COLUMN
【株式会社カケハシ】を勝手に企業リサーチ★byプラスカラー
2021.6.6
薬剤業界に新たなサービスを提供!20年来変化がなかった薬局業界に颯爽と現れ、新たな光明と変革をもたらした薬剤師と患者双方に寄り添う革命家、株式会社カケハシ さん。患者と医療従事者双方に価値を提供し、日本の医療の停滞を打ち破る。
目次
リサーチ企業概要
・株式会社カケハシ(Facebook・wantedly)
・設立:2016年3月
・代表者:代表取締役社長 中尾 豊(なかお ゆたか)
代表取締役CEO 中川 貴史(なかがわ たかし)
・社員数: 97人
・所在地:東京都中央区築地4丁目1-17 銀座大野ビル9F
・代表的なサービス:薬局体験アシスタント「Musubi」(ムスビ)
・株式上場:未上場
株式会社カケハシ – INITIAL
経営者・創業者
<共同創業者/代表取締役社長>中尾 豊
千葉県出身。医療従事者の家系。大手武田薬品工業株式会社を退社後株式会社カケハシを創業。経済産業省主催のジャパン・ヘルスケアビジネスコンテストやB Dash Ventures主催のB Dash Campなどで優勝。内閣府主催の未来投資会議 産官協議会「次世代ヘルスケア」に有識者として招聘。
<共同創業者/代表取締役CEO> 中川 貴史
学生時代にも起業経験あり。東京大学法学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに就職。製造・ハイテク産業分野の調達・製造・開発の最適化、企業買収・買収後統合マネジメントを専門として全社変革プロジェクトに携わる。イギリス・インド・米国でのプロジェクトに携わった後、株式会社カケハシを創業。
■取締役CTO 海老原 智(えびはら さとし)
慶應義塾大学大学院制作メディア研究科修了後、凸版印刷株式会社で開発業に従事。その後はグリー株式会社にてSNS/プラットフォーム開発に関わった後、株式会社サイ カの取締役CTOを経て創業直後の株式会社カケハシに参画。
■執行役員CFO 三浦 徹(みうら とおる)
ロンドン大学卒業後、ドイツの証券株式会社の投資銀行本部にて、M&A・資金調達プ ロジェクトに従事。その後はアマゾンジャパンに転職。経営管理や新事業立ち上げに携 わる。USCPA(米国公認会計士)の資格を保有。
■執行役員 清田 紘佑(きよた こうすけ)
大学卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社にて様々なプロジェクトに従事。その後独 立を経て、株式会社SHIFTで執行役員や複数子会社の取締役を歴任、M&Aを中心とした 経営戦略にも携わる。2020年より株式会社カケハシに参画。
ミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:⽇本の医療体験を、しなやかに。
ビジョン:明日の医療の基盤となる、エコシステムの実現。
バリュー:高潔・価値貢献・カタチにする・無知の知・変幻自在・情報対称性
組織体制
中間管理職はいないフラットな組織体制。
「部門」という概念がなく、それぞれの専門性を活かした役割にあわせて、チームで課題に取り組んでいる。財務情報や経営情報、投資家との議事録は、全社員へ公開されているオープンな環境。すべての業務コミュニケーションは、公開チャットでされている。年齢層は20代〜40代と幅広く、医療業界出身、Webサービス業界出身など様々な業界。
市場・マーケット
・国内の薬局市場
2019年度:7.7兆円
国内約6万店存在する薬局で、古臭い手法が多く残されている。テクノロジーを用いて変革する余地があると共に成長可能性が高いマーケット。2019年の「改正薬機法」によって「薬を渡す場所」としてだけではなく、「薬の指導をする場所」になる。
2015年に厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」によると、2025年までに全ての薬局がICTを活用し、服薬情報を一元的・継続的に把握し、24時間対応できる「かかりつけ薬局」として機能することが求められている。しかも、2016年から病院内にある調剤薬局が解禁されたことにより、外部の薬局の生き残り競争は激化しているようで、外部環境的に薬局市場のDX化は急務と言える。
会社・サービスの特徴
薬剤師と患者双方の薬局体験向上を目的に、クラウド型電子薬歴システム「Musubi」を展開している。「Musubi」では患者の「疾患・服用薬・生活習慣・季節・過去処方」などを元に、服薬指導と生活アドバイスを自動で提案してくれる。さらに、画面上で服薬指導と生活アドバイスを行うことができるうえに、指導内容を薬歴に記録までできるので、患者、薬剤師、薬局に関わる全ての人にメリットが生まれる。順次導入店舗を拡大し、2020年7月には、調剤薬局に特化したBI(Business Intelligence)ツール「Musubi Insight」と患者向けにおくすり連絡帳アプリ「Pocket Musubi」という「Musubi」と連携する2つの新サービスをリリースしている。
ビジネスモデル
薬局への販売
BtoBのSaaS(Software as a Service)モデル
代表的な競合
・株式会社ソラミチシステム(CARADA電子薬歴)
薬剤師の業務改善と薬局のサービス向上を叶えるクラウド電子薬歴。
・PHCホールディングス株式会社(DrugstarLead)
薬歴に関係する一連の業務を効率的に完結できる対面型薬剤情報システム。
競合優位性
・想像ではなく、実際に生の現場の声を元に開発している点
・「患者さんへの価値提供」を最大にして唯一の目的としている
最近の主なニュース
■2021年3月 薬局向けの欠品・在庫リスク軽減ソリューションを提供する
「Pharmarket」がカケハシグループの一員に
■2021年3月 カケハシ スカイソリューションズとネオキャリアが、オンラ
インインターンシップの販売代理店契約を締結
■2020年9月 Musubiの服薬指導支援により緑内障治療薬のアドヒアランス
が向上
出資・株主
<主要株主>
Salesforce Ventures 、三井住友トラスト・インベストメント株式会社 、DNX Ventures 、Innovation Growth Ventures株式会社 、 株式会社Coral Capital
<資金調達>
2019年11月 株式会社あおぞら銀行が100%出資するファンド運営会社 あお
ぞら企業投資株式会社の運営するベンチャー企業向けデットフ
ァンド「あおぞらHYBRID1号投資事業有限責任組合」)を引
受先として転換社債型新株予約権付社債の発行による資金調達
を実施。
2019年12月 PHC株式会社を引受先とする第三者割当増資の資金調達を実
施。
2020年10月 ジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合、Sony
Innovation Fund by IGV、および既存投資家であるCoral
CapitalのCoral Growth、千葉道場2号投資事業有限責任組
合、DNX Ventures、Salesforce Venturesを引受先とする第
三社割当増資により総額約18億円の資金調達を実施。
勝手にキャッチコピー
薬局が変わる最新システム
患者、薬剤師、薬局の全てにおいて、薬局体験の向上を目指したクラウド型電子薬歴システム「Musubi」。実際の医療現場を熟知した人々が顧客に寄り添ったサービスをテクノロジーの力で実現することにより、旧体質の業界に新旋風を巻き起こしている。
勝手にペルソナ
千葉県在住・32歳・薬剤師・ボランティア活動
お薬手帳を持ってない人がいて、患者さんに質問すると、「また同じこと聞いてくる」と言った顔をされることが多い。顧客のためが、顧客にとって苦痛になっている気がする。もう少し患者さんに向き合う時間を増やすために業務が改善できれば、患者さんにとってもっといいアドバイスができるはず。
株式会社カケハシを勝手に広報!
株式会社カケハシを、広報のプロであるプラスカラーの経営陣が勝手に広報しました!紹介動画は「勝手に広報チャンネル」からご覧ください
医療業界で、2割の薬局の考え方や動き方が変わってくると、それが全体に波及していき、業界全体の動きが変わってくると考えているため、先頭の2割の集団が動き始めると全体が動くバッファローにちなんで、中川氏は「バッファローモデル」と名付けている。
勝手に広報ポイント①
社会的意義のある起業を目指した二人の創業者。
製薬会社でMRとして働いてた経験を持つ代表の中尾氏は、自社の薬を多くの医療現場で導入してもらったとしても、「本当にその薬がすべての患者さんのためになるのか」と疑問が湧いてくるようになっていた時に、親戚から薬局の事業承継を打診されて、転職か、引き継ぎか、独立かを悩んだ結果、「誰かに対して価値が提供できること」が自分の幸せだと考えて起業を決めている。起業決意後は、仲間集めに力を注いでいた中でマッキンゼー出身のCEOの中川氏に出会っている。中川氏は、学生時代に起業し様々なベンチャーを立ち上げた経歴の持ち主。一度大手企業に就職し活躍するものの、もう一度、起業にチャレンジしたいという想いが募り「チャレンジできる環境がある人間こそ、立ち上がって、社会をより良くしていく義務がある」という思いで、社会的意義を大事にし、課題解決に重きを置く二人が出会い、30個以上のビジネスモデルを検証し、400件の徹底したヒアリングをした結果、電子薬歴システム「Musubi」が誕生している。「全国の患者さんに影響を与えるサービスを生み出す」という中尾さんの信念をカタチにしたサービスで、服薬指導に従事する薬剤師さんと薬を受け取る患者さんとが、より良いコミュニケーションを育むために生まれた。
勝手に広報ポイント②
急激に変化をみせる日本の薬局市場を的確に捉えた電子薬歴サービス。
「Musubi」は患者、薬剤師、薬局にとって三方良しを実現するサービスといえる。患者にとっては、一人ひとりに合った薬歴指導を提供したり、「おくすり連絡帳アプリ」を通じて服薬期間中のフォローができることで安心感や満足感が得られる。薬剤師にとっては、薬歴業務や在宅業務の効率化が図れるので業務短縮につながり、患者に寄り添う時間を増すことも可能だ。一件あたり10分以上かかっていた薬歴作成が、従来の電子薬歴より内容が充実した上、わずか2〜3分に効率化した実例もある。薬局にとっては店舗の情報把握が出来る点。書けるだけの電子薬歴とは違って自局の服薬指導や薬歴業務など現状の業務状況や収益を見える化することで、勘や経験などに依存した薬局運営から脱却し、意思決定の質を上げられる。また、複数店舗間で患者情報を連携できるので、患者が何度も同じことを聞かれるわずらわしさが無くなり、薬局の継続利用意識の高まりが期待できる。サービス開始から4ヶ月で、全国の薬局6万店舗の11%に相当する7,000店舗から問合せあり。目指す先は全国の薬局の2割となる1万店の薬局での体験を変えて、日本の医療を次世代へつないでいくエコシステムの構築を目指す。
勝手に広報ポイント③
レガシー業界に風穴を開けたテクノロジーの力と顧客寄り添い型思考。
医療業界自体、典型的なレガシー産業で、調剤薬局内で使われているシステムもここ20年変化がなく、大手SIerが開発したレガシーなシステムを使用している薬局がほとんど。そうした中、新興の「Musubi」の導入が進んだ秘訣は、UI・UXにこだわっている点が挙げられる。薬剤師からのフィードバックをもとにUXの向上など、サービスの細かな改善を重ねている点が高評価に繋がっている。また、同社には多くの薬剤師が在籍しており、プロダクト設計からカスタマーサクセスまで深く業務に携わっている。忙しい薬剤師を支えながら、患者に新たな価値をもたらすには、薬剤師の動きを最小限にしたうえでスムーズに扱えるUIやUXが必要。その他に「Musubi」の導入を促進させてことは、導入時のサポートが相当手厚いこと。薬局に導入してもらう際、これまで現地に行って2〜3時間の研修会を実施し、「Musubi」のコンセプトを説明や使い方のレクチャーの説明会は1回のみ。ITに詳しくない薬剤師が不慣れなまま業務に入らざるを得ない状況があったので、すべての薬剤師に1on1で全12回のオンライン研修プログラムを実施に切り替えた。それにより実際にこのプログラムを経験した薬剤師の7割は、NPSという顧客ロイヤリティを測る指標が向上。医療現場の課題を理解したうえで、最新の技術をもって従来の医療の在り方ややり方にとらわれず、新しい医療のカタチを作っていこうという想いが伝わる。
勝手に広報チャンネルとは
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元広報・現役経営者である2人(代表取締役佐久間・取締役斉藤)が最近気になる会社を約30分でリサーチし、約10分で勝手に広報するというチャンネルです。立ち上げの経緯や企画趣旨の詳細はこちらの記事をご覧ください。