのオンライン決済サービス。代金は同社が立て替え、ユーザーは翌月にまとめて支払いすればOK。ユーザーの使いやすさを追求したシンプルで使いやすい決済サービスで、買い物が便利になる。
勝手にペルソナ
愛知県在住・21歳・アルバイト・買い物
アルバイトで生計をたてているけど、クレジットカードが作れなくて困っていた。Amazonの買い物でしようとしてもクレジットカードを持ってないから、決済手段がとっても不便で、ついつい買い物をやめてしまう。でも最近、クレジットカードがなくても後払いできるアプリを発見。
株式会社Paidyを勝手に広報!
株式会社Paidyを、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください
2018年の後払い決済サービス市場規模は前年比36%増でEC市場も拡大を続けている。加えて、外国人、収入が少ない若者やお年寄りなどはクレジットカードをなかなか発行してもらえないため、クレジットカードを所有していない人に「いかに簡単に決済してもらうかが」EC市場における大きな課題。後払い決済サービス市場そのものは競合他社であるネットプロテクションズがシェアの43%を占めていること、競合他社が大手だけで10社程度あることから、いかに新規ユーザーを取り込めるかが鍵になる。
勝手に広報ポイント①
クレジットカード不要のオンライン後払い決済。リーディングカンパニーとしての挑戦する姿勢。
携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけで買い物できる後払い決済サービスPaidyは、代金は全て「Paidy」が立替てくれるので、ユーザーは翌月にまとめて支払い方法を選択して支払えばOKという買い物が多い人や特に若い層に需要のあるサービス。Amazonを始めとする様々なジャンルのECサイト等、対応サイトが70万以上に増えている。決済毎に認証コードを送付し、本人確認を行って詐欺行為やなりすましを防止、決済情報を暗号化技術で守り、365日24時間体制で全ての取引を監視。クレジットカードが不要である簡便性と安全性が強みということもあり、ネットプロテクションズやGMOペイメントゲートウェイなど有名企業が競合にいる中、2020年10月には400万口座突破し後払い決済のマーケットでは業界ナンバーワンとなっている。2017年に社長交代し、創業者であり、現代表取締役会長ラッセル・カマー氏から杉江陸氏にCEOを交代。創業者という一人のタレントが強い会社だったため、このままではさらなる成長は難しいと考え、自分が任された仕事の範囲を超えて、自分自身の意見を持って仕事ができる組織にすることが自分の役割だと考えたことで、鈴江氏を代表取締役社長に就任させたことも成長に起因している。
勝手に広報ポイント②
資金調達総額313億円。グローバル目線の戦略的な思考。
2020年2月にシリーズCエクステンションによる伊藤忠商事からの第三者割当増資によって累計総額約100億円を受け入れ、創業からの累計資金調達額が313億円。投資先はPayPal VenturesやVISA,、Goldman Sachs、Soros Fund、 Eight Roads Venturesなど海外資本のVC/CVCが中心。創業者ラッセル氏が海外出身であることも大きいが、それ以上に「自分たちとは違う視点と、スケール感のある期待値を持つアドバイザーを求めるのは当然のこと」という考えが元にあるようで、今後海外展開を見据えて戦略的に海外投資家との接点を持っている。中期的には国内1,000万口座突破を目指しているが、日本だけではなく、グローバル展開を目指しており、2019年には台湾のEC市場にも進出し、今後は東南アジアへの進出も視野に入れている。海外の後払い決済の類似サービスとして、アメリカでシェアを伸ばしているAfterpay(アフターペイ)や、ヨーロッパを中心に14ヵ国以上で利用されるKlarna(クラーナ)などが世界的には認知されているが、まずはアジアでの後払い決済サービスでシェアNo.1を狙いつつ、最終的にはグローバルを視野に入れていく戦略を取っている。
勝手に広報ポイント③
出身国籍20カ国以上のメンバーが参画するサラリーマンではなく、起業家の集まり。
現在社員数約130名でメンバーの出身国籍は20カ国以上。組織体制として起業経験・新規事業の立ち上げ経験がある割合は40%で、サラリーマンではなく、起業家の集まりであることが特徴的。社員の平均年齢は37歳で30代のメンバーが49%で、実績やノウハウを持ったメンバーが在籍している。エンジニアは全体の42%で比率としては一番多く、他カスタマーサポート、営業・マーケ、事務・人事がそれぞれ16%という比率で構成。こういった優秀な人が定着する仕組み作りにも力を入れているが、長期休暇での海外旅行率64%、オフィスのジーンズ比率81%、19時以降のオフィスにいる人率11%と、日本では不足されている優秀なIT人材が働きやすい環境を維持できる強みを持っている。
勝手に広報チャンネルとは
株式会社プラスカラーが企画するYouTubeの動画コンテンツ。
元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。